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弾き語りストの独り言

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  • from: 弾き語りストさん

    2013年01月30日 12時52分50秒

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    故郷の山の上ののど自慢大会

    オレが生まれて一番最初に、人前で唄って気持ちよくなったのは、小学校に入って間もなくの頃のことだ。

    山間の村に生まれたオレだが、
    周囲をぐるりと山に囲まれながらもそれらは比較的低いものばかりだった。
    だから子供も大人もことあるごとにその山々に入った。

    大人は山の仕事で、オレたち子供は遊び半分で。
    村の行事でもたくさんの人たちが、やれ花見だといっては山上のサクラを見に重箱持ちででかけ、
    やれ遠足だといっては金のかからない山登りを選んだ。

    ある村の行事、花見ではなく、山の中腹にある湧き温泉での湯治のついででもあっただろうか、
    隣近所大人と子供が連れ立って、近くのK山を目指したことがあった。

    その中にオレと、たぶんオレの親か今は亡き長兄も一緒に混ざっていたんだと思う。
    K山の中腹、小一時間も登ったあたりに、ちょっとした平らに開けた場所があり、木陰の具合もちょうと良く、
    石清水も流れ落ちたりして、村人にとってはちょっとした有名な休憩スペースだった。

    たぶん、昼飯が終わって一息つき、だれかれの思い付きからか、のど自慢大会が始まった。
    もちろん半世紀も前の時代のことだから、カラオケ装置どころかラジカセなどもない時代。
    まったくのアカペラでそれぞれが適当な歌をがなりあった。

    典型的なお調子者というレベルではなかったが、小学校低学年のオレもその場の雰囲気にのせられて、
    ステージに見立てられた大きな岩の上に立ったことを、今でも鮮明に覚えている。

    マイクに見立てたコブシを握りしめながらオレが唄ったのは、
    井沢八郎の〔男傘〕だった。

    ♪オ~レぇ~の オレの拳で 貴様の胸を どんとぉー いっぱつ どやしてやろか♪
    という歌詞の、当時流行っていた演歌だ。

    オレには、1964年の〔東京オリンピック〕を実家のモノクロテレビで見たという記憶がある。
    父が地元ローカル鉄道のサラリーマンであり、今は亡き母も内職に精を出していたことから、
    比較的早くから家には電化製品が何種類か入っていた。

    ということはラジオなんかも当然あったわけで、
    テレビで〔鉄人28号〕や〔ウルトラQ〕を見つつも、歌謡曲なんかも耳にしていたんだろう。

    そんなこんなで、山の上ののど自慢でも、聞き知っていた〔男傘〕がアドリブで唄えたんだろうか。
    子供の時分から地声が大きかったんだろうか。

    その時も、自分の歌声が山中にあんまり良く響き亘り、周りの大人からおおいにウケたことを覚えている。
    それがあってか、おやぢになったこの時まで、歌を聴くことも唄うこともずっと好きでいられるのだ。

    人前で歌を唄う人の心の中に、〝自分の歌で人を感動させたい〟みたいな目論見がまったくない人はいない。
    ただ唄うことが好きだとかいいつつ、自分の声質・声音や歌唱が聴く人間に少なからず影響を与えるだろうことは、
    十中八、九、確信しているね。まちがいなく。

    そうでなければ、
    わざわざLive会場にGuitar抱えて出かけて行き、弾き語りなどしないだろう。
    そんな気がないなら、ちびまる子のようにヒロシと風呂で「なみだの操」を唄っていればいいのだから。

    好きだから歌を唄うのと、その歌が人を感動させるかどうかは別物で、どう贔屓目に見ても、音程が外れていたり、ヒトを不快にさせるような声質の人だってあるはすで、
    そういう厚顔無恥を承知で唄うのはある意味〝口害〟と言える。

    オレの場合はどうかって。

    唄うことは心底好きだが、Liveで弾き語りをして聴く人を感動させたり癒やしてあげたりなんて、
    たいそうなことはノミのヒゲほども考えたことはない。

    聴かされる人にとってははた迷惑な話だが、
    その場に居合わせた不運を呪って、オレの持ち時間の間は耳栓でもしてしてほしい。

    オレの場合、Liveでの弾き語りは、家で練習してきた曲を人前でやってみて、
    うまくやれたかどうだか、一発勝負の緊張感を味わっている。

    同じ曲はライブで二回とはやらないことにしているので、
    家で何度も練習して一通りうまくできたものをLiveの一発でやったら、それきりで以後はライブではやらない。

    Liveでのネタ曲披露を区切りにして、
    次の新しい曲に取り組む。
    成功しても失敗してもその一回キリで、二度とはやらない。

    家に戻れば、使った楽譜(楽譜をコピーしたもの)はクリアファイルに収めて、
    次のLive用の新しい曲を探して一から練習を始める。

    いわば、Liveはその曲に一区切りをつけるためのもの。
    ウケたりウケなかったりはオマケみたいなもので、
    ノド元過ぎれば、失笑もささやかな拍手も忘れるようにする。

    アマチュアが間違っても、自分の歌で人を感動させようなんて思いあがってはいけない。
    アマチュアであるがゆえに〝好きだから唄う〟という勝手が許される。

    時々、好きだから唄っているというレベルを超えたアマチュアにも出会うが、
    それが自己陶酔度の低いさりげない態度だったりすると、それは素晴らしい!

    純粋に唄うこととGuitarを弾くことが好きで、
    自分なりに努力・練習をして、丁寧に地道に唄いつづけていると、それはきっと聞いている人らの心に伝わるものがあるだろうね。

    子供のころに、故郷の山の上で唄った、あの時のあの歌が、
    今のオレの音楽人生の〝源流〟だ。

    それじゃ、また!

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