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  • from: マスターさん

    2012年03月05日 22時33分39秒

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    匿名希望のラブレター

    高校3年間ずっと片思いをしていた。
    彼女を初めて見つけたのは入学式のときだった。
    色が白く、ロングヘアーで、まつ毛も長い綺麗な女性だった。
    垢抜けのしない坊主頭の僕には高嶺の花だった。

    三年生の時に同じクラスになった。とても嬉しかった。
    クラスの集合写真を寝る前に見るのがその頃の日課だった。
    初めて彼女と会話を交わしたのは2学期が始った日のことだった。
    夏休み中に野球部であった僕たちの最後の試合に応援に来てくれて
    いたお礼を言っただけだったがとてもドキドキしたのを覚えている。

    彼女の隣の席になったことがあった。
    窓の外を見るふりをして彼女の横顔を見るのがとても好きだった。
    でも一度だけ目があったことがあった。
    彼女は少し微笑んでくれた。その日はとてもハッピーだった。

    楽しい生活はあっという間に終わった。
    僕は大学受験し失敗し浪人することになった。
    彼女は4年制の大学に合格していた。
    卒業式までに告白しようか悩んだ。
    でも会話さえしたことない僕は振られるにきまっていると決めつけ
    結局決心できなかった。

    卒業しても彼女のことが忘れられなかった。
    毎日毎日彼女のことばかり考えた。
    勉強も手に付かなかった。
    そして僕は考えたラブレターで気持ちを伝えることを。
    何度も何度も書き直した。完成までに3カ月ぐらいかかった。
    でも投函する間際になってまた悩みだした。
    彼女に迷惑をかけまいか?と。
    今更高校の同級生からラブレターをもらっても嬉しいはずがない。
    しかも一度しか話したことがない僕なんかから。
    でも送らないと自分の気持ちはずっとモヤモヤしたままだ。
    ラジオを聞いていた時のこと
    「次は匿名希望さんからのお手紙です」と紹介があった。
    「これだ!」
    僕は匿名希望で彼女にラブレターを出すことにした。
    もちろん返信が来ることはない。
    ・・・でも3日後電話が鳴った。
    彼女からだった。
    「手紙送ってくれたよね?」
    「・・・、どうして?」
    「字が似てたから」
    「えっ、なんで字を知ってるの?」
    「好きな人がどんな字を書くかぐらい知ってるわ」
    夢だと思った。夢ならこのまま醒めずにいてくれ、そう思った。
    ほっぺをつまんでみた。痛かった。夢じゃないんだと分かった。

    翌日彼女と待ち合わせをした。
    話を聞くと彼女はずっと僕のことを好きでいてくれたそうだ。
    だから試合の応援にも来てくれていた。
    本当は負けたときに声を掛けようとしたけど掛けれなかったと。
    そして彼女から手紙を渡された。
    「匿名希望のラブレターの返事です」と。



    19才の夏








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