2010年 07月 28日 08:07 JST
　［ニューヨーク　２７日　ロイター］　ムーディーズ・インベスターズ・サービスは２７日、バンク・オブ・アメリカ（バンカメ）(BAC.N)とシティグループ(C.N)、ウェルズ・ファーゴ(WFC.N)の見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。米国の新たな規制の下で政府の支援が縮小する見通しとなったため。

　「ネガティブ」の見通しは、これらの銀行の格付けが今後１年─１年半の間に引き下げられる可能性が高まったことを意味している。ムーディーズは、政府支援の縮小を理由に地方銀行１０行を格下げする可能性があることも明らかにした。

　ムーディーズは２００９年初め以来、金融機関が困難に陥った場合、金融システムや経済全体に及ぼすリスクを考慮して政府が支援を行うとの前提をベースに大手金融機関の債務および銀行預金格付けを３─５ノッチ引き上げてきた。

　ムーディーズは新たに成立した米金融規制改革法について、「明らかに、政府つまり納税者による債権者支援をなくす」ことを意図しているとした上で、当局が新規制を導入する中で、大手機関への支援はある程度維持される見通しだと指摘。

　「システム上重要な銀行への支援に関するわれわれの想定は、今後１─２年で危機前あるいはそれを下回る水準に下がる公算が大きい。ただ、これらの機関のシニア債および預金格付けへの支援を完全に排除することは予想していない」と表明した。

　ムーディーズはバンカメのシニア債の格付けを投資適格級で上から６番目の「Ａ２」、シティは７番目の「Ａ３」、ウェルズ・ファーゴは５番目の「Ａ１」としている。

　ムーディーズは、ＢＢ＆Ｔ(BBT.N)、キャピタル・ワン・フィナンシャル(COF.N)、フィフス・サード・バンコープ(FITB.O)、キーコープ(KEY.N)、ＰＮＣフィナンシャル・サービシズ・グループ(PNC.N)、ポピュラー(BPOP.O)、リージョンズ・フィナンシャル(RF.N)、サントラスト・バンクス(STI.N)、ＵＳバンコープ(USB.N)、ザイオンズ・バンコープ(ZION.O)の子会社についても格付けを引き下げる可能性があるとした。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16469320100727