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from: かにこさん
2009年10月15日 14時44分02秒
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一緒に勉強しましょう【パスツレラ感染症】
一緒に勉強しましょう【パスツレラ感染症】
【どんな病気?】
パスツレラ・マルトシダという細菌の感染によって起こる、うさぎさんによく見られる病気です。
バスツレラ菌はうさぎさんの鼻腔、副鼻腔(鼻腔の周囲の骨にある空洞)に普通に住み着いている菌で、健康で免疫力が強く働いていれば発症しませんが、ストレスがあったり免疫力が低下していると発症します。
関連する病気としてスナッフル(鼻水やくしゃみ)や歯根膿瘍が最もよく知られています。
うさぎさんの鼻腔、副鼻腔に感染している可能性は60〜70%と高く、症状を見せないままに多くのうさぎさんが保菌しています。
ですから、他のうさぎさんと接触がなくてもストレスによって免疫が低下している時などに発症することがあります。
発症のきっかけとなるのは、気温の変化、すきま風が吹き込む場所での飼育、掃除をしない不衛生な環境、同居動物などによるストレス、換気の悪さ、不適当なご飯、高齢や妊娠などによって免疫力が低下していることなどです。
これらはすべてうさぎさんにストレスを与え、発症しやすい状態を作ります。
感染は粘膜を介して起こります。
感染経路は、保菌しているうさぎさんからの飛沫感染(鼻汁など)や、直接触れることによる接触感染、また保菌している母うさぎから生まれる子うさぎが、出産するときに産道粘膜から感染したり、授乳のときに感染したりします。
交尾による感染もあります。
パスツレラ菌にはいろいろなタイプがあり、軽いものもあれば、とても強い病原性を持つタイプもあります。
気管を通って肺へ、鼻涙管を通って目へ、耳管を通って中耳や内耳、脳へ、血管を通って心臓や生殖器、皮下へと感染が広がることがあります。
このパスツレラ菌は、ワンちゃん、猫ちゃんも持っており、噛まれたり引っかかれたりすることによって感染する最も普通の病原菌です。
人に感染する可能性もあり、免疫不全の状態にある人では敗血症を起こす原因菌となります。
細菌の毒性の強さや、うさぎさんの免疫力の状態、治療方法などにより、治療後の回復状態はさまざまです。
鼻腔や副鼻腔などの深い部分に起きた感染や膿瘍は、最もコントロールしづらいもので、感染のコントロールを目的とした治療が生涯続く場合もあります。
【主な症状】
・鼻炎や副鼻腔炎などのスナッフル症状(鼻汁やくしゃみ)
・鼻涙管が詰まってなみだ目や目やにが出る
・結膜炎
・鼻水や涙が原因で眼の周囲や前足の内側に起こる湿性皮膚炎
・内耳が感染すると斜頚や眼振、運動失調、肺炎、膿瘍(皮下や内臓、生殖器など)
・上部呼吸器(鼻、鼻腔、咽頭、気管)、肺に感染が進んで開口呼吸をするようになっていると、相当症状が進んでいる
【病院ではどんな治療をするの?】
・パスツレラ菌や他の菌の種類を特定するために、鼻汁や膿を培養し、適した抗生物質を投与
・炎症の程度や全身状態を調べるため、血液検査
・慢性的な上部呼吸器の疾患では、頭部や胸部のレントゲン検査が必要
・鼻涙管の洗浄、膿瘍の切除、ネプライザーなど、症状に応じた治療
【予防のために】
・明らかに感染しているうさぎさんと他のうさぎさんを接触しないようにする
・湿度の急激な変化を避け、高温多湿にならず、隙間風の吹き込まない環境作り
・排泄物の掃除をこまめに行い、換気をよくし、空気がこもらないようにする
・じめじめしていない衛生的な環境整備
・十分な繊維質を含むご飯を与え、ストレスの少ない環境を心がける
・軽度だと思っても症状が進行することがあります、悪化する前に診察を受けましょう
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