http://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/asp/ny.asp?F=users/nomura/ny/hp

＜株式市場＞
主要な経済指標や企業業績の発表が無い中、大手格付け機関がアイルランドの信用格付けについて複数段階の格下げになる可能性が非常に高いとの見方を示したことを嫌気して欧州市場が軟調に推移した流れを受け継いで、主要指数は小安く寄り付いた。欧州ソブリンリスクが経済成長の阻害要因になるのではとの懸念から、ユーロ安ドル高基調も加わって原油先物価格が下落すると、エネルギー・セクターが下げを主導した。金融は上記欧州信用リスクに加え、米連邦捜査局(FBI)がインサイダー取引捜査に関連し、少なくとも3社のヘッジファンド会社に立ち入り捜査を行ったと一部で報じられたことからゴールドマン・サックス・グループ(GS)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)など大手機関を中心に軒並み下げた。一方、今週末に迫った感謝祭明けのブラックフライデーから本格化する年末商戦における売上増加期待からインターネット小売りのアマゾン・ドット・コム(AMZN)や、家電量販店のベスト・バイ(BBY)が買われた。また、サンディスク(SNDK)など個別銘柄が大手証券による投資判断引き上げで上昇、ノベル(NOVL)は投資グループによる買収で合意して買われるなど、テクノロジーも総じて堅調であった。主要指数は昼過ぎにかけて下落を続け、S&P500は午後1時前にザラ場安値となる1184をつけたものの、更なる下押しは無いとみた向きからの押し目買いが優勢になると、引けにかけて買い戻しの動きが継続して下げ幅を縮小して引けた。結局ダウ平均は-0.2%、S&P500は-0.2%、ナスダック総合は+0.6%。セクター別では、テクノロジーが+0.6%、消費循環が+0.3%。一方、金融が-1.4%、エネルギーが-0.4%。個別では、上記ゴールドマン・サックス・グループ(GS)が-3.4%、バンク・オブ・アメリカ(BAC)が-3.1%、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が+3.4%、ベスト・バイ(BBY)が+3.0%、サンディスク(SNDK)が+6.5%、ノベル(NOVL)が+6.6%。

＜債券・為替市場＞
ムーディーズが、アイルランドの信用格付けを従来予測よりも引き下げる可能性があると示唆したことを背景に、投資家のリスク資産に対する需要が後退となり、朝方から財務省債は買われた。午前7時頃から10年債への買い意欲が旺盛となり、利回りは午前11時前に2.805%付近にまで低下。この水準では売り優勢に転じたものの、午後1時発表の2年債入札では利回りが0.520%と、市場予想を1.9bps下回ったほか、応札率は前回を上回る3.70となる中で、財務省債への売り圧力は限定的となった。午後2時頃からは再び買い意欲が高まり、10年債利回りは2.796%付近にまで低下。その後は小動きに転じ、午後4時の10年債利回りは2.802%付近となった。為替市場では、ムーディーズが、アイルランドの信用格付けを従来予測よりも引き下げる可能性を示唆する中で、安全資産としてのドルと円が対主要通貨で上昇。ドルは対円では、正午過ぎまで83.40〜83.50レンジでの推移となった。しかし、10年債利回り低下が顕著となったことを背景に、午後2時過ぎからドルへの売り圧力が高まり、ドル/円は83.23付近にまで下落。その後は小動きとなり、午後4時のドル/円は83.27となった。

米国野村證券作成