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  • from: Felixさん

    2007年10月05日 22時05分41秒

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    二宮清純×中田久美(元バレーボール全日本選手)

    「日本が金メダルを獲る条件」

    二宮:
    今回のゲストは15歳から全日本で活躍し、ロサンゼルス、ソウル、バルセロナと3大会連続でオリンピックに出場した元全日本バレーボール選手の中田久美さんです。お久しぶりですね。中田さんは吉野家に行かれたことはありますか?

    中田:
    東京に住んでいた頃、よく行きましたよ。今でも、時々母親と一緒に行きます。

    二宮:
    初めて行ったのはいつ頃ですか?

    中田:
    いつだろうなぁ。でも、現役の時はなかったですね。引退してから初めて行ったんです。

    二宮:
    初めての吉牛はどうでしたか?

    中田:
    おいしかったですよ! とにかく手軽に早く美味しく牛丼が食べられて、いいなって思いました。

    二宮:
    食べ方にこだわりはありますか? 例えば、つゆだくにするとか。

    中田:
    つゆだくにはしませんが、卵は絶対に入れます。紅しょうがもいっぱいかけますし、あとは豚汁を一緒に頼みますね。

    今のバレーは殴ったもん勝ち

    二宮:
    ところで、中田さんにとって「うまい」とは?

    中田:
    駆け引きに勝った時かな。バレーをやっている時も先を読んで、自分の描いた通りの展開になった時は、我ながら「うまいな」と思ってましたね。

    二宮:
    中田さんはゲーム全体を考えるのですか? それとも1セットごとに組み立てていくのですか?

    中田:
    私の場合はセットごとです。なぜなら、1セット目でうまくいったことが、2セット目でも通用するかというと、そう単純ではありません。だから、1セット終わったところでまた新しい展開を生み出し、それを組み直していく作業が必要なんです。

    二宮:
    セットごとに修正していくと。セッターは、ゲームメーカーだから、崩れている状況の中でも「ここを落としても、次でこうしよう」というふうに常に先を読まないといけませんよね。

    中田:
    そうですね。ただ、今みたいにラリーポイント制になっちゃうと、そういうことがなかなかできないんです。今のバレーは、とにかく勢いに乗った方が勝ちという感じなんです。だから、駆け引きよりも正確性とか確率性を追求していかなければいけない。ある意味、面白みに欠けちゃいましたね。

    二宮:
    サイドアウト制の時代には、サーブ権をもっているときにはこうしよう、逆にとられたらああしよう、とお互いに先の読み合いがありました。ラリーポイント制の今は、それよりもどうやってチームを勢いに乗せるか、を考えなければいけませんよね。

    中田:
    はい。今は、とにかく調子のいい選手をどんどん使っていくことを考えるべきでしょうね。昔だったら、調子の悪い人をどうやって生かすか、ということを考えてましたけど。

    二宮:
    昔は、調子の悪い人が息を吹き返さないと、ゲームに勝てませんでしたからね。だから、悪いなりに生かそうとしていた。でも、今はそういう余裕がない。ただ、いい選手を使いすぎると、相手に読まれて逆に勢いが止まってしまうこともあるのでは?

    中田:
    その辺を周りの選手でごまかしていくしかないんですよ。ラリーポイント制では調子のいい選手を生かすために、他の選手をどう動かすか、が重要になってくるんです。

    二宮:
    今のバレーは駆け引きよりも勢い。正直、日本人には不利なんじゃないでしょうか。

    中田:
    私もそう思いますね。

    二宮:
    それに、バレーボールの醍醐味みたいなものが薄らいでしまったようにも感じられます。サイドアウト制の時代には、攻められても耐えられる時間がありました。なんとか凌いでいる間に、相手にスキができるとか。だから、ここは耐える時間、今はどんどん攻める時間と、メリハリがありましたよね。今はそれがない。一気にダーッといくか、ボロボロにやられるか……。

    中田:
    本当にそうですよね。でも、ラリーポイント制の方が、試合が早く終わるので選手としては体が楽らしいですよ。それで選手寿命も延びているようです。

    二宮:
    私見ですが、ラリーポイント制は体力ある方がより有利になる。体の強いキューバやブラジルの選手が、最後までピンピンしているんですから、やっぱり日本人は不利になるのではないでしょうか。どちらかというと、日本人は消耗戦の中で、相手が集中力を切らしたところを攻めるのが得意ですから。そのチャンスをつかもうと、セッターがいろいろと目配りしていたわけで……。

    中田:
    今の選手は本当に大変だと思いますよ。この時代に現役でなくてよかった、とつくづく思います(笑)。

    二宮:
    今、日本代表のセッターは竹下佳江選手(JT)ですが、彼女にアドバイスするにも、中田さんが現役の時のことをそのまま伝えるというわけにはいきませんよね。

    中田:
    そうですね。トス回しについては、正直何も言えないです。ただ、外から見ていて、ああいうところで苦しんでいるんだろうな、ということはわかりますけど。

    実際にアドバイスできるとしたら、もう一つ早い展開をしていかなくてはいけないということでしょうね。ミスした選手に2回も3回も上げていては、相手との差が開くばかり。2本上げて決まらなかったら、もう次の展開を考えないとダメです。つまり、頭の切り替えを素早くする必要があると思います。

    二宮:
    早めに見切りをつけなくてはいけないと。そうなると、選手を育てることはなかなか難しくなってきますね。

    中田:
    だから、最初からミスが少なくて、ある程度計算ができる即戦力が重宝されているんです。実際にそういう選手が今はレギュラーになってるのかなって思いますね。

    スピードこそがメダルへのカギに

    二宮:
    来年は、いよいよ北京五輪ですが、女子は出場権を得られそうですか?

    中田:
    日本は世界ランクで6位ですから、確実にオリンピックには出場できると思いますよ。

    二宮:
    問題はオリンピックでどこまでいけるかですね。前回も柳本晶一監督は「メダルを狙います」って言ってましたけど、正直諦めムードが漂っていました。日本がメダルを獲るためには、何が必要とされているのでしょうか?

    中田:
    攻撃の幅を広げることとスピードが重要になってくると思います。特に今は速いバレーが主流になっていますから、日本ももっと速さを追求していくべきでしょうね。

    二宮:
    そのためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。

    中田:
    一つはアタッカーへのトス回しのスピードを速めることです。そのためにはセッターがボールを高い位置でトスする必要があるんです。もう、下に降りてきたボールを上げるというのでは遅いんです。Aクイックにしても、セッターが高い時点で早くボールをとってあげれば、もっと速く速攻が打てるわけです。

    二宮:
    なるほど。トスを「上げる」というよりは、「横に流す」という感じでないと速いバレーはできないわけですね。

    中田:
    ブラジルのバレーがなぜ速く見えるかというと、セッターのボールをとる高さが高いからなんですよ。

    二宮:
    セッターはいわゆる職人だし、周りを見る目も必要ですから、短期間で育てるのは難しい。ならば一層、10歳くらいから中田さんのように全日本の中にポーンと入れて、高いレベルの中で鍛えた方がいいのでは?

    中田:
    本当にそうするべきだと思います。

    二宮:
    できれば左利きのセッターなんかいいでしょうね。

    中田:
    左は本当に重要ですよ。そうそう、これは故・山田重雄先生が言ってたんですけど、サインを逆にして相手をかく乱したらどうかって。普通、セッターとレシーバーの位置関係というのは、左にレシーバー、右にセッターなんです。ですからレシーバーは右方向にパスを出し、セッターは左向き(右肩をネット側、左肩を自陣コート側)でパスを受けてトスを上げます。それを全て逆にしてしまうんです。つまり、レシーバーは左方向にパスを出し、セッターは右向きになってトスをするというわけです。

    二宮:
    なるほど。相手の逆をつけますね。ルール的には何の問題もないんですか?

    中田:
    全然ないですよ。でも、今はどこもやってないんですよ。

    二宮:
    中田さんの時代は、中田久美、大林素子っていう左、左の連係が相手に嫌がられていました。やっぱり、左から左っていうのは相手にとってみれば読みにくいんでしょうね。

    中田:
    全部、逆向きですからね。

    二宮:
    外国人にはどうしたって身長差で負けるわけだから、そういう工夫した戦術を考えていかなければいけませんね。

    中田:
    はい。普通のことをやっていては、絶対に勝てません。

    二宮:
    セッター以外ではどうですか?

    中田:
    そうですねぇ、私が監督だったらレシーブのうまい選手を入れるかな。もちろん、今のメンバーでもレシーブはある程度できますよ。でも、リベロを使わなくてもいいくらい、レシーブのうまい6人を揃えるんです。

    二宮:
    リベロってルール的には使わなくてもOKなんですか?

    中田:
    キューバなんかはリベロ登録はしてますけど、実際には使ってないですよ。

    二宮:
    そうなんですね。リベロは不要ですか?

    中田:
    不要とまでは言いませんが、リベロを使わなければ、その分アタッカーを一人多く入れることができる。その方が有利だと思いますね。

    二宮:
    なるほど。ということは全員でレシーブをやると。みんながレシーブできたら、いらないということですね。

    中田:
    そうです。だって、昔はいなくたって戦えてたんですから。もちろん、リベロ登録してもいいですよ。でも、使うか使わないかはその時に決めればいいんです。

    二宮:
    それは監督の采配次第ですよね。全員レシーブがうまければ、リベロを使う必要はないと。

    中田:
    なぜかというと、アタッカーはレシーバーが嫌なところに打つわけですよね。ところが、レシーブしないと、そういう気持ちがわからない。そうなると、どこにスパイク打っていいかもわからないんです。だから、私はディフェンスができるのがバレー選手にとって最低条件だと思っています。

    「知られざるバレー界の舞台裏」

    二宮:
    いいプレーをするには用具も重要になってきます。バレー選手にとってはその一つにシューズがあると思うのですが、中田さんならではのこだわりはありましたか?

    中田:
    バレー選手にとって、足の感覚っていうのは非常に大事なんです。例えば、セッターはセットアップするときに右足が出ます。その時、どうしても右の足首が外側に流れちゃうんです。私はそれがすごく嫌だった。だから、シューズに傾斜をつけてもらって、外側を高くしてもらっていたんです。そうすると、踏ん張りがきくんですよ。だから、ソール(靴底)を測るときには、細かい傾斜の角度まで注文していました。それから、シューズの裏のギザギザ。これも自分に合うものに替えてもらっていました。アタッカーはアタッカーのギザギザ、セッターはセッターのギザギザという風に、本来はポジションによって替えるべきだと思いますね。

    二宮:
    なるほど。

    中田:
    だから、傾斜のついた、人よりちょっと分厚い中田久美のソールがあるんです。

    二宮:
    プレーしている最中に足のサイズが大きくなったりは?

    中田:
    トレーニングしていると、むくんできますね。でも、シューズの皮が悪いとどんどん伸びていってしまって、逆にブカブカになるんです。そうすると、紐をきつく縛るしかないわけです。私なんかは特にキツキツにしないと嫌なので、紐でギュッと締め付けて固定させるんですが、紐の部分だけがきつくなって、足全体はブカブカ。これだと、本当にプレーしづらいんです。

    二宮:
    なるほど。シューズ一つとっても、いろいろな工夫が必要なんですね。

    コートにもバレーをするのに適した素材とそうでない素材があるとか。バレーはレシーブするわけですから、柔らかい桜の板が適しているようですね。

    中田:
    昔の東京体育館は下がコンクリートだったから、硬くてやりづらかったですよ。その点、日立の体育館は桜の板を使用していたので、水の吸収がよくて滑りませんでした。

    二宮:
    バレーにとっては非常に大事な部分ですよね。

    中田:
    そうですね。やっぱりやりやすい床、やりづらい床というのはあります。あとは板の目の方向も重要です。板の目がネットに対して直角になるようになっていればいいのですが、平行になっていると非常にやりづらさを感じました。

    二宮:
    床に傷がついている場合もありますよね。試合前の練習でコートチェックは念入りに行なうんですか?

    中田:
    コーチは会場に着いたら、どこかにささくれができていないかとかまずコートの床をチェックしますね。国内の会場はまだいいんですけど、ロシアとか中国に行くと、平気で釘が出ていたりしますから。

    二宮:
    釘ですか!? それは危ない……。

    中田:
    だから、選手もみんな一列になって床を見るんですよ。釘とか出ていないかどうかって。それから床のすべり具合、ローリングした時の感じというのも、練習前にチェックしておきます。滑らないの床なのに、それを知らずに転び方を間違えると、肩をケガしたりしますから。

    でも、現在のバレーボールの国際試合では床はファラフレックスを使うことが決められているんです。

    二宮:
    ファラフレックスはプレーしやすいんですか?

    中田:
    踏ん張る場合にはファラフレックスはいいんですけど、あまり滑らないので肩がガッと入っちゃってケガをしやすいですね。それとゴムだから水分を吸収しないんです。汗をかくとみずたまりになって、ローリングはしやすくなりますが、その分スパイクの助走の時なんかは危ないですよ。だから、汗を拭くことにはすごく神経質になりますよね。

    昔は汗っかきの人は「水の飲みすぎだ!」って言われてすごく怒られました。今は試合中も選手は好きなだけ水を飲んでますけど、昔は2人でボトル1本というふうに決められいたこともあったんです。しかも、1回につき紙コップ七分目って制限されていたんですよ。

    初の女性監督誕生秘話

    二宮:
    子どもの頃、中田さんに影響された人たちは多いですよね。

    中田:
    よくそう言ってもらうんですけど、困ったことに全然自覚がないんですよね(笑)。

    二宮:
    今でも女性の支持者は多いですよ。

    中田:
    本当ですか? 私なんか、かなりの自由人ですよ(笑)。現役時代は本当にがんじがらめにされていたから、それがなくなった瞬間にはばたいちゃったんですよね。私だけじゃなく、あの時代の選手はみんなそうだと思います。

    二宮:
    それだけ現役時代は厳しかったというか、バレー一筋だったんでしょうね。

    中田:
    そう、ストイックにやっていましたね。でも、それが普通だと思っていましたから。今の選手は本当に自由でいいな、と思いますよ。携帯電話があるから外部の情報がどんどん入ってきますしね。

    二宮:
    中田さんの時代、寮に電話はなかったんですか?

    中田:
    ありましたよ。いわゆる“10円電話”が食堂に。でも、食堂って人の出入りが多いので、なかなか掛けづらいものがあったんですよ。

    二宮:
    そういう時代なんですね。今の子はみんな携帯を持ってるからいつでもどこでも自由に電話したりメールし合っている。

    中田:
    私たちの時代には、考えられなかったことです。

    二宮:
    私たちにとっても、昔は宝塚か女子バレーかっていうくらい厳しい世界というイメージがありました。実際、その厳しい世界にいた河西さんや中田さんにとっては、驚きの連続なんでしょうね。それに、いいのか悪いのか、今の選手は負けてもケロッとしていますよね。

    中田:
    もちろん、負けた時は落ち込むんでしょうけど、結構ドライな選手が多いのかもしれませんね。

    二宮:
    ところで、中田さんは今の身長(176センチ)になったのはいつですか?

    中田:
    中学3年です。私、中3から伸びてないんですよ(笑)。

    二宮:
    でも、中3のときにそれくらいあったら、すごいですよね。その頃はアタッカーをやっていたとか。

    中田:
    はい。全日本に入ったばかりのときは、江上(現・丸山)由美さんと対角を張っていました。

    二宮:
    アタッカーを経験してから、セッターに転向したっていうのも、その後の中田さんにとっては大きかったんでしょうね。

    中田:
    おそらくそうだと思います。でも、山田重雄先生は最初から私をセッターにするつもりだったようです。そのために「L.Aエンジェルス」も設立したと聞いています。

    二宮:
    左利きだとういことも含めて、中田さんのバレーセンスやセッターとしての適性というのを最初から見極めていたんですね。中田さん以前に、左利きのセッターはいなかったんじゃないですか?

    中田:
    いないですね。日本では初めてだと思います。

    二宮:
    やっぱり、山田さんはすごいなぁ。いろいろと考えていたんですね。

    中田:
    つい最近、山田先生と親しかった高校の先生から、なぜ山田先生が女子バレーの監督になろうと思ったのか、なぜ日立を選び、会社に対してどういうセールスをされたのか、という話を聞いたんです。あまりにもすごくて、ビックリしちゃいました。改めて山田先生は偉大だなと。今となっては、そういう話を山田先生からいろいろ聞けたら、勉強になったんだろうなって思いますね。選手時代は、正直話をしたいとも思いませんでしたから。

    二宮:
    山田監督の厳しさは半端ではなかったでしょうからね。

    中田:
    本当にすごかったですよ。

    二宮:
    それでもついていったのは、やはり山田監督のバレーに対する理論を認めていたから。「この人についていけば勝てる」という気持ちがあったんでしょうね。

    中田:
    多分、そうでしょうね。バレーの監督として尊敬していました。

    二宮:
    じゃあ、これまでに一番バレーセンスを感じた選手は誰ですか?

    中田:
    やっぱり、江上さんです。あの人は私からしてみたら、神ですよ。同じトスを上げて、あそこまで器用に打ち分けられた人は、彼女以外にはいません。

    二宮:
    指導者向きでもあると思うのですが?

    中田:
    私もそう思います。この間も一緒に食事をした時、「由美さんほどの人が教えないなんて、もったいない」って言ったんですよ。でも、あまり表には出たがらない人なんですよね。

    二宮:
    指導者として江上、中田コンビの復活を期待している人も多いと思いますが。

    中田:
    私が指導者の資格を取得しているので、私がベンチにいれば由美さんが指導する

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