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  • from: Felixさん

    2006/09/06 21:39:07

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    河内敏光(bjリーグコミッショナー)「ベンチャー企業の精神で」

    ****: バスケットボールに限ったことではありませんが、アマチュアのスポーツ選手の多くは、大学を卒業して就職すると同時に競技をやめてしまう。また、実業団で続けられたとしても、企業の方針で休部になったらそのまま競技をやめなければいけない、という現実があった。例えばサッカーでは、Jリーグができたことでそのような問題がかなり解決されています。活躍すれば日本代表にもなれる。チャンスが与えられることで裾野が広がりましたよね。河内さんはバスケットの日本代表監督のご経験もおありですが、やはり限られたところからしか選手をとれない状況だったんでしょうか?

    河内: そうです。バスケットの場合、いわゆるエリートコースに乗っていないと代表の候補選手になることも難しい。協会の強化委員のほとんどは学校の先生ですから「うちの選手が良い」と言われる。ほとんどそこからだけでしたね。

    ****: まだまだ学閥とか企業閥が根強く残っているんですね。

    河内: ですから、新しい改善をしようと思っても、結局、改革がなかなかしづらいしくみなんですね。

     企業スポーツの現状は…

    ****: JBL(バスケットボール日本リーグ機構)が主催するスーパーリーグは、将来的なプロ化を視野に入れてスタートしたはずだった。我々も期待していたのですが、JBLはなぜプロ化が進まなかったのでしょうか?

    河内: JBLのチームのほとんどは、世界に名だたる企業が運営しています。企業にとってバスケットボールは広告宣伝目的の側面もありますが、彼らの会社の広告費用を考えたら本当にわずかな割合だと思います。バスケットボール部はうちだけでもいい、という考えがあるのが一つ。あとは、バスケットボール部の部長は、広報部長や総務部長ということが多いのですが、企業ですから人事異動で2年くらいたつと部長が交代になる。そうすると、彼らはサラリーマンですから、自分が部長のときにあまり波風を立てたくないんですね。新しい改革を起こして、失敗するわけにはいかないわけです。現状維持で職務を終えたい、と。

    ****: なるほど、事なかれ主義の人が多いわけですね。サッカーもプロ化の時には、いろいろと大変だった。「時期尚早と言う人は、100年立っても時期尚早と言う」という川淵三郎キャプテンの名言がありますが、バスケットボール界にはそういうリーダーが今までいなかったわけですね。河内さんたちが業を煮やしてbjリーグを立ち上げた、と。

    河内: はい。あと1つは、今夏、日本で世界選手権が開催されましたが、今まで世界選手権が行われる国でプロリーグがない国はなかったんです。世界選手権が行われる2006年までに協会がプロリーグをつくるというイメージでいたのですが、先送り、先送りになっていた。僕らは、何とか世界バスケが日本で行われる前に立ち上げたい、と。その気持ちで2005年に立ち上げました。

    ****: 企業スポーツの場合、会社の広告のためにやっているところがほとんどです。言い方は悪いですが、大事なのは会社だから、言ってみればバスケットは二の次なんです。ところが、バスケットで入社した人や、バスケットに情熱があった人まで、企業に入ると変わってしまうでしょう。そこが私は理解できない。

    河内: 入社したときは皆、自分がバスケットをやるためには、今後こういうことをやる必要がある、と意欲があるんです。しかし、やはり企業という組織ですから、出る杭は打たれる傾向にある。いろいろ意見を言うと、良いポストにいられなくなってしまう。だんだん言えなくなってしまうんですね。

    ****: 会社にはイエスマンしか残らないわけですね。しかしbjリーグが立ち上がったことで、バスケットボール界も良い方向に変わることを期待したいものですね。

     バスケットは実現しやすいビジネスモデル

    ****: bjリーグにはスポーツビジネスを理解している人たちが集まっている印象を受けます。

    河内: “バスケット馬鹿”は僕くらいですね(笑)。ビジネスとしてやっていくためには、それぞれの分野に長けた人からの良いアドバイスがないとやっていけないですね。

    ****: 四国の高松でも1チームできましたが、地域にプロチームが1つあることで、バスケットをやる地元の子どもたちや高校生にとっても目標になりますよね。ホームとアウェイでは、まずホームで勝つことが大事だと思います。

    河内: ホームの試合にすべて勝てばプレーオフに進出できますからね(笑)。地域密着でやっていくためには、やはり地元の選手がいるのといないのとでは、ビジネスとしても差が出ますね。観客としては、やはり地元の選手を応援したいわけです。bjリーグでは、ホームで試合をやるときは、ベンチに15人入っていいというルールをつくっています。そのかわりアウェイでは12人。だからほとんどのチームは、その3人に地元の選手を入れていますね。地元であれば、遠征費もかかりませんからね。

    ****: それは面白い試みですね。しかしバスケットボールは、1人1人の年俸もそんなに高くないし、野球、サッカーに比べると少人数でチームが成り立つ。道具も少なくてすみますし、うまく経営すれば、見通しを立てやすいスポーツではないでしょうか。

    河内: そうなんです。だいたい、2億から2億5千万のビジネスモデルですね。年間に20試合、平均単価2000円として、本気で頑張れば入場料収入だけでも1億円くらいが見込める。あと1億をローカルスポンサー、講演会、クリニック等でカバーすれば、実現は可能です。テレビの放映権となると、まだまだ難しいですが…。

    ****: 実業団リーグから選手が移籍してくることはあるんでしょうか? 

    河内: 実業団スポーツは、会社の決算と同じで3〜4月が節目になります。そこで、選手たちが来年やるかどうかが決まる。bjリーグの最終トライアウトは5月。だから、3〜5月の間に、会社を辞めさせられたり、「bjでやりたい」と希望する選手はその間にトライアウトに申し込んでもらう。そして5月の終わりにドラフト、という流れです。

    ****: どこのチームがどの選手を獲得するかはドラフトで決まるわけですね。戦力が均等化する。

    河内: bjリーグは、1番下位のチームから完全なウェーバー制をとります。それは徹底しています。それからエクスパンションも視野に入れています。今、8つくらいのところから「来年はやりたい」という依頼が来ています。新たなチームも戦力の均衡が必要ですので、既存のチームが3人まではプロテクトしていい、と。だからエクスパンションチームは、それ以外のところから優先的に獲れるのと同時に、ドラフトは新しいチームからいきますよ、と。

    ****: いわゆるエクスパンションドラフトですね。新たにチームができたら、また楽しみが増えますね。

    河内: 九州にも、福岡を筆頭に良い選手はたくさんいます。沖縄もバスケットは盛んですよ。米軍の基地がある影響で、いたるところにリングが設置されています。

     日中韓でチャンピオンシップを!

    ****: 日中や日韓で対抗戦をやるというアイデアも出ているそうですね。

    河内: ええ。9月25日、27日には、韓国の去年のチャンピオンチームのサムソンと、bjリーグのチャンピオンチームの大阪とのチャンピオンシップを、大阪とソウルで行う予定です。まずは日韓戦からですね。

    ****: ほかのスポーツでも日韓戦というのは盛り上がりますからね。

    河内: 韓国のプロリーグと中国のプロリーグではオールスターゲームをやっているんです。2年連続で招待されたんですが、エキシビジョンマッチに近い。やはりチャンピオンシップの方が面白いと思います。どちらの国も、バスケットのシーズンは11月頃に始まる。シーズンの終わりを合わせて、いずれは実現させたいですね。

    ****: なるほど、本格的なチャンピオンシップが実現したら面白いですね。お客さんを増やすための取り組みや、ファンクラブ制度についてはいかがですか?

    河内: 野球では“ファン”、サッカーでは“サポーター”ですよね。我々は“ブースター”と呼んでいますが、「ブースタークラブ」をそれぞれのクラブが運営しています。いわゆるファンクラブですから、お金を儲けようというよりは、会場に足を運んでもらおうという意識の方が強いですね。ブースタークラブ=講演会という考えでやっているチームもあります。それぞれの地域、GMの考え方で違いますね。

    ****: スポーツ経営の成功者も続々と出てきていますが、それぞれのチームを運営していくためには、フロントのプロも必要になっていきますね。

    河内: 最近は、大学でスポーツビジネスを勉強する学生がインターンで入ってくることも多い。優秀な若者も多いですから期待しています。これからも、ベンチャー企業の精神でやっていきたいと思います。


    河内敏光(かわち・としみつ)
    1954年、東京都生まれ。三井生命で約10年間選手として活躍の後、全日本チームの監督を務める。2000年「新潟アルビレックス」を結成、(株)新潟スポーツプロモーションの社長に就任。04年コミッショナーとしてbjリーグを立ち上げ、現在に至る。

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