ソフトバンクの竹内孝規球団常務取締役は、オリックスが既にパウエルの獲得を発表していたことは認識していた。
「しかし、報道をうのみにせず、目と耳で確認するのは当然のこと」とし、「獲得できるか調査していた中で契約合意にいき着いた」と説明した。
オリックスは１１日に「獲得」を表明した後、出来高などを含めた契約作業の詰めは進まなかったという。
その間に、パウエルの代理人はソフトバンクとの交渉に応じたことになる。
竹内常務は「交渉の席に着くかは相手が決めること。着くのなら、問題があっても先方がクリアするはず」と球団側に問題はないとの考えを示した。
球団が選手と契約する場合、署名された統一契約書を所属リーグに送付し、契約承認番号を得て初めて作業が完了する。
ある関係者は「一般的に先に獲得を発表することが多いが、オリックスは婚約発表の後に婚姻届を出せなかったケースかもしれない」と例えた。
交渉がまとまりかけていた選手に他球団が接近した道義的問題が残る一方、混乱を招く原因をつくったパウエル側の代理人の考えを確認することも必要だろう。
(時事通信)