情報ＢＯＸ：米大統領が24日議会演説で示した今年の政策課題
2009年 02月 25日 15:45 JST
　［２４日　ロイター］　オバマ米大統領は２４日、議会の上下両院合同本会議で演説し、景気対策の追加措置を約束するとともに、医療保険制度改革の推進していく決意を示した。大統領が示した今年の政策課題の要点は以下の通り。

　◎規制当局の改革

　大統領は、ここ１年米経済を揺るがしてきた金融危機の再発を防ぐため、規制に関する改革を継続するよう議会に要請。「健全な市場を犠牲に目先の利益を追求したため、規制が骨抜きにされた」とし、米金融業界と政府当局にある無責任な風土の変革に努めると述べた。

　◎財政規律

　大統領は、米国の財政健全化には財政規律を取り戻す必要があると指摘したうえで、４年間の任期中に財政赤字を半減させるとの公約をあらためて表明。

　政府は予算の精査をすでに開始し、今後１０年間で２兆ドルの歳出削減できる見通しだと明らかにした。教育、農業関連産業、メディケア（高齢者向け医療保険制度）分野での予算の無駄遣いをなくすことを約束した。

　◎金融安定化

　大統領は、信用市場が依然として正常に機能していないとし、政府は引き続き金融安定に向けた対策を講じていると述べた。政府は、自動車ローン、学資ローン、中小企業向けローンの提供を支援するための貸出ファシリティの創設を目指していると明らかにした。

　◎住宅危機対策

　大統領は、住宅差し押さえ回避に向けて、毎月の住宅ローン返済額引き下げとローンの借り換え支援を柱とする、発表済みの住宅市場安定化策に言及した。

　◎医療保険制度

　大統領は、先日議会で承認された総額７８７０億ドルの景気対策から、がん治療の研究費や医療記録の電子化プロジェクトなどに資金を拠出することを明らかにした。

　ただ、医療保険費の急増に対処するため、医療保険制度の改革が急務とした。２６日に議会に提出予定の予算案は、全国民が経済的に無理なく医療保険に加入できるようにするという原則にのっとって編成されると述べた。保険未加入の米国民は４６００万人以上に上る。

　◎エネルギーの自給

　大統領は、国内の二酸化炭素排出量の上限を設け、再生可能エネルギーの生産を促進する法案を可決するよう議会に求めた。

　予算案では、風力・太陽光発電、バイオ燃料やクリーン・コール（環境調和型の石炭利用）および低燃費の国産車の普及に年間１５０億ドル拠出することが盛り込まれることを明らかにした。

　◎教育

　大統領は「良い教育はもはや機会獲得につながる道ではなく、必須条件だ」と発言。「すべての米国民は高卒以上の学歴が必要になるだろう」と述べ、全国民が高等教育もしくは職業訓練を少なくとも１年以上受けるべきだとの考えを示した。さらに、地域社会のボランティアを志す者や米軍への入隊希望者の全員を対象に高等教育を経済的に受けやすくするよう議会に要請した。

http://jp.reuters.com/article/usPresidentialElections/idJPJAPAN-36677720090225

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