ブラジル中央銀行は24日、市中銀行に義務付けている預金準備率を引き上げると発表した。2008年秋に広がった金融危機を受け同年10月に準備率を引き下げ市場の流動性を支えてきたが、景気回復の兆候が広がっていることから見直しを決めた。準備率を引き上げる動きは中国やインドでも見られる。経済成長で先行する新興国が先進国よりも早めに金融引き締めの方向に動く例が相次いでいる。

　ブラジル中銀は準備率の引き上げを３月から４月にかけて段階的に実施し、市場から約710億レアル（約３兆5500億円）を吸収する見通しだ。メイレレス総裁は「危機対策から転換する重要な一歩」とし、市場の流動性は十分に確保されているとの認識を示した。

　定期預金に対する準備率を現行の13.5％から15％に引き上げるほか、その他の預金の準備率も４〜５％から８％に改める。中銀によると、米国発の世界的な金融危機が広がった前後の08年９月時点で中銀に預けられていた準備金は2570億レアル。一連の緩和策によって998億レアルを市場に供給したという。（サンパウロ＝檀上誠） (13:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100225ATGM2502825022010.html