みなさん、こんにちは！調査隊のウネです。

少し時間が空いてしまいましたが、4回に分けてお届けしてきた工場見学レポート。
最後はタリーズ製品の製造を担当してくださっている工場責任者の方々にお話を伺いました。


（写真左）
エスエスケイフーズ株式会社　品質管理部　マツムラさん
製品の検査や調査、クレーム対応のほか、工場の窓口として各社の新商品の立ち上げを担当。
お仕事ではコーヒー担当でも、静岡県人なので家ではお茶派。

（写真右）
エスエスケイフーズ株式会社　生産本部　イケガヤさん
ボトル缶飲料を担当する部門で、タリーズ含む全商品の製造に関わる。以前は現場で「充填」を担当。
コーヒーを担当するようになってブラックが飲めるようになり、外でも飲むように。


複雑な工程も“人”がカバー。
タリーズのこだわりに応え続けるパッカー

ウネ
本日はありがとうございました！

知らないことも多かったので、たいへん勉強になりました。
お話を伺っていると、ベテランの方でないと難しいような作業も多くあるように感じました。たとえば、「粉砕」ではその日の豆の状態によって不要なものを吸い上げる機械の力を細かく調整いただいているそうですが、豆の水分や油分を見て判断して、適切な設定にするのは経験が必要そうです。
現場ではどのような方が作業を担当してくださっているのですか？

イケガヤ
現場は工程ごとに部署が分かれています。
ローテーションで別の部署を担当することもありますが、粉砕担当は粉砕、抽出担当は抽出といったように、基本的にはずっと同じ工程に従事する形です。

粉砕は機械で行うため、仕上がりに大きな差が出ることはありませんが、確かに経験の長い担当者が細かく気を配って調整をしてくれている部分はありますね。

ウネ
抽出工程でも濃度を確認して微調整をしていただいていますし、お湯の温度管理についても、現場の方がタイミングをはかって切り替え作業をしてくださっていて、きめ細やかに対応をしていただいていると感じました。

イケガヤ
「BARISTA'S BLACK」では抽出時にお湯の温度を変えるという、普通はやらないような方法をとっています。
そういった複雑なアイテムでは手作業に頼る部分もあるので、抽出工程のメンバーはよくやっていると思いますね。

マツムラ
アナログな部分が多い工場なので、逆に小回りが効くところはあるかもしれません。
「BARISTA'S BLACK」は非常にこだわって設計されている商品で、仕様通りに間違いなく生産するには苦労もありますが、現場の技にも支えられながら細やかな品質管理ができていると思います。




当たり前のようでいて当たり前ではない。
安定して生産するということ

ウネ
「BARISTA'S BⅬACK」は複雑なアイテムだということですが、仕事をする上で気をつけていることはありますか？

イケガヤ
抽出工程では、挽いたコーヒーを24時間以内に抽出するために、いかに順調に回すかについては常に気を遣いますね。
製品液が機械に中に長い間とどまってしまうと、加熱され過ぎて品質が劣化してしまうのです。
品質規格に満たない製品液は捨てなければなりません。
全体を見ている自分だけではなく、ラインの各担当者も常に気を張っている部分だとは思いますね。

ウネ
いったん生産をスタートしたら、どの工程が止まってもロスにつながる可能性があるというのは、緊張感がありますね。
“淹れたてのコーヒー”をつくる裏側では、現場では常に時間との勝負が行われているのを知って、商品への思い入れが一層増しました！




ウネ
今まさに「BARISTA'S BLACK」の生産が行われているということですが、一度機械が動き始めると非常に長い時間、生産し続けることにも驚きました。

この後もまだタリーズブラックの生産が続くのですよね？
工場の皆さんはいつお休みをとられているのですか？

イケガヤ
3つのチームで交代に勤務するので、勤務時間が終われば休日です。
出勤中は機械洗浄のタイミングにあたらない限り、休みなく働き続けることになりますね。
現場では長時間の勤務になるため、作業環境についても十分な配慮が必要です。
たとえば、抽出工程では熱湯を扱うため、夏場になると室温は40℃、湿度計も最大まで振り切れるほどになります。
現場のメンバーが怪我をすることないよう、安全面も非常に重要な課題のひとつですね。

ウネ
見学中には「慣れると汗もかかない」と伺いましたが、どんな季節も変わらずに安定生産されていることのすごさを改めて感じます。

イケガヤ
1本のコーヒーでも、実は結構な労力がかかっているんですよ（笑）


ウネ
「BARISTA'S BLACK」の他に、無糖ラテなど作り方の異なるアイテムの生産もあると思います。
いろいろなアイテムを順調に生産し続けるというのは思うほど簡単なことではないのですね。

イケガヤ
順調に進むように常に気を配っていても、なかなか計画通りというわけにはいきません。
休み明け、交代前に作っていたアイテムの続きだと思って出勤すると、違うアイテムの生産をしていたということはよくあります。
計画通りに進むことの方が少ないかもしれません。

マツムラ
彼は心配性と言ってもいいほど慎重な性格なんですが、だからこそ漏れがないように細かく何度も確認・点検をします。
計画変更にも柔軟に対応して安定稼働をし続けるためには、それでもやりすぎではないぐらいなんです。

ウネ
規格通りの商品が日々製造されて販売されていることを当たり前のように思っていましたが、決して当たり前のことではないですね。


理想の味を現実に着地させ、こだわりの味を提供し続ける

ウネ
マツムラさんは新しい商品の立ち上げも担当されていますが、新しい商品を立ち上げる時にはまた違った難しさがありそうです。
新しい商品の生産を始める時はどういう流れで行われるのですか？

マツムラ
基本的な流れは、伊藤園の開発部や品質管理部からいわゆるレシピをいただき、それをエスエスケイフーズのラインに適した形に落としこむという形です。
目指す味や香りを実現するための製造条件を割り出すのが伊藤園で、私たちは実際に現場のラインで生産するためのフローや手順を製造仕様書としてまとめ、現場で間違いなく作業できる形にしていきます。



ウネ
最後に読者の方へメッセージありましたら、聞かせてください。

マツムラ
タリーズさんの味と香りへのこだわりは並々ならぬものがあります。
その熱い想いに負けぬよう日々生産していますので、味や香りの良さは一番ではないかと思います。じっくり味わって飲んでいただけたら、ありがたいですね。


今回の見学では、一本のボトル缶コーヒーにたくさんの方々が関わっていることを知りました。
前回取材した焙煎工場や研究所とのつながりも分かり、おいしさへの理解が深まったように感じています。

皆さんはいかがでしたか？楽しんでいただけたなら、とてもうれしいです。
こんなことが知りたい！あんなことを紹介してほしい！などのご希望もお待ちしています♪
それでは、また次の連載でお会いしましょう！