2008年 03月 27日 11:54 JST

　［東京　２７日　ロイター］　午前の東京株式市場で日経平均は続落。米株安や円高が嫌気され輸出株や金融株を中心に売りが先行し２００円を超える下げとなった。ただ先物主導の相場色が強く、東証１部売買代金は８４０９億円と薄商いが続いている。多くの投資主体が見送り姿勢を強めるなか、仕掛け的な売りに崩れる格好となった。

　前場の東証１部騰落数は、値上がり５４８銘柄に対して値下がり１０５８銘柄、変わらずが９１銘柄となった。

　朝方の売りが一巡した後は安値圏でのもみあいが続いていたが、前引けにかけて下げ幅を広げた。先物に断続的な売りが出て現物も裁定解消売りから軟化した格好だ。市場では「市場が外部環境の落ち着きでやや楽観的になっている。薄商いの中で仕掛けやすい状況だ」（準大手証券売買担当者）との声が出ていた。

　３月１６日─２２日の対内株式投資は１６１１億円の資本流出超と前週の９９２８億円の流出超から流出額が減少し、海外勢の売り圧力の減少を裏付けたが、買いのパワーも依然として乏しい。

　東洋証券・情報部長の大塚竜太氏は「受け渡しベースでは前日から新年度入りしたものの、カレンダーべ－スではまだ期末であり、どの投資主体も動きにくく薄商いとなっている。年金など機関投資家は新年度入りすれば新規の資金配分などもあるだろうが、動くのは運用計画を策定した後の４月末ぐらいからであろう。事業法人や証券ディーラーも期末は通常、手控える。海外勢も４月中旬に発表される米金融機関の来期見通しを確かめたいであろうから積極的には動かないだろう」と述べている。

　個別では、ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)、キヤノン(7751.T: 株価, ニュース, レポート)、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)など主力輸出株が軟調。対ドルで９８円台まで円高が進んでいるほか、２月の米耐久財新規受注が予想の０．８％増に反して１．７％減少となり、米景気減速懸念が再び強くなっている。

　みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)などメガバンク株もさえない展開だった。オッペンハイマーのアナリスト、メリディス・ホイットニー氏が、シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)などの第１・四半期の利益見通しを引き下げたことなどから、金融機関の収益不安が再び台頭している。

　半面、セブン＆アイ・ホールディングス(3382.T: 株価, ニュース, レポート)や東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)、ＪＲ東日本(9020.T: 株価, ニュース, レポート)などディフェンシブ銘柄の一角がしっかりと推移した。

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