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from: 闇の黒猫さん
2014/03/05 21:42:50
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闇の黒猫の怪しい思い出語り その1
五十年近くの間、胸の奥に納めていたさすらいの旅の思い出、旅を共にした恩猫クロニャンの思い出を、語ってみることにしました。
実は、以前に、この思い出話を誰かに聞いてもらいたくなってしまったのか、自分の心が自分でもよく分からないのですが、思い出のごく一部を、あるサークルの掲示板に書き込んだことがあるのです。ここでは、その続き、というよりも、旅立ちに至る経緯から順を追って、ある程度詳しく語ってゆくつもりです。
闇の黒猫は信州に生まれました。家族は父と母、そして姉がいました。
近くには大叔父が住んでいました。母の父の弟でした。非常に齢の離れた奥さんと二人暮らしをしていました。若い頃は冒険家だったそうで、その後、ある仕事に就き、随分と危険を冒して活躍し、晩年は趣味に生きたという人なのですが、奇人変人としても知られていました。僕はこの大叔父から大きな影響を受けました。
幼少の頃、父の仕事の都合で、信州を離れて別の地方に引っ越しました。具体的な地名は挙げない方がいいでしょう。そこは母の故郷で、母の実家があり、母方の祖父と祖母がいました。「父の仕事の都合で」ということになっていますが、実際は、父にとっての岳父(僕にとっての祖父)を攻撃するためだったようです。父は、僕の祖父の近くに住んで、ある方法で祖父を苦しめようと計画していたようです。祖父は、ある理由から、その土地で多くの人から憎まれていました。
信州に居る大叔父は頻繁に帰省して、自分の兄(僕にとっての祖父)の家に泊まっていました。それで、引っ越してからも、僕は信州に行くまでもなく、ときどき、大叔父に会うことができました。大叔父は姉と僕のことを、たいへん気にかけてくれていました。
後に、僕はすべてを捨ててさすらいの旅に出たのですが、この地域から、まず信州に行って、そのときは既に故人となっていた大叔父の家を訪ね、未亡人に会って、ある程度の事情を打ち明けてから、改めて旅立ったのでした。
僕の父は、自分にとっての岳父(僕にとっての祖父)を、ある理由から猛烈に憎んでいたのです。闇の黒猫の闇の中の生涯はここから始まったと云えるかも知れません。(続く)
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