12月29日（ブルームバーグ）：北米の先週の鉄道貨物輸送量は17％増と今年最大の伸びとなり、米経済がリセッション（景気後退）への逆戻りを回避することを示唆した。

米国鉄道協会は29日、24日終了週の貨物輸送量が急増したのは小売商品の出荷増加が一因と指摘した。米労働省が同日発表した先週の新規失業保険申請件数は、４週移動平均ベースで約３年ぶり低水準だった。

ニューヨークの独立系鉄道アナリスト、トニー・ハッチ氏は景気の二番底が「わずか６－10週間ほど前には懸念されていたが、実際には起きていない」と指摘。「鉄道で運ぶ様々な商品について、状況はかなり良好だ」と述べた。

感謝祭の週末の小売売上高が記録的な水準に達したことで、鉄道輸送の季節的なピークが12月に入っても続く可能性が示唆されたとして、アナリストらはクリスマス前の鉄道輸送動向に注目していた。景気鈍化が懸念される中、多くの小売業者が在庫積み上げを先送りしていた。

ブルームバーグ・インダストリーズのアナリスト、リー・クラスコー氏は「米国は二番底を回避しただろうか。鉄道輸送の動向から占えば、答えは『イエス』だ」と語った。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LWZO9T0YHQ0X01.html#