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  • from: hapoさん

    2005/12/11 04:08:31

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    えぐってる、えぐってる!

    『モンドヴィーノ』監督ジョン・ノシター
    痛烈なドキュメンタリー作品です!
    大量消費という経済構造に取り込まれている私に
    かなり厳しい問題提起をもたらした作品でした。

    本来、ワインとは生産地の持つ気候風土、地質などの条件(ワインの世界ではテロワールといいます。)でその味わい、色、香りに
    違いのあるはずの商品。
    このワインの持つ個性を単一の価値観で塗りつぶす商品開発が
    ここ数年大きな流れ・グローバリズムとなっています。
    大資本を背景に消費者の嗜好を
    現代的な手法で汲み取り、反映させたグローバリズムによるワイン生産者と
    それに抗う、伝統的な手法でテロワールを重視する
    小規模なワイン生産者の対立の構図を
    綿密な取材、インタビューのもとに構成したのが本作です。

    この作品を観てアメリカのワイン評論家ロバート・パーカーと
    フランスのワイン醸造家ミシェル・ロランのつながり、
    すなわち、パーカーの採点で、
    ポイントを稼げるワインをロランが造る、
    という図式をはじめて知りました。
    これはワインの雑誌等では書けないですよね。
    広告収入のしがらみの無い映画だから
    あからさまにおおっぴらに出来たことなのでしょう。
    それを考えたら、映画にもメディアとしての新しい可能性があるのかしら?

    横道にそれましたが、つまりワインの世界では
    アメリカのワインメディアで高評価を得ることで
    売り上げを伸ばす、という図式が浸透しつつあるのです。
    これは経済的には一種のキラーアイテムによる市場の独占化です。
    前述した『単一の価値観』とはまさにこのこと。
    パーカーの採点ではタンニン(ワインの渋み)の角が取れていて、
    メルロー(ワイン用のブドウの一種)的なニュアンスを持ち、
    寝かせることを必要としない、抜栓したらすぐのめる、
    ヘヴィーボディの赤ワインが高ポイントを獲得します。
    元来そんな傾向に無いワインを永い間造ってきた生産者が
    売らんがためにロランの指導の下で
    パーカーに迎合したワインを造るのです。
    かたくなにそれを拒否するワイナリーの親父、
    しかし後継者である息子は
    ロランにコンサルティングを依頼する・・・

    また南仏ラングドック地区のある村では、
    パーカーの影響下にあるアメリカの大手メーカーが
    村のブドウ畑を買収しようとして失敗したり・・・

    その大手、ロバートモンダヴィ社との提携をめぐる
    イタリアの名門フレスコバルディ家とアンティノーリ家との対立・・・

    ワインのグローバル化は世界の生産者の間で
    さまざまな問題を起こしています。
    ワインの行く末は一体どうなるのでしょう?

    見ていて身震いのするドキュメンタリーでした。







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