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from: シニョレッリさん
2013年03月06日 08時34分16秒
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美術館・教会巡り(101) トリノ、サン・ロレンツォ教会
王宮前のリアーレ広場に建つ教会で、Reale Chiesa di San Lorenzoとも呼ばれています。
写真右手に鐘楼が見えますが、それがこの教会です。
トリノ観光の中心であるマダーマ宮、王宮、カステッロ広場のすぐ近くにあるので、教会の中に入られた方が多いと思います。
スペイン王フェリペ2世と彼の従兄弟でハプスブルク軍の司令官サヴォイア公エマヌエーレ・フィリベルトが1557年8月10日、サン・クェンティンの戦いでフランス軍を撃破しましたが、その戦勝を記念して創建された教会です。戦勝の日8月10日は聖ロレンツォが殉教した日であり、それに因んで聖ロレンツォに捧げる教会として名付けられました。
元々この地にはサヴォイア家のサンタ・マリア・アド・プレセパエ教会がありましたが、1562年トリノに戻ったエマヌエーレ・フィリベルトが教会を一新させると共にサン・ロレンツォ教会と名称を改めたそうです。
現在、私たちが見る教会はこれとは違い、旧サン・ロレンツォ教会の一部を残して、1634年に新たに創建され、グアリーノ・グアリーニの設計によって1680年に献堂されたバロッコ様式の建物です。残された旧サン・ロレンツォ教会の一部は今でも見る事が出来るそうですが、私には確認できませんでした。
内部はラテン十字形のバロッコ様式となっています。
クーポラが有名で見どころとされています。
クーポラ周りのスタッコ彫刻はフランチェスコ・ビアンキ(イシドーロ・ビアンキの息子)の作品です。
ジョヴァンニ・ドメニコ・カルローネの「磔刑を嘆く聖人たち」です。
「受胎告知」の彫刻は作者不明のようです。
ピエトロ・ソマッツィの「ピエタ」です。
バロッコ様式の教会なので一見華美に見えますが、サヴォイア王家ゆかりの教会にしては稍豪華華麗さに欠け、お宝芸術品が少ないような気がします。-
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from: シニョレッリさん
2013年03月05日 08時51分16秒
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美術館・教会巡り(100) トリノ、マドンナ・デリ・アンジェリ教会
有名であっても普段閉まっている教会がトリノでも幾つかありますが、それ程知られるとは思えないマドンナ・デリ・アンジェリ教会は毎日開いています。
外観は可なり新しく見える教会です。
この日も開いていました。鐘楼が若干古く見えますが、ほぼ建物と同時期に建てられたそうです。
教会の歴史を紐解くと、1625年に創建され、1654年に献堂されたフランチェスコ会の修道院で、当時はバロッコ様式でした。
1802年、トリノに侵攻したナポレオン軍によって修道院は解体され、兵舎として使用されたそうです。トリノのサヴォイア家の復権によって、1834年教会機能が復活しましたが、建物の荒廃が進んだことから、建築家カルロ・チェッピの設計によって1901年に再建されたそうです。鐘楼も同じカルロの設計で1904年に完成したものです。
教会入口上ルネッタに描かれたフレスコ画が目立ちます。教会のパンフレットには20世紀初頭に描かれたとの記載だけで、制作した画家名が書かれていません。
毎日ミサが行われるので開いている訳です。
広い単身廊で左右に礼拝堂があります。
主祭壇の「聖母子」彫刻ですが、1629年に制作されたアメデオ・ディ・カステルモンテの作品です。
バルトロメオ・カラヴォーリアの「キリストに導かれる聖アントニオとクリスティーナ」(1653)です。クリスティーナは聖アントニオ夫人?
「マドンナの解放」(1629)もアメデオ・ディ・カステラモンテの作品です。
創建当時のバロッコ時代の三作品がこの教会の見所です。それ以外は全て20世紀の作品で、私の趣味には合いません。
新しそうに見える教会は、多くの場合、古い教会が再建されたもので、彫刻・祭壇画にしても創建時のものが残っていることが多いので、無視は中々出来ません。-
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from: シニョレッリさん
2013年03月04日 13時23分47秒
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美術館・教会巡り(99) アンコーナ、サン・フランチェスコ・デッレ・スカーレ教会
この教会はアンコーナでも有名なのですが、何故か、何時も閉まっていて入ったことがありません。「開かない美術館・教会」シリーズでやるべきと思いますが、タイトルがネガティヴな感じがするので「巡り」シリーズでやることにしました。
新しいコムーネに行くと、真っ先に観光案内所にいって地図を貰うと共に、博物館や教会などの主な見どころの開館時間を確認することにしています。
一般的に、一つのコムーネで定期的に一般開放されている教会の数は3~5くらいでしょうか、例え有名で立派であっても普段は開けられない教会が少なからずあるのです。
アンコーナ観光案内所に拠れば、特別な日、つまり特別なミサが行われる日を除いて、この教会の扉が開くことはないとの事です。
1323年に創建され、18世紀に完成したフランチェスコ会の教会です。
サン・フランチェスコ広場の階段の頂に教会の建物があります。主に三期に分けて建築されたことから、ゴシック様式、ルネサンス様式、後期バロック様式の三様式が折衷して建てられています。
石像と浮彫で飾られたヴェネツィア・ゴシック様式のファサードと扉は、1459年に完成したジョルジョ・オルシーニ・ダ・セベニーコの作品です。
この教会が有名なのは、ファサードだけではなく、お宝芸術品が中にあるのです。
ここに書いてあるだけではありません。
一番の見所は、ロレンツォ・ロットの「聖母被昇天」だと思いますが、残念ながら私は未だ一度も見たことがありません。
通常閉まっていると、中の祭壇画などの劣化が心配ですが、どうなのでしょうか。
教会の土台の所に小さな水路があります。この水路は由緒正しきものらしく、この教会の必見とされていますが、それ以上の詳しい事は知りません。
ファサード前から撮ったフランチェスコ広場です。
何時の日か中に入りたいと思っていますが、何時になるか分かりません。
何方か、中に入った方がおられるでしょうか?-
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ぐら姐、
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from: シニョレッリさん
2013年03月04日 09時21分40秒
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開かない美術館・教会(3) アンコーナ、Museo Diocesano
過去に数回入ろうとしましたが、未だに入ったことがないMuseoです。今回もダメだろうと思いながらも淡い期待を抱いて行ってみました。
アンコーナのドゥオーモです。
ファサードがある正面扉が開いているのを見たことがありません。
ドゥオーモに向かって左の建物は旧司教館で、ここにMuseoが設けられています。
案の定と言うべきか、扉は閉まっていて、人の気配さえありませんでした。
扉に貼られた白い紙に開館時間が書いてありました。前回、去年10月に来た時にも、開館時間を確認済だったのですが・・・
それに依れば、10月から4月までの土日と祝日の10-12:30/15-18に開館だそうです。
それで、この時ですが、土曜日の午後4時過ぎで、当然開いている筈の時間帯なのですが・・・・
ルーベンスの「最後の晩餐」などが展示されているそうですが、何分、見たことがないので詳しいことが分かりません。
アンコーナの各教会から集められた、このような祭壇画が展示の中心だそうです。(画像は展示作品です)
Museoは仕方が無いので諦めて、ドゥオーモに入ることにしました。
入口は身廊の方にあります。少し分かり難い場所に入り口があるのですが、ファサード側の扉が閉まっているのを見て、観光客の中には帰ってしまう方がいると聞いています。
ドゥオーモは、開いている時間には必ず中に入れます。
Museoは、開けていても、この時期、入館者は皆無だろうから、開館すれば人手が必要だし、照明・暖房費が必要、閉館にしておけば費用節減に資するから、との意味合いと勝手にその背景を推察しています。各地の市立美術館に行きましたが、殆どの場合、入館者は私一人でしたから、更に人気の面で劣るMuseo Diocesanoとなると更に入館者は少ないと思われます。
それに加えて、アンコーナ大聖堂は街外れのかなり高い丘の上にあるので、年取った信者の方々が徒歩で行くには容易ではありません。事実、他の街の大聖堂と比べると、訪れる人が少ないと思います。元々、人出が少ないのもMuseoが開いていない理由の一つかも知れません。
夏休み前の繁忙期6,7月頃に行けば、多分開館しているのでしょう。-
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ぐら姐、
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from: シニョレッリさん
2013年03月02日 16時03分59秒
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開かない美術館・教会(1) フォリーニョ、Oratorio della Nunziatella
イタリア芸術ファンの私にとって、懸案事項の最たるものは、開いている筈の美術館・教会などが閉まっている事です。旅程作成に当たって、コムーネなどのHPで予め調べて、開いている所に限定して予定を決めていますが、それでも実際に行ってみるまで開いているかどうか、分かりません。
右の方に顔写真のようなポスターが見える建物がOratorio della Nunziatellaです。ここは毎週土日の10-13/16-19に開くことになっています。HPに書いてあるし、コムーネの案内所でもOrariを確かめました。
この写真を撮った時は土曜の10:30AM、でも開いていません。
そうです、顔写真はペルジーノです。
土曜の16:50頃に撮った写真です。開いていませんでした。
日曜の10:30AM頃に行きましたが、やはり開いていませんでした。
見たかったのは、このペルジーノのフレスコ画など2点でしたが、残念でした。
このようなことはイタリアでは度々経験しているので、「ああ、またか」としか思いませんが、この祈祷所を旅の目的には今後してはいけない、と肝に銘じました。-
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2013年03月02日 09時44分19秒
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美術館・教会巡り(98) トリノ、サバウダ美術館
サヴォイア家の17世紀の学校だった科学アカデミア宮殿の一部が美術館となっています。
宮殿の前に古代ローマの遺跡があります。そもそも遺跡の上に宮殿を建てたようです。
遺跡は今でも夏季の野外劇場として現役となっています。
美術館の展示はサヴォイア家のコレクションが中心です。ただ、私見では王家の収集美術品としては質、量ともに稍貧弱に思えます。勝手に言わせて戴くならば、もう少し、お宝作品があると良いですね。
切符売り場は美術館入口にはなくて、王宮の方にあります。
この写真の突き当り右に切符売り場があります。
サバウダ美術館の開館時間が曜日によって、午前のみ、午後のみとなっているので、行かれる方は注意が必要です。午前から午後まで通しで開館することはありません。
メムリンク、ファン・デア・ウェイデンなど北方リナシメントの作品が充実しています。
では、この美術館で展示されている作品に移りますが、美術館は撮影禁止なので画像がある作品だけになります。
フィリピーノ・リッピの「三大天使とトビアス」です。
ポッライウオーロ兄弟の「大天使ラファエッロとトビアス」ですが、美術館の表示ではアントニオ・ポッライウオーロの作品としています。
マンテーニャの「聖母子と聖人たち」ですが、マンテーニャ単独ではなく、彼の工房も制作に参加したそうです。
オラツィオ・ジェンティレスキの「受胎告知」です。傑作だと思います。
ロヒール・ファン・デア・ウェイデンの「受胎告知のトリプテック」です。
ハンス・メムリンクの「キリストの情熱」です。
セバスティアーノ・リッチの「ソロモン王」です。
これ以上、簡単に作品画像が見つかりません。という事で、最後にその他の作品の中で私が傑作・秀作と思う作品をリストアップして、この項を終わることにしましょう。
ベルナルド・ダッディ:「聖母戴冠」
バルナバ・ダ・モデナ:「聖母子」
フラ・アンジェリコ:「二天使」「聖母子」
マリオット・ディ・ナルド:「四聖人」
ベルゴニョーネ:「聖母子」(これは良い作品です)「聖アンブロージョの説教」
ガロファロ:「キリストの教会での論争」
グイド・レーニ:「洗礼者ヨハネ」
フランチャ:「十字架降下」
ジロラモ・ジョヴェノーネ:「玉座の聖母子と三聖人」
サヴォルド:「幼きキリストを崇拝する聖人たち」
ルドヴィーコ・マッツォリーノ:「聖母子と三聖人」
グエルチーノ:「ローマの聖フランチェスコ」
ポリドーロ・ダ・カラヴァッジョ:「聖アルベルト・カメリターノ」-
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2013年03月01日 10時46分53秒
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リナシメント芸術家(31) ロレンツォ・ロット
従来からロレンツォ・ロットは好きでしたが、「早春の旅」で、特にマルケ地方で彼の作品を見るうちに、当時としては異端的と言うべきであろう彼独自の特異な作風や鮮やかな色使いに圧倒されるようになり、より一層好きになりました。
この「受胎告知」が彼独特の特異性を表している代表作だと思います。受胎告知を受ける聖母は「いやーん、私はそんな者ではありません」と言いながら、大天使ガブリエルから逃げ惑っているかのように描かれています。それに、このクロネコは何でしょうか?
フラ・アンジェリコ、レオナルド・ダ・ヴィンチや数多の画家たちの「受胎告知」は、厳粛な雰囲気のもとに敬虔に告知を受ける聖母と言うのが普遍的な表現ですが、ロットのこの表現には驚かされます
レカナーティ市立美術館にあります。
この「受胎告知」も彼独特ですよね。イエージ市立美術館にありますが、今回は修復中で見ることが出来ませんでした。この作品画像は同美術館HPから転載させて頂きました。
3か月半振りの「リナシメント芸術家」です。その理由は芸術家別に私が見た作品リストを作成しているのですが、昨年からの分をそれに付け加える必要があるにも拘らず私の怠惰のために全く滞っているからです。それにイタリアではリナシメント、バロッコは余り使用されていない単語で、イタリアでは、芸術史上の時代概念によってトレチェント(1300年台)、クヮットロチェント(1400年台)、チンクエチェント(1500年台)、セイチェント(1600年台)などと言われるのが普通なので、「リナシメント芸術家(長くなるので、バロッコも含めることにしています)」と言う標題を使うことに抵抗感が出てきたのも大きいのです。
舞台裏の話はこれぐらいにして、ロットの生涯について少し触れて見たいと思います。
Lorenzo Lotto(1480ヴェネツィア生まれ~1556ロレートで没):修業時代の確実な記録がありませんが、初期の画風がジェンティーレ・ベッリーニ、ジョヴァンニ・ベッリーニの影響が色濃く見られ、ジョルジョーネの自然主義的傾向も垣間見えることから、ベッリーニ工房で修業したとの説があります。その後、ヴェネツィア派の発展に寄与したアントネッロ・ダ・メッシーナ、アルブレヒト・デューラーの影響を受けながらも、斬新な構図を取り入れ、鮮やかで豊かな色彩を駆使して、優れた人物表現、荒々しいタッチ、どこか不安定さを思わせる複雑、そして神経質な独自の画風を確立しました。生涯に制作した作品数は約400点弱と言われ、生涯に渡って優れた肖像画、宗教画を制作しましたが、その一方で彼の画料は非常に安かったことから、絶えず貧困に悩まされていたそうです。
性格は神経質で、社会や周囲からの孤立を好んだ上に狷介で、生涯結婚せず、家族を持たず、友人と言える友人はいなかったようです。ヴェネツィア共和国は国家としての枠組みが強烈だったことから、彼の性格にはヴェネツィアが合わないことに加え、当時、ヴェネツィア芸術界を牛耳っていたティツィアーノとも合わず、結局、生涯に渡ってトレヴィーゾ、アーゾロ、ローマ、イエージ、レカナーティ、ベルガモ、サント・ステファノなど時々ヴェネツィアに戻りながら各地を転々としながら制作を続けたそうです。死の2年前、ロレートの聖なる家修道院に在俗者として入り、修道院で没したそうです。
現在、ティツィアーノと並ぶヴェネツィア派の巨匠として高く評価されていますが、活躍の主要場所が地方のマルケやベルガモなどだったことから、彼の存在は死後直ぐに忘れ去られ、再評価されるようになったのは20世紀直前のことでした。
では、最後に私が好きな作品を載せましょう。
「荒野の聖ヒロエニムス」で、ローマのカステロ・サンタンジェロ国立博物館にあります。
ベルガモのサントスプリト教会にある「サントスプリトの祭壇画」です。
「アレッサンドリアの聖女カテリーナの神秘な結婚」ですが、ベルガモ、カッラーラ美術館の所蔵です。
上が「聖フランチェスコと聖女キアラ」、下が「玉座の聖母子と聖ジュゼッペと聖ジロラモ」です。イエージ市立美術館にあります。
上が「受胎告知」、下が「ご訪問」で、イエージ市立美術館にあります。
ロレート、聖なる家美術館所蔵の「幼きキリストへの崇拝」です。
ロレート聖なる家美術館にある「神殿奉献」です。彼の絶筆と言われています。彼にしては非常に弱弱しい感じがします。彼の晩年における困窮と体調不良が垣間見え、目頭が熱くなりました。-
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