７月27日（ブルームバーグ）：国内証券最大手の野村ホールディングスの第１四半期（４－６月）の連結決算は、純損益が赤字に転落した可能性がある。赤字になれば５四半期ぶり。アナリスト予想によるもので、欧州で発生した財政、金融不安の影響などでトレーディング損益が低迷したほか、投資銀行業務などが振るわなかったようだ。

　　ブルームバーグ・ニュースが集計したアナリスト４人による第１四半期純利益予想の平均値は３億3400万円の赤字となった。上限は22億円の黒字、下限は38億円の赤字だった。野村はリーマン・ブラザーズの事業買収後には大幅赤字を計上したが、2009年４－６月期から４四半期連続で利益を確保していた。決算は30日午後発表の予定。

　　米モルガン･スタンレーやゴールドマン･サックスなどの外資勢が欧州を中心に市場が低迷した環境下でも黒字を確保し一部では大幅増益を記録する中、野村は赤字もしくは損益トントンの水準にとどまったとみられる。2008年にリーマンのアジア・欧州事業を買収した渡部賢一社長は依然として収益増強を迫られている。

ＭＤＡＭアセットマネジメントの笠谷亘シニアアナリストは、「野村は欧米の投資銀行に比べ利益水準が低く、収益構造が見劣りするのは事実だ」と指摘。その上で、「北米事業を拡大することで投資銀行業務のシェアを高めることが急務だ」と述べた。同四半期のゴールドマンは80％減益だったが６億1300万ドル（533億円）を稼ぎ出した。

厳しい市場環境

野村を担当するアナリストによると、欧州不安による世界的な金融市場の停滞で株式などのトレーディング損益が大きく落ち込んだほか、投資銀行業務も大型の引き受け案件の減少などで低迷した。一方で、投資信託の販売など個人向け業務は堅調だった。

東海東京調査センターの摩嶋竜生アナリストは、20日付リポートで野村の第１四半期は38億円の赤字に転落したと予想。ギリシャ財政問題などで収益を確保するのは「非常に困難な市場環境下」にあったとみている。摩嶋氏は野村のトレーディング損益は前年同期比54％減の559億円、投資銀行業務手数料が同37％減の187億円と見込んでいる。

野村では米企業約600社を調査対象としていく戦略を打ち出し、米株式関連部門の共同責任者にシティグループ出身者を充てるなど米事業を強化している。４月の経営者会合では渡部社長が内外550人の幹部を前に英語でスピーチ。柴田拓美副社長は野村を飛行機に例え「昨年離陸したばかりだ。今年はさらに高度を上げる必要がある」と語った。

2010年１月以降の野村ＨＤの株価は約31％下落。ＴＯＰＩＸの同７％下落と比べても下げは大きく、ＴＯＰＩＸ証券株指数の同27％より不振だった。27日は前日比９円（1.9％）高の478円で午前の取引を終了した。

　　一方、大和証券グループ本社の第１四半期（４－６月）連結純利益予想は、アナリスト４人の平均値で47億円の赤字（前年同期は179億円の黒字）となった。赤字なら２四半期連続。三井住友フィナンシャルグループとの合弁を解消した法人専門の大和証券キャピタル・マーケッツの業績不振が足を引っ張る。大和は27日に決算を発表する予定。

更新日時: 2010/07/27 11:23 JST

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=a_j6q.T7iylg#

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里予木寸もあきまへんなぁ〜