2007年 11月 28日 10:49 JST

　［東京　２８日　ロイター］　　経済産業省が発表した１０月の商業販売統計速報によると、小売業販売額（全店ベース）は前年比０．８％増の１１兆００５０億円となった。

　３カ月連続の増加だったことに加え、足元の伸びが拡大したことなどを踏まえ、経産省では小売業販売動向の基調判断を「持ち直しの動きが見られる」に上方修正した。基調判断の上方修正は２年６カ月ぶり。　

　ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比０．５％の増加となっていたが、発表された数値は市場予想を上回った。　

　業種別で最も押し上げに寄与したのはその他小売業。前年比プラス２．１％で１１カ月連続の増加となった。医薬品や化粧品、ペット用品、たばこなどの販売が好調だった。次に押し上げに寄与したのは自動車小売業で、同プラス２．５％と３カ月連続で増加、０６年３月（同プラス２．９％）以来の高い伸びとなった。普通乗用車販売が新車投入効果などから好調に推移したという。このほか、ガソリン価格の上昇を受けて燃料小売業が同プラス２．３％増となり、全体の押し上げに寄与した。

　一方で、各種商品小売業と織物・衣服・身の回り品小売業がともに２カ月連続の減少となった。月前半に気温が高めに推移し、秋物衣料の動きが鈍かったという。　

　経産省では小売業販売動向の基調判断を、これまでの「おおむね横ばい」から「持ち直しの動きが見られる」に上方修正した。基調判断の上方修正は２００５年４月以来２年６カ月ぶり。上方修正の理由として同省では、小売業販売額が３カ月連続で前年を上回ったことに加え、１０月に伸び率が拡大した点を挙げた。また、３カ月移動平均が持ち直しの基調にあり、１０月は１１カ月ぶりにプラスに転じたことにも言及した。経産省は基調判断を今年１月に「おおむね横ばい」に下方修正し、その判断を９月まで継続していた。　

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