6月26日 7時9分

ヨーロッパの信用不安の拡大を阻止するため、ＥＵ＝ヨーロッパ連合が２８日から開く首脳会議で、経済成長と雇用の創出のために１０兆円を超える景気刺激策をとる方向で合意を目指していることが、ＮＨＫが入手した首脳会議の声明の草案から明らかになりました。

ＥＵは、２８日と２９日の２日間、ベルギーの首都ブリュッセルで首脳会議を開き、一向に収まらない信用不安への対策を協議することになっています。
ＮＨＫが入手した首脳会議の声明の草案によりますと、ＥＵは財政規律の強化や構造改革の重要性を踏まえたうえで、経済成長と雇用の創出に向けて協調した行動をとるとしています。
具体的には、中小企業などを支援する「ヨーロッパ投資銀行」の資本を１００億ユーロ増強するほか、輸送やエネルギー、情報インフラの整備など、目的を限定した「プロジェクト債」と呼ばれる債券を発行し、最大で４５億ユーロの投資を促すとしています。
こうした景気刺激策の規模については、先週、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの４か国の首脳が、ＥＵの域内総生産の１％に当たる１３００億ユーロ（日本円で１３兆円）規模とする認識で一致しており、これを軸に調整が進められるものとみられます。
声明案ではまた、域内にある金融機関の破綻を防ぐため、銀行の監督権限などを一元化するいわゆる「銀行同盟」の創設につながる法案を、ことし中に採択することを目指すとしています。

http://nhk.jp/N42H5UvZ