バンカメ株などは売却、「先見の明」発揮?

　米市場で「逆張り王」の異名をとるジョン・ポールソン氏が、大手米銀シティグループの株式を大量購入した。傘下のヘッジファンド、ポールソン&カンパニーが米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書によると、7〜9月期に3億株を新たに取得した。ポールソン氏は米住宅バブルの崩壊をいち早く予想、サブプライムローン担保証券を空売りして巨額の富を築いたことで知られる。

　SECへの報告書で、ポールソン社は9月末時点の保有39銘柄を挙げた。最も株数が多いのがシティで、金額にして14億5000万ドル。6月末の報告書にはシティ株の記載はなかった。

　同社はバンク・オブ・アメリカも1億5900万株保有している。6月末には1億6800万株を保有していたので、7〜9月期に一部を売却したことになる。JPモルガン・チェース株も6月末の700万株から9月末には200万株に減った。6月末に200万株保有していたゴールドマン・サックスは、9月末の保有株リストから消えている。

　ポールソン氏は昨年末「ポールソン・リカバリー・ファンド」という新ファンドを立ち上げた。経営が悪化した金融機関に投資し、将来の株価回復をねらう運用スタイルだ。破綻した地銀インディマックを投資ファンドと共同で買収するなど、大胆にリスクを取っている。シティ株への投資も、こうした逆張り戦略の一環とみられる。

　ポールソン氏が運用するファンドの1つは、サブプライム関連商品の空売りで年間589%という収益率をたたき出したこともある。今回も先見の明が発揮されるのだろうか。

日経ヴェリタスより

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ジョンちゃん
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