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  • from: 花岡 実太さん

    2011年07月31日 17時56分24秒

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    【コラム】米国債格付け引き下げで何が起こる?

    2011年 7月 28日 13:26 JST
     首都ワシントンとウォール街で広く共有される予測は次のようなものだ。

     「1カ月後までには議会が政府債務上限の引き上げを承認、政府は各債務の支払いを続行、オバマ大統領は各種給付と税金についての結論は先延ばしする複雑極まりない歳出削減法に署名。それに加え、米国債が最上級のトリプルAの格付けを失う」という予測だ。

     スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の格付けで、米国がよりによってスロベニアと同じ「ダブルA]に転落―どうみても、悪いとしかいいようがない。

     が、実際のところ影響はどんなものなのか。

     S&Pの格付けは所詮スポーツコラムニストのワールドシリーズ評みたいなものではないのか。つまり、読んでいて実に面白くはあるが、問題なのは最終的に試合の中で実際起こったことだ。実際格付け引き下げが予想されている各マーケットでの急落や、債券市場での利回りの急騰を起こすのか(もしそうなれば経済への大打撃は必至だが)。または、「トリプルA」喪失は短期的には何の影響がない代わり、将来の歴史の教科書で米国の長期衰退の一里塚として記述されるのだろうか(それはつまり格下げが、米国政治・経済の苦悩を深めるイベントというよりその苦悩を反映するイベントという解釈なのであるが)。

     ある新聞記事の見出しが「市場はパニックすることを拒否」と打ったことでもわかるように、ここ数週間は、各市場がいつ暴落してもおかしくないとの警告が発し続けられてきた。デフォルト(債務不履行)ともなれば、確かに市場の急落は避けられないだろう。ただデフォルトが避けられた場合、周知の事実である米政治家たちが国家財政を長期的にどう立て直すかで意見を集約できないことをS&Pが改めて指摘したからといって、市場の混乱が起こるのだろうか。

     少し細かく点検してみよう。

     長期米国債が「ダブルA」に引き下げられても、それ自体で必然的に起こることはほとんどない。「トリプルA」格付け債券しか持ってはいけないとの厳しい内規がある会社はほんのわずかで、実際売るかも知れないし、内規を修正して持ち続けることになるかも知れない。また、金融機関が米国債を担保に短期資金を融通し合い、その規模が膨大になっている「レポ市場」で実際何が起こってくるのか誰も正確には予測しえていない。さらに6840億ドル(約53兆4000億円)分の米国債が取引されるマネーマーケット・ミューチュアル・ファンド(MMMF=短期金融資産投資信託)では、業界の協会によるとこの米国債を売ったり、新規購入を控える必要はないという。生命保険業界も米国債保有を続けることは可能だとしている。銀行業界に目を転じてみれば、経営健全性を保つための自己資本比率の現行のルールでは、格下げによって保有米国債分の資本増強する必要はないという。

     米連邦準備理事会(FRB)は格下げ後も米国債を融資担保として受け入れ続けるし、中国も人民元の急上昇抑制のため元を売りドルを買い続ける限り、ドル建て証券を買うことになる。

     とはいえ、まだ気を緩めるには早い。米国政府は、「健全な債務管理」をしているとのS&Pのお墨付きを失えば、市場でその代償として米国債の高利回りを要求されるかも知れない。そうなれば、高くつく。国債利回りの0.5%ポイントの高止まりが継続すれば、10年間で政府債務は4350億ドル増え、20万ドル住宅抵当債務の支払いは月65ドル上がる。ただ、「トリプルA]と「ダブルA]の単純な格付けの差で利払いがどう変わるかをみることは注意が必要だ。というのも利回りの決定には他の要素も加わるからだ。たとえば「トリプルA」のオーストラリアの10年物国債は4.9%に対し、膨大な債務を抱え格付けも「ダブルA]の日本国債利回りは1.1%で、実際格付けの引き下げは日本の借り入れコストにほどんど影響がなかった。

     専門家らの格下げの影響予想もまちまちだ。JPモルガン・チェースのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「国内にせよ海外にせよ、格下げの大きな影響はない」という。が、同銀行の債券投資戦略部門の責任者、テリー・ベルトン氏は、格下げは直ぐに0.05-0.1%ポイントの利回り上昇に跳ね返り、長期的には0.6-0.7ポイント上昇し、影響は大きいと語った。

     ただ、確かなことはなかなか分からない。これまで起きたことと起きなかったこと、さらにS&Pは米国債格付けを「ダブルA」に引き下げる見通しだと予想されてきたにもかかわらず、これまでの米国債利回りの上昇はわずかで、ドイツやカナダなどとの利回り格差が開くこともなかった。その一つの理由は米国債市場の持つ流動性だ。一般国民、地方などの自治体、民間金融機関が米国債を買うのは、それが最も安全な資産だからということではなく、米国債市場がいつでも売り買いができる世界で最大の債券市場だからだ。売りたいと思えばいつでも売れて、その価格がどれくらいかが瞬時に分かる米国債市場に代わるマーケットはないのだ。

     ただ、市場から「リスクと無縁」の資産と認識されている米国債の格付けが、「トリプルA」を持つオーストリア、デンマーク、フィンランド、オランダ、香港などの国債格付けよりなぜ低くならなくてはいけないのか理解に苦しむ。引き下げの余波は予測不能だ。「米国ならびに世界債券市場の中核をなす米国債格付けがダブルAに引き下げられて、市場全体がどう機能していくのか全く不透明だ」と債券運用最大手パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)のモハメド・エルエリアン最高経営責任者(CEO)は話す。「債券市場システムは時の経過とともに単にこれまでの通常状態に戻って影響が限られるのか、それともリスク無縁資産の喪失(つまり信用リスクはないが利回りリスクのある資産への変貌)は構造的な一連の変化をもたらすのか読めない」というわけだ。

     いずれにせよ、格下げは金融面より政治的影響が大きい。米議会に法律として最終的に成立しない法案を通すよりも、実際の赤字をどうにかすべきと対策を迫るものだ。あるいは格下げの決断が、一層の格付け会社離れを助長することになるのかも知れない。ワシントンの有力シンクタンク、ピーターソン国際経済研究所のエコノミスト、カルメン・ラインハート氏は、大西洋をはさんだ欧米両サイドの政府が、格付け会社のレーティングそのものをより過小なものに位置づけようと努力することになると予測する。政府債務を増やそうとしている時期だけにそれは都合がよいためだ。

     とどのつまり、米国政府債務が制御不能に近づいているのにそれを回避する政治システムを持っていないという問題に帰着する。格付けがどうこうの問題ではないのである。問題はこの政治的解決能力の欠如だ。

    http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Foreign-Currency-Markets/node_280938

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