ひげをはやし、コートでは長髪を後ろで束ねるちょんまげ風の髪形。

得意のリバウンドでは「相手が大きいほど負けたくない」とガッツあふれるプレーで会場を沸かせる。

ｂｊリーグ発足から３季連続優勝を狙う大阪エヴェッサで、屈指の存在感を誇る。
男前はチーム一の人気選手でもある。

大学時代、ＮＢＡにあこがれ米国でテストを受けた。
当時、日本にプロリーグはなく、第一線は日本リーグ機構の社会人チーム。
「仕事をしながらバスケもやるのは、不器用な自分にはできない」と、本場でバスケットにかけようとした。

「あわよくば」という思いは通じなかった。
本格的な競技生活は、大学限りとあきらめかけた。
ところが４年生時に、プロのｂｊリーグが設立される、という話が持ち上がった。

「１、２年でなくなってしまわないか」と不安も頭をよぎったが、「やってみないとわからない」と勇気を出し、念願のプロに。
今季、ホームでは最多で約７千人の観客が入る盛り上がりぶりだ。

試合での激しいプレーと険しい表情からは想像しがたいが、生後８カ月の長女のパパでもある。
シーズン中は遠征、練習が続き、休みは週に１日。
家では必ず長女をお風呂に入れるが、「僕には、なかなかなついてくれない」。
イケメンのパパも子育てはやや苦戦中だが、娘とのふれあいは、それでも「癒やされます」と楽しみにしている。
ＤＶＤ鑑賞も息抜きの一つ。
ディズニーの映画が好きで、最近は「パイレーツ・オブ・カリビアン」にはまった。

リーグはまもなく、前半を折り返す。
チームは西カンファレンスの首位。
主力外国人がけがで戦列を離れたため、得意の防御だけでなく、今季は攻撃にも積極的に絡む新しい一面を見せる。

「後半はますます熱い試合が多くなる。自分が楽しくプレーし、ブースター（ファン）も楽しんでほしい」。
３連覇へ、果敢なプレーでチームの先頭に立つ。

はたの・かずや　
８２年４月、母の祖国ブラジルで生まれ、小学３年で神奈川県へ。
中学１年でバスケットを始め、静岡学園高で高校総体に２度出場。
専大では全日本学生選手権優勝に貢献したほか、ユニバーシアード代表入り。
ｂｊリーグ元年の０５年、ドラフト１巡目で入団。
１９２センチ、９０キロ。