2008年 05月 27日 10:07 JST
　［ロンドン　２７日　ロイター］　グリーンスパン前米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長は、英フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ）とのインタビューで、米経済は過去数週間比較的安定しているものの、依然としてリセッション（景気後退）に陥る可能性が高いとの見解を示した。インタビュー記事は２７日、ウェブサイトに掲載された。

　同氏は「リセッションの確率は５０％以上だと依然確信している」と語った。ただ、「確率は少し弱まり、深刻なリセッションの可能性は著しく低下したと考えている」と加えた。

　金融危機の最悪期が終わったかについては、住宅価格の動向に左右される見通しであることから「言及するのは時期尚早だ」と述べた。

　ＦＴによると、グリーンスパン氏は、住宅価格が２月の水準からさらに１０％下落し、ピーク時からの下落率は約２５％になるとの見通しを示した。

　また、経済が弱く、市場が行き過ぎた場合、住宅価格はさらに５％下落する可能性があると指摘。

　「このような住宅価格の下落は、モーゲージ担保証券（ＭＢＳ）の最終的な裏付けとなる持ち家のエクイティ水準が大幅に低下することを示唆している」と語った。

　グリーンスパン氏はまた、圧迫されている金融セクターと力強い企業の流動性の間で経済の綱引きが生じていると指摘。「この綱引きがどのように終わるのかは誰にも分からない。特に金融危機が実体経済の足を引っ張る前に終わるかについてはそうだ」との見方を示した。

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