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  • from: 庵主さん

    2010年11月20日 20時48分33秒

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    茶人列伝 第ニ回「武野紹鴎」

     室町時代、仏門の隠者である正徹・心敬・宗祇等によって連歌が興隆する。それまでの雅な平安王朝文化、和歌の世界に対抗し、連歌は「冷え・枯れ・侘び・かじけ」を新しい時代の美意識として提唱。以降、徐々にこの美的価値観は日本文化の各分野に浸透していくのである。
    従来ネガティブなイメージであった「侘び」や「寂び」が一転して、積極的な美の基準として採用、確立された。「数奇者」は、この時代連歌師をさす代名詞であった。が、侘び茶を深化させ、推進した紹鴎以来、茶の湯者の別称として普及していくのである。


    ■武野紹鴎 たけのじょうおう

    1502〜1555。若狭国の守護、武田氏の後裔。父の信久は諸国流浪ののち泉州堺に住み付き、姓を武野と改める。一説に信久は「種まきておなじ武田の末なれど あれてぞ今は野となりにけり」と詠み武士から町人となり、姓を武野と改めたという。紹鴎は三好氏の後援で武具調製の皮革商を営み財を成した。
     幼名、松菊丸。長じて新五郎仲材と称した。歌道を志し、京都、三条西実隆に師事して修行。元は連歌師であった。その後、村田珠光の流れを汲む藤田宗理、十四屋宗伍などに茶の湯を学んだが、ある時実隆から『詠歌大概之序』の講義を聞いて、茶道の極意を開眼したという(山上宗二記)。
    千利休は、はじめ北向道陳に茶の湯を学び、のちに道陳の紹介により、武野紹鴎に師事し、侘び茶に邁進することとなる。
    晩年、下京四条の夷堂の隣に茶室大黒庵を設ける。現在、堺の天慶院にこの茶室は再現されている。床に仏間をしつらえた、四畳半の席である。


    『山上宗二記』
    当代千万ノ道具ハ、皆紹鴎ノ目明ヲ以テ被召出也。

    『南方録』
    紹鴎に成りて四畳半座敷所に改め、張付を土壁にし、木格子を竹格子にし、障子の腰板をのけ、床の塗うちをうすぬり又は白木にし、之を草の座敷と申されし也。鴎はこの座に台子は飾られず。

    紹鴎のわび茶の湯の心ハ、新古今集の中定家朝臣の歌に、見わたせは花も紅葉もなかりけり 浦のとま屋の秋の夕くれ。此歌の心にてこそあれと被申しと也。

    連歌ハ枯レカジカケテ寒カレと。茶ノ湯ノ果テモソノ如クナリタキト、紹鴎常ニ言ウト。

    『長闇堂記』
    つるへの水さし、めんつうの水こほし、青竹のふたおき、紹鴎、或時、風呂あかりに、そのあかりやにて、数寄をせられし時、初てこの作意有となん

    『紹鴎わびの文』
    天下侘の根元は、天照御神にて、日国の大主にて、金銀珠玉をちりばめ殿作り候へばとて、誰あってしかるもの無候に、茅ぶき黒米の御供、その外何から何まで、慎み深く、おこたりたまわぬ御事、世にすぐれたる茶人に御座候。

     侘びと云ふこと葉は、故人もいろいろに歌にも詠じけれども、ちかくは正直に慎み深く、おごらぬさまを侘びと云ふ。
     一年のうちにも十月こそ侘びなれ。定家卿の歌にも、

     いつはりのなき世なりけり神無月(かんなづき)
      誰(た)がまことより時雨そめけん

     と詠みとりけるも定家卿なればなり。誰が誠より、とは心・言葉も及ばざるところを、さすがに定家卿に御入り候。ものごとの上にもれぬところなり。
     茶事、もと閑居(かんきょ)して物外(ぶつがい)をたのしみ居る所へ、知人とぶらひ来て、茶点て、もてなし何かなと、花を生けてなぐさみ候すがたにて候。


    武野紹鴎は、珠光四畳半茶の湯を一層深化させた。藁屋根の四畳半に炉を切り、唐物道具のかわりに、信楽水指、備前こぼし、竹自在鉤、釣瓶水指、曲物の建水、竹蓋置など、日常雑器を茶の湯に取り入れ「わび茶」を完成させたのである。

    南方録 全文現代語訳↓
    http://bit.ly/cQhyih

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