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ゾイドバトルストーリー文藝部

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公開 メンバー数:8人

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  • from: 堀田功志さん

    2008年10月30日 18時06分42秒

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    「Re:Re:提案・公式資料の公開ガイドラインについて」
    > 特に堀田さんのものは、原文そのままってわけじゃないので。
    > 熱が入りすぎて、原文がわからなくなることも(何

     そう言って貰えると嬉しいですな。一応注釈というか突っ込みは括弧で区別してるんですが、うっとおしいですかね? 個人的に突っ込むたんびに(数字)と入れていって後ろに纏めるやり方は読むのが面倒くさいと感じる性質な物でして。

     と言う訳で、今日買ってきたライジャー付属のバトストも一応用意して、沙汰を待つことにしまさぁ。にしても値段が五百円高いだけあって箱が微妙にでかいです。
     おまけにバトストには確りと次号に続くの文字が。正直この手のシリーズで好評につき延長いたしますは嬉しくないと言えば嘘になりますが、正直始末に困ります。
     こん位で終わるならこの位のスペースを確保しておけば良い筈という見積もりが狂うのですよ(パズルコレクションを購読してるんですが、延長が二度も訪れました。借金した覚えも無いのにサラ金地獄に落ちた気分です)。

     時にコングに爆導索とショットガン(6連ミサイルと差し替え)を持たせて、スリーパー退治と言うネタを受信したんですがどう思います? 平成BS1開始時の帝国の持ち駒だと(セイバーが出る前の)、スリーパー対策のベストとまで行かなくてもベターな選択肢だと思うんですが。

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  • from: RYOさん

    2008年10月30日 12時25分16秒

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    「Re:提案・公式資料の公開ガイドラインについて」
    お久しぶりです。

    個人的にはそこまでうるさく規制しなくても良いと思いますけど(汗
    特に堀田さんのものは、原文そのままってわけじゃないので。
    熱が入りすぎて、原文がわからなくなることも(何

    こういったサークルの性質上、公式設定は絶対に必要なんですから、そういった点もふまえて、あえて規制はしない。または緩和するのもありなんじゃないかと思います。

    何にせよ、私もたかひらさんに賛成です。

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  • from: ペン打ゴンさん

    2008年10月27日 22時46分38秒

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    「Re:提案・公式資料の公開ガイドラインについて」
    >たかひらさん
    提案に異存はないですね。著作権やサークル規約のことを考えるとその方が無難です。
    >堀田さん
    キットの置場所も結構堪えますね。大型ゾイドはしまい方に苦労しそうです。

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  • from: 堀田功志さん

    2008年10月26日 20時18分34秒

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    「Re:提案・公式資料の公開ガイドラインについて」

    >  たかひらとしては
    >  ・BSや商品付属テキストの前文転載は禁止。
    >  ・ただし設定や考察にあたっての資料としての引用は可。
    >  ・ゾイグラ付属のBSについてはダイジェストまで。バックナンバーが公開された時点で管理人が削除
    >
    >  この辺を決まりごととしたいと思うのですがいかがでしょうか。

     生存報告ご苦労様です。私の意見(立場)は前にも発言した様に、ムックなりBNなりで情報を入手する機会が訪れるまでの繋ぎですからね。
     とは言えBSは兎も角、年表や資料の類は伝言ゲームで変質するたんびに一々訂正するのもややこしいですしね。その位は目こぼし願いたいところですな。

    追伸 そういやグラフィックスがVOL10(今月号)で一先ずけりがつくようですが、展開的にどうやっても収まりそうに無いですよね(ジャンプ十週打ち切りエンドを除く)。この先一体どうなるんでしょうか? 個人的には電撃ホビーに移行して連載を続けてくれると経済的にも助かるんですが。
     それとも平成ファンブック4以降のEX宜しく、キットにそいつが主人公の短編(今気付いたんですがやり口が武者ガンダムと一緒ですな)を添付する阿漕な商法を繰り返す心算でしょうか? 流石に3千オーバーな代物をほいほい買えませんしね。

     ではこの辺で。取りあえず11月八日までは雑談のネタ振りは自重しまさぁ。

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  • from: たかひら鶉さん

    2008年10月26日 01時26分11秒

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    「提案・公式資料の公開ガイドラインについて」
     たかひらです。どっこい生きてます。バイト辞めたい・・・・・・(うω⊂)

     一ヶ月ぶりのご無沙汰なうえ、またもや取り急ぎの事務連絡となってしまうことをまずはお許しください。
     ペン打ゴンさんからご意見のあった堀田さんのリバセン記載についてですが、ぶっちゃけ部長自身は公式サイドからなんか文句来たらその時で……くらいに考えていました。僕自身さすがに毎号毎号買うわけにはいかないので、堀田さんの記事にずいぶん助けられてたんですね(^^;
     今回ペン打ゴンさんのご指摘を受けた内容については、堀田さんの独自注釈を交えた二次創作という解釈もできないではないと思いますが、ギリギリブラックなグレーゾーンであることには間違いないです。反省は反省として、なるべくダメージの少ないほうへシフトしていく必要があると思います。

     万が一にも本件が切欠たぁー思いませんが、ナイスタイミングなことに、公式がリバセンバトストのBN公開を始めてくれました。いい機会なので、今後の公式資料公開について皆さんの意見を募りつつ考えてみたく思います。

     たかひらとしては
     ・BSや商品付属テキストの前文転載は禁止。
     ・ただし設定や考察にあたっての資料としての引用は可。
     ・ゾイグラ付属のBSについてはダイジェストまで。バックナンバーが公開された時点で管理人が削除

     この辺を決まりごととしたいと思うのですがいかがでしょうか。
     申し訳ないことにもう暫く繁忙期が続きますので、期限としては11月8日までご意見を募りたいと思います。ご協力お願いします。

     最後になりますが、ペン打ゴンさん、堀田さん、疑問提示のほどありがとうございましたm__m

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  • from: 堀田功志さん

    2008年10月21日 16時25分22秒

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    「続きです。」

    >
    [244] Re:オーバーテクノロジー・・・このヴァルガに宿させてもらった! フォスト・ランベルク ガイロス帝国軍親衛隊少佐
    From: ペン打ゴン
    >堀田さん

    >リバセンBS
    前から思っていたのですが、転載はサークルの禁止事項に触れかねないので、前回のようにダイジェストにしたほうがいいかもしれません。

    >ゾイドタクティクス
    実は一周目の途中で断念したんです。バトルストーリールートのニカイドス島の戦いの辺りまでですね。


    2008.10.16 07:44:44
    ________________________________________

    [245] Re:Re:オーバーテクノロジー・・・このヴァルガに宿させてもらった! フォスト・ランベルク ガイロス帝国軍親衛隊少佐
    From: 堀田功志
    > >堀田さん
    、前回のようにダイジェストにしたほうがいいかもしれません。
    >
    んーと、この辺どうなんでしょうね。私としては、グラフィックス買う気が無い、又は欲しい機体を選んで飛び飛びで買ってる人とリバセンについて話すためや、タカトミが箱裏のバトストを纏めてムックにするまでの繋ぎ位に考えているんですが。
     取りあえず、部長であるたかひら鶉氏のコメントを待つとしませんか? 雑誌連載なら立ち読みと言う手もありますが、機体込みのコレクション色が強くて値が張るグラフィックスを、リバセンについて語りたい奴は全員買いやがれというのは無理がありますしね(高富は本気で皮算用してる可能性も有りますが)。
     第一悪名高いテンバイヤーが発売日前から戦闘員どもを並ばせて買い占めているせいで、ヤドカリや小象といった初再販組は本当に欲しい人が手に入れることが出来ないのが現状ですしね。全く店の前にテント村を作るなと、ホーイホーイ煩いんじゃ。

    > >ゾイドタクティクス
    > 実は一周目の途中で断念したんです。バトルストーリールートのニカイドス島の戦いの辺りまでですね。

     さいですか。ネットでパスワードを漁って青セイスモやフェニックス、ウルトラZを入手する・瀕死の状態で敵ターンに回さない(確実にEXが飛んできます)を実行して単機特攻と言った無謀を避ければ詰まることは無いと思いますよ。


     んで私事になりますが、この間アマゾンで「速水螺旋人の馬車馬戦記」を買ったんですがやたら楽しいです。武装を施された象やガレー船・モノレールに路面電車・オート三輪といった現場の状況からすると「最適解」なのに、世間一般からすると頭を捻らざるをえないトチ狂った(褒めてます)兵器が目白押しです。正規の戦闘部隊よか強力な装備を積んだ炊爨車ってあーた、ドンだけ(冷や汗)。
     後半ちっとばかすタルイですが1500円(定価)の値打ちは有ります。財布と収納スペースに余裕のある人は勝って損は無いと思いますよ?

     ではこの辺で。
    2008.10.16 19:23:20

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  • from: 堀田功志さん

    2008年10月21日 16時24分38秒

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    「今頃になって気付いたけど、こいつぁ不味いや(激汗)」
     うっかり繋げて書いたせいで、雑談ネタを白霧の戦線のスレに書き込んでましたよ。鶉氏は忙しいようなので自力で移動させときますわ。私の発言に対するペン打ゴンさんの発言も移しときますから手間をかけますが消しておいて下さい。

    242] オーバーテクノロジー・・・このヴァルガに宿させてもらった! フォスト・ランベルク ガイロス帝国軍親衛隊少佐
    From: 堀田功志
    リバースセンチュリー 第3話「休戦協定」

    1 約束の地
     西方大陸に位置する砂漠地帯「レッドラスト」。国家は存在せず、少数民族が村落レベルの生活が(原文ママ。を、の間違い?)営むこの土地は双方が領土を主張していない事実上の緩衝地帯として機能していた。今、この場所でヘリック共和国とガイロス帝国の間で正式な休戦協定が結ばれようとしていた(やっとこお役人の出番ですな。今までは漁夫の利を狙う黒幕をタイマン張ってた二人が手を組んで始末してたようなもんですから)。
     休戦条約を進めた共和国大統領であるヘリッⅡ世。先の大戦において)自ら「キングゴジュラス」を駆り決戦に臨むも、グランドカタストロフの発現により一時は消息を危ぶまれた男である(シュチュ的にはνガンダムは伊達じゃないばりでしたからね。よく機体が持ったもんだ)。彼が奇跡の生還を果たしたことで共和国は惑星規模の混乱の中でも国政を保つことが出来たのである。
     仲介役はヘリックとともに奇跡の生還を果たしたゼネバス皇帝の忘れ形見「エレナ」(ファンブックを見ると、現大統領はルイーズ・「エレナ」・キャムフォード。どんぱちのけりが付いた後両国の友好の証と言う名目で共和国に「人質」として差し出され、ガイロスとの友好や共和国と旧ゼネバスの融和に尽力しその功績で大統領まで上り詰めたそうな。ゼネバス皇帝の葬儀にも出席したとの事で、同名の別人なのか解釈が異なるのか、はたまた設定が勘違いしたのか。類推するには手札が足りませんな、続報を待ちましょうかね)。ガイロスの帝都チェピンでの混乱のなかヘリック大統領を回収、帰還する際に偶然救助されたガイロス市民の少女(街中でキンゴジが自爆したと言うのに矢鱈被害が軽いですな。機密や機体を利用されない為の自爆だから内部に向けて衝撃が収束された? 全身がブラックボックスだとの事ですが。真逆「わが生涯に一辺の悔い無し!!」とか「これがこの世で最後の真空旋風掌だ」な感じだったんでしょうか?)。奇しくも彼女こそが皇帝ゼネバスの娘であるエレナだったのだ。保護と言う形で共和国に身を寄せていたエレナは、その恩義を返すべくガイロス帝国との仲介役を申し出たのである。
     ゼネバス軍を吸収してその力を増強させたガイロス軍の内部には今もなおゼネバス派が存在する(指揮系統を完全に解して組みなおすのは時間が掛かりすぎますからね。上層部は兎も角前線の部隊は仰ぐ旗が変わるだけでそのままだったんでしょう)。ゼネバス皇帝の娘たる彼女の発言は大きな影響力を持っていた。そのことに自覚的である(原文まま。自覚していたの方が通りが良いんじゃ? 旧仮名遣いみたいな使い方なんでしょうか?)彼女は忠誠を誓ってくれた彼らを戦いから解き放つことが、残された皇女たる自分の使命であると考えていた。今まさに平和へ向かう扉のカギは彼女が握っていると言えた。

    「すまない、エレナ。私がもっと早く動いていれば弟の・・・
        イヤ、父君を看取ることも叶ったかもしれない・・・」
    「いいえ、気になさらないでください。伯父さ・・・大統領閣下。
            きっと、この巡り合わせも父の導きなのでしょう。
      父の死は悲しいことです。
           でも世界へ働きかける可能性を託してもらったのですから。」
     エレナの気丈な態度にヘリックは感心した。同時に自分の姪をこのような境遇に追い込んでしまった自分を責めた。共和国大統領として国や国民といった公の単位でばかり物事を考えるようになっていた彼にとって、私的な感情がこみあげるのは久々の感覚だった(この位のが健全なんでしょうな。天辺が感情で動いていいのは精々場末の山賊か三流テロリストの親玉までです)。

    2 罠
    「どうなのだオルドヴァイン! あの娘は間違いなくゼネバスの娘なのか?」
    ザグーリ特佐はヘリックⅡ世の隠し持っていたカード「エレナ」の存在に苛立ちを顕にし、幾度となくオルドヴァインに確認した。ガイロスにとってエレナの存在は残ゼネバス派をまとめるにあたって不都合だったのだ(この点、皇帝にとってなのか、三悪人にとってなのやら。十中八九後者でしょうな)。
    「共和国から届いた鑑定用DNAサンプル、潜入させた情報員からの連絡、
          両方の確認でエレナ様であるのは明白です。」
    「クッ、おとなしくしていれば良いものを!
        まあ、よい。一石二鳥とはこのことだ。」
    「特佐殿、もうしばらく時間を頂かないと、計画の進行が・・・
         ここで戦火の火蓋を切ってしまいますと・・・」
    「ゼネバスの娘を生かしておくほうが後々問題となるのだよ、オルドヴァイン!」
    「し、しかし私の研究成果を披露できるのは・・・」
    オルドヴァインの意見はザグーリには届かない。

    「ランベルク少佐、聞こえるか? 偵察任務は終了だ。
       少佐に預けた戦力、思う存分暴れてくれたまえ!」
    「ザグーリ殿、その言葉しかと受けた。
           帝国軍親衛隊に告ぐ、全機我に続け!―――――」

     レッドラストの中央に位置する「カシルの村」。会談の場となるこの場所に予定の時刻を過ぎてもガイロス帝国側の存在は確認できなかった。
    「帝国はやはり和平を望まないのか?」
    ヘリックⅡ世は、思い描いた平和への道に暗雲が立ち込めるのを想像し絶望した。
    「閣下、申し訳ございません。私の力が及ばずに・・・」
    涙するエレナ(二人とも少々オーバーリアクション過ぎる気が。あちらさんからすれば鳴り物入りで参戦した以上、返り討ちにされた挙句骨折り損のクタビレモウケって状況で戦を終えるのは出来ない相談でしょうしね)。
    「エレナ。我々の平和への活動はまだ始まったばかりですよ。」
    ヘリックは自分にも言い聞かせるように彼女を宥めた。エレナは笑顔を返し、彼を勇気付ける言葉を捜していた(時に元親衛隊隊長で大統領の奥さんのローザさんは何処に? 彼女の性格上キンゴジで一騎駆けを敢行したときも、随伴するなり同乗するに違いないと思っていたんですが。ここまで描写が無いと少々不安になって来ますな。健在だったとしたら大統領、早めにフォローしといた方が良いですぜ?)。

    「帝国軍、地中より出現! 戦闘スピードで接近中! 砲撃準備!」
    周囲の警戒任務に就いていたエクスグランチュラから通信が入った(モルガや蛇・熊なんかで地中を移動して奇襲をかけるのは定石化されてるから、対処法も確立されてるんでしょうな。地面を伝わる振動なり音源を探知するんでしょうか?)。
    「閣下! 敵は(原文まま。敵にはじゃ? 緊張で噛んだか?)攻撃の意思があると思われます! 発砲許可を!」
    ドスゴドスのクレイグ大尉の叫びが入ってきた。平和への一歩。この場所は休戦条約のための約束の土地。少ない(原文まま。幽かなか、僅かなのが正しいんじゃ?)望みをかけて、命令を下した。
    「こちらヘリック。クレイグ大尉! 帝国側の攻撃があるまで発砲は禁止だ! いいな!(政治的には間違ってないとはいえ、防御力に難がある甲殻系ゾイドに待ち戦をさせるとは。頭じゃ分かりますが前線の兵が気の毒ですな)」
    これを受けたクレイグ大尉は、不安を抱きながらも全機に同様の指示を出した(ゴドスで格闘戦をしつつ指揮を取るのは正直厳しいでしょう。グスタフなりカノフォなりに司令部を作っといたほうが良かったんじゃ? それとも必要最低限の戦力しか持ち込まないためにこうなった?)。これ(原文まま。あちらからすれば、それ、では?)を読んでいたかのごとく、砂中から飛び出してきた。軍上層部にその政治権力を握られていたガイロス帝国は、もとより和平など望んでいなかった。当初からの狙いはヘリック大統領と残ゼネバス派をコントロール出来る皇帝ゼネバスの娘エレナの抹殺。その両名の会談出席を確認して、戦闘行動を行う予定であった。

    3 レッドラストの戦い
     帝国軍の新型ゾイド「ヴァルガ」は磁気嵐対応化した「ヘルディガンナー」を従えて赤い砂漠の中から出現した。「反撃は無い」帝国軍親衛隊を率いるフォスト・ランベルク少佐はそう読んでいた(そういやウオディックは来てないんでしょうか? 砂漠なら使えた筈ですが)。
    「前衛はエクスグランチュラか・・・」
     共和国の最新鋭機であるにも関わらず、ランベルクのモニターには詳細な照会データが映し出されていた。ザグーリ指揮下の諜報活動(原文まま。諜報部のでは?)の成果に感心する間もなく、彼は照会データを追い、ペダルに、レバーに的確に指示を下す戦闘機獣の最高の部品の一つとなっていた(どうにも彼を買いかぶっていたようですな。凄腕になるほど操縦における精神リンクの比重が増していく筈なんですが。それとも帝国では価値観が違うんでしょうか? 完全に相棒じゃなく僕として扱ってますよ)。

    エクスグランチュラーーードスゴドスの支援機として、同時に開発を進められた磁気嵐対応型の機体。基本シャーシを大型化、強力な火器を実装可能とし、格闘戦と砲撃戦を両立したグランチュラの改良機である(ガイサックとはヤドランとヤドキング位の関係に当たるんでしょうか? 正直角も鋏も殻も無い甲殻形ゾイドで格闘は無理が有ると思うんですが。ファンタジー系の蜘蛛は短分子ワイヤー染みた切断糸やらネバ糸。頑強な足なんかで戦ってますが、サイズが同等の相手だとちときつくないですか? ましてや背中に大荷物を背負ってますし)。

     外周を守るこの機体は発砲をせず(原文まま。体当たりはどう見ても攻撃だと思うんですが。何が悲しゅうて敵の土俵で戦わにゃならんのよ?)、ヴァルガの進撃(ぶちかましの間違いでしょ?)を尾部のニードルアンカーを打ち付けて踏ん張り、その身で受け止めた(旧グランチュラは糸が使えたんですが撤去されたようです。取り柄殺してどうすんのよ?)。しかし、足の設置面積で勝るヴァルガの突進に耐えられるのも時間の問題だった(原文まま。文章も変ですが、論点がずれてます。体重×速度が威力な以上、受けきっただけでも称賛に値しますよ? 糸を紡げていたら無傷で取り押さえることも出来なくは無かったと思うんですが。スクラム組んで受け止めるわけにも行きませんし、後ろの連中は見てるだけですか?)。ヴァルガは機体を球状に変化させ(原文まま。変形じゃなくて? 一旦下がって丸まったのか乗りあがるように丸まったのか。乗りあがると腹が見えるから前者でしょうか)、ロケットブースターを点火、突撃戦法「グラヴィティアタックを仕掛ける(原文まま。仕掛けたの間違いじゃ? エゲレス軍の秘密兵器パンジャンドラムの例を紐解くまでも無く、この手の弾丸スクリューボールってどうやって進行方向を決定・維持してるんでしょうか? 現実ではそれで頓挫しました。真逆敵陣に真っ先に放り込んで味方同士ビリヤード見たく弾き合って、敵が程よく混乱したところで解除して他の味方が加勢するとか?)。吹き飛ばされるエクスグランチュラ。
    「笑止。その程度のゾイド恐るに足らず。
     キサマ等の棄てたオーバーテクノロジー・・・このヴァルガに宿させてもらった!(人様のを拝借しておいて何を偉そうに)」
    ヴァルガにはキングゴジュラスの大重量を保持するために使用されていた地球の技術「エネルギーフィールド」で機体フレームを強化する技術が導入されていた。グラヴィティアタックという特殊な戦法もこの技術によるものである。
    「全機、攻撃行動に移れ!(原文まま。迎撃の間違いでしょ? 売られた喧嘩なんだし)
       大統領とエレナ様を守ることを優先! グスタフ、後退しろ!」
    クレイグ大尉はヘリックの命令を待つ事無く、護衛部隊に指示を出した。ゴドスの次期嵐対応型後継機「ドスゴドス」・テストパイロットも勤めたクレイグにかかれば、「ヘルディガンナー」も格下の旧式機と化した(どんだけ魔改造を? 大異変で超技術は失われれた筈じゃ?希少な幻獣型や野生体が激減したに留まった? 真逆西方大陸戦争でも指揮官用に限定生産されたとか付け足さんでよ? ヘルディ相手に良い勝負が出来るならあそこまで追い込まれるとは思えないっす)。
    「エクスグランチュラ隊、格闘戦はドスゴドス隊に任せろ! トリカゴ戦準備!(包囲殲滅の意でしょうか?)」
    ドスゴドスがヴァルガを相手にすると、エクスグランチュラは四方に散開し始めた。
    「フン、骨のある仕官だな。面白い!」
    ランベルク少佐の武人としての血が躍った(原文まま。なんか似合わない。滾るとか疼いたのがらしいっす)。パワーで押し切ろうとするランベルク。正対するクレイグのドスゴドス。
    「すごいパワーだ。機体が悲鳴を挙げている。長くは付き合っていられない!「味方が吹っ飛んだところを見てるんだから最初から受けるなと小一時間。タイミングを掴みたかったんでしょうか?」」
    ドスゴドスはリミッター解除のフルパワーで一瞬押し戻し、間合いを取った(原文まま。ゾイドの場合、こうして機械的に表現するのと、気合一発といった生物的表現のどちらでも通りますが、共和国なんだから後者で表して欲しいところでしたね)。同時に脚部のターボダッシュスラスターが始動する。一瞬にして軽量なドスゴドスに敵装甲を打ち抜くほどの加速度を与える「ターボアクセラレイションキック(挿絵が何やら飛び16文キックって感じなんですがこれは稼動の限界でしょうか? 脚部にとあるので、踵から脹脛辺りに仕込まれたのを吹かした回し蹴りを想像してたんですが正直意表を衝かれました。上級者になれば空中で使用して卍・回転・スクリュー・反転・稲妻といったバリエーションを編み出せるんでしょうか?)ゴドスの名を冠するに恥じない新たに編み出された打撃攻撃がヴァルガを芯で捕らえた。
    「グッ、この質量差を補うほどの加速・・・やるな!
       だが、もう一度受けられるか、グラヴィティアタックを!」
     しかし彼の機体周辺にはエクスグランチュラが展開していた。ランベルクはまさにトリカゴに入れられる格好になっていた(真逆とは思うけど完全に取り囲んでないよな? 同士討ちしかねないし、窮鼠猫を噛むを実践されかねませんよ? 半円を描くくらいに留めたほうが良いでしょうな)。砲撃を開始するエクスグランチュラ。これでは重装甲のヴァルガでも穏やかには済まない(原文まま。穏やかってあーた・・・。無事ではなり只ではでしょうが)。必殺技たるグラヴィティアタックを回避に使う判断を彼は一瞬のうちに下していた。
    「クソッ、汚い手を使う(あんたんとこの会議の議事録と、作戦行動計画書を見直して出直して来やがれ。指揮官同士の一騎打ちならいざ知らず、不意打ちを仕掛けた下種を退治するために袋叩きにして何が悪いってんで?)
    「ランベルク少佐! 撤退だ。「原文まま。彼が指揮官じゃ無いの? ますます小物に成り下がっていく。単機で突っ込んでいくから副官が仕切ってるでしょうか?」」
    「何?」
    「ヘレナとエリックの脱出が確認された。これ以上は無駄な戦いになる。」
    「チッ、入れ込みすぎたか・・・。全機撤退!」
     レッドラストにおける戦いは、共和国軍の勝利に終わった。しかし、その勝利は僅差(原文まま。紙一重とか薄氷のじゃ?)、帝国側も磁気嵐の中で行動できるゾイドを完成させていた(防衛を磁気嵐のみに頼るのは危ないからね)。
     休戦交渉は決裂(終戦じゃなくて?)、ガイロス帝国の脅威が明確化した事実のみが残った。
     この事件によりゼネバスの忘れ形見「エレナ」は共和国に亡命(愛想が尽きたんでしょうな)。共和国軍北西方面指令ロー。ホトナー将軍は帝国の動きに警戒心を強め、声高に軍備拡張を共和国国民に誇示(原文まま。見せびらかすって意味じゃ在りませんでしたっけ? 呼びかけるとか訴えかけるの間違いじゃ?)。帝国軍の軍備が整う前に手を打つため、ガイロス軍討伐ゾイド隊が結成された(相手を人間扱いしてませんな。元々暗黒大陸の悪魔だった上に、首都を爆撃されて五桁単位で死者が出てますから当然ちゃ、当然ですか)。共和国国内では反ガイロス運動が高まっていった(逆に言うとそれまでは、今までのは水に流して助け合おうとまで行かなくても、こっちにちょっかいをかけてこなけりゃそれで良いや位に軟化してたんでしょうか?)。

     開戦のきっかけを作ってしまったヘリックは一人悩んだ(あなたのせいじゃござんせんよ、旦那。馬鹿は何れ仕掛けてきたんだし、早い遅いの違いでしか有りません。理不尽な要求には断固たる態度を取らにゃなりませんて)。しかし、彼自身が生み出す形となる試練はこれに留まらなかった。

    3(原文まま。数が重複してます。本来は4です) オーバーテクノロジー
     共和国軍技術部は敵ゾイドの残骸を回収、ゾイド工学の権威(範囲広すぎじゃないの?)「リル・メリル」。ヘリックを含む上層部会議において彼女から検証報告がなされた。
    「この装甲はヘルディガンナーの物です。
        帝国軍が前大戦(まだ終わってなかったから以前じゃ無いと思うんだが)で導入した特殊装甲「アイス・メタル」の技術が使用されています。
      つまり、帝国はこの装甲を量産に導入できるまでに軍備を再建させているのです(工業力の間違いじゃ? 工場じゃ作れないから一体一体職人が手作りで叩き上げている可能性も有りますが、それを期待するのは虫が良すぎますな)。」
    ざわめきを無視して彼女は続けた。
    「そしてこれが、今回の戦闘で始めて確認された新型ゾイドの装甲の一部です。
         この装甲にはエネルギーフィールド特有の熱残留が確認されました。」
    大統領ヘリックの顔が鬼のような形相に変わった。
    「博士、それはグローバリーの・・・」
    「そうです。帝都決戦において導入された
         キングゴジュラスで用いたとされる地球技術の一部です(何故に人事? 完全に地球人に委託して作ってもらった? 真逆地球の、それも東洋の島国で生まれた博士が地球から持ち込んだ炉心とか反応炉とか超合金の類をしこたま組み込んでたんでしょうか)」
    ざわめきすら起こらなかった。キングゴジュラスを生み出した彼らは、その技術の脅威を理解していた(はい、一行で仮説が覆されました)。ヘリックは頭を抱えていた。
    「私自身が帝国の軍備増強の手助けをする置き土産をしてしまったのか・・・(とは言えあの場で他に取れる行動となると、共和国軍が脱出しきるまで殿を務め、その後味方以外を無差別に破壊しつくすよう命令して降りる位ですし。動力がほぼ無限とのことだから、共和国の復旧がひと段落着く位までなら暴れっぱなしでも大丈夫だと思いますが。流石にそれやっちゃ極悪人ですしね)」
     人を神、もしくは悪魔に変える最強のゾイ

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  • from: TGZさん

    2008年10月14日 18時08分00秒

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    「第二話 解説兼後書」

    ■ガイサックカスタム
    イヴナの愛機。ガイサックに都市・礫砂漠戦用迷彩を施し、尾部ウェポンラックの武装を改修した機体。センサー機能などが強化されている。ちなみに、追加武装のクローを使うには両脇の装備のパージが必要。

    ■イヴナ・サーヒブ
    ブランドンの押しかけ弟子。タイレン王国出身。問屋業をしていた両親が武装警察に連行された為、革命軍に参加。努力家だが、その努力が空回りする事も。ガイサックは作業用の機体のコアを、ジャンクを集めて作ったフレームに移植したものらしい。

    ■マタンナ共和国
    遊牧民族「カヌグル」が作り上げた国家。共和国化にはヘリックの圧力があったといわれる。統一戦争に参加した客将カザント・ヴィシュナワートは「追い出された」と言ったが仔細不明。

    ■プラムヤ隊
    ホワイトミスト直属の戦闘部隊。ベアファイターのみで構成されている。隊長はラリーサ・アントーノフ。

    ●後書
    長らくお待たせいたしました!待ってる人が居るかどうかは別として!(滅
    B.O.L.二話「戦場の一連托鉢」です。
    イヴナとライランドがメインですが、かなり盛りだくさんなので一話の三割増し位の容量になってしまいました(サークルプレーヤーから文句言われたのでやむなく前後編に;
    一応名ありキャラのほとんどに役割分担させましたが、本人の言うとおりラリーサ隊長が噛ませなんで、そのうちちゃんとプラムヤ隊の活躍も書きたいと思います。
    ちなみに、一部堀田さんのアイデアを流用させていただきました。この場でお礼申し上げます。ありがとうございました。

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  • from: TGZさん

    2008年10月14日 17時49分27秒

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    「第二話 『戦場の一蓮托生』 後編」
    「ゾイド乗りの腕はベテランとは行かないまでも……指揮官が優秀だな」
     コマンドウルフを横滑りさせながらブランドンが呟く。
     ロングレンジライフルを三点射。避けられた。返しでビームが束になってコマンドウルフを目掛ける。
    「……先程の言葉は取り消すか」
     ウルフを横っ飛びさせブランドンはニヤリと笑った。
    「余裕ブッこいてる場合か! ったく勘弁してくれッ!」
     隣でマイクがヘルキャットを走らせながら叫ぶ。
     さらにライフルのパワーレベルををミリタリーからチェックへ落とし乱射。同時に跳びずさる。
    「むっ!?」
     着地時に右前足のダンパーに異音が響く。
    (くッ! さっきのビームか! 高負荷機動はできんな……。持つか……?)
     一声ウルフが吼えた。
    (そうか、まだやれるか……!)
     敵は王国軍の黒と青で塗られたヘルキャットでほぼ統一されていた。こちらは城砦をあまり離れる訳には行かず、構成機もまちまちだ。同一機で構成されている為同機動力のヘルキャット隊で攻めては引くを繰り返す事で、機動力の異なる革命軍機を分散させ、集中攻撃を掛けていた。さらに部隊を三列に分け、陣対陣に有利な陣形で突撃させた後、各個戦闘に移し、自軍戦力が分散しきる前に第一陣を退かせ第二陣を突撃させる波状戦法を取っている。
     流石に傭兵達も瀬戸際での引き時は心得ているのか、死人は少なかったが戦闘不能となる機体は増える一方だった。
    「こ……このままじゃあ……!」
    「弱音を吐くな!」
     イヴナの言葉につい反射的に言ってしまってからブランドンはしまったと言う顔をする。しまったと言う顔をしながらヘルキャットの前足を噛み砕く。
    (奴には構わんと決めていたが……)
    「は……はい!」
     ブランドンの心情を知ってか知らずかイヴナが返事をした。

    「戦況はどうなっている!? 敵機数と構成を正確に! 出られる機体は……!?」
     無線にがなりたてながらライランドはディバイソンに乗り込んだ。
    「やはり高速機での波状戦法か……分かった。ああ、すぐに出る!」
    (この戦い方……!)

    「これ以上は……!」
     ステルスバイパーに乗って煙草を咥えた傭兵、ギャリット・ボールドウィンは唸った。
     周りは青黒のヘルキャットのみ。完全に孤立している。
    「万事休すか……ッ!?」
     刹那、轟音とともに幾条もの光が降り注ぐ。数機のヘルキャットがまとめて吹き飛んだ。
    「死にたくないだけならば退がっていろ! 勝利も手にしたいのなら私の指示に従え!」
     通信が開いた。
    「ディバイソン……!将軍か」
     ギャリットは呟く。
    「聞こえているのかッ!そこのステルスバイパー!」
    「は、はい!」
    「全軍に告ぐ! この戦況では役に立たん装甲擲弾隊は退がれ! 砲撃機、城壁上部からの援護に専念! 高速機、正面戦闘! 突撃機、迂回して敵の頭を潰すぞ!」
     後方からラリーサのベアファイターが躍り出た。
    「プラムヤ隊! 続け!」
     群れを成して突撃する鋼鉄の猛熊。ヘルキャットは退がりはじめた。

    「反乱軍、まとまった反撃に移り始めたようです」
     波状攻撃を仕掛けるヘルキャット隊の後方。指揮者使用のグスタフ。
    「指示は早い。『指し手』も悪くは無い。だが伝達が遅いな」
     カザントが言う。
    「機体の準備は出来ているか? じきに敵はここを狙ってくる、私も出るぞ」
    「問題ありません」
     フラッドレーが言った。
    「手筈通りに頼むぞ」 

    「……ゴジュラスは出せるか?」
     情報管制の喧騒飛び交う司令室で、通信機を通してライカスは技師長に呼びかけた。
    「出せるっちゃあ出せます。整備は終わっておりますからな。ただ、銭もパーツも少ないということを考慮していただけるとありがたいですが」
    「分かった」
    「この戦況では逆にゴジュラスの出る幕は無いのでは?」
     ウェリントンが言う。
    「いや……まだ分からん。これで終わるとは思えん」
    「根拠は?」
    「……将軍が本気を出している。前回は私のお供だったが今回は……」
    (それにこの戦い方は……)
    「成る程」
     ウェリントンは目を細めて頷いた。
     ライランドの指示に乗り遅れた、あるいはそれを無視した機体は孤立し集中攻撃を受けて大破していく。だがその数は少なかった。
     敵はこちらの動きを読むと同時に陣形を変える。防御に適した方陣。そして波状移動のサイクルが早くなった。出来るだけ消耗せず敵を進ませない為だ。
    「城攻めで防御陣形に入りましたか……これはもう撤退の準備ですかね」
     ウェリントンが言う。
    「いや、これは……何かを待っている……?」
     ライカスが呟く。
    「?」
     ウェリントンが片眉を上げた。
    「すまんがウェリントン君、後は頼むぞ!」
     ライカスは格納庫へ駆け出した。
    「……やれやれ」
     ウェリントンは呟き、その自分の声にハッとし、そして首を横に振った。
    (私は……馴染んでいるのか……あの男とこの仕事に……!?)

    「あれが指揮車かッ!」
     王国軍のグスタフをディバイソンのモニターが捕らえた。
     敵陣を切り裂く突撃機の一団。後方を高速機が固め、退路を確保する。
     突如、ヘルキャットがザッと下がった。グスタフに牽かれた巨大なコンテナが開く。
    「その肩章……やはり貴様か、カザント・ヴィシュナワート……!」

    「アイアンコング……!」
     イヴナは呟いた。
     名前は忘れたが東方大陸のボードゲームの駒を模ったパーソナルマークがペイントされている。
    「やはり貴様か、カザント・ヴィシュナワート……!」
     オープンチャンネルでガイサックの通信が開いた。
    (将軍!?)
    「相変わらずのようだな、ライランド」
     これはアイアンコングからか。
    「何故マタンナの客将だった貴様が『そこ』に居る。よりにもよって……ヴァツト指揮下の王国軍等にッ!!」
     マタンナ共和国。エウロペ東部の小国で、長く明確な国境を持たず、「カヌグル」と呼ばれる遊牧民族が多く暮らしていた。近年になり近隣諸国による領土分割が始まり、それに抵抗する為、統一戦争が起きている。カザントは王国軍からその統一戦争に外交の一環として送られた増援隊の指揮官だった。ちなみに、ZAC2099年1月に終わった統一戦争の後、マタンナはヘリックの後押しで共和国化し、現在もヘリック共和同盟圏の一国だ。
    「知れた事、マタンナを追い出されて元の所属に戻ったまで。そして我が目的、我が誓い……それを果たさんが為に」
     全ての機体が止まっている。パイロット達は二人の会話に耳を傾けているのだろう。
    (……将軍はこの人と見識がある……?)
    「分かっている筈だ、今の王国軍の実態……! それでも尚ッ、そこに残るかッ!!」
    「私は軍人! 理由など、それで十分」
     イヴナにはその声が苦渋を含んでいるように聞こえる。
    (十分……? そんな訳ない……。理由は自分で見つけるべき物……。あなたの『理由』は……)
     イヴナはコマンドウルフの方を見た。

    「今の時点では……最早語る事は何も無いッ!」
     アイアンコングが跳躍した。
    「ぬぅッ!」
     ディバイソンが跳び退る。
     轟音。
     地面が、割れた。
    「来ないのか?」
     感情を押し殺した声。コングが胸の前に掲げた拳から土がパラパラと落ちる。
    (敵だというのなら……今は、ただ、戦うのみか……!)
     ディバイソンが頭を上げた。
    「破ッ!」
     一閃する超硬角。それを跳んで回避するコング。
     ディバイソンは勢いを殺さず蹄で急旋回。十七の轟音が大気を穿つ。避けられた。
    「フン、『脇役』がッ!」
    「な、に、をぉおおおおおッ!!!」
     再び超硬角の一閃。コングは今度はそれを正面から受け止めた。
    「な!?」
     超硬角が掴まれている。
    「ぬうえぇいッ!!!」
     掴んだままコングが上半身を回す。
     ディバイソンの機体が、宙を舞った。

    「な!? 将軍!!」
     ベアファイターの一団――プラムヤ隊がアイアンコングに突撃した。
     避けられる、殴り飛ばされる、投げられる。周辺でも戦闘が再開した。ヘルキャット隊が革命軍とぶつかり合う。
    「!」
     ブランドンは我に返った。
    「マイク! 援護を!」
    「って、え!? わ、分かった」
     ディバイソンは地面に叩きつけられてから動いていない。
    「チッ!」
    (この戦況ではゴジュラスは出撃していまい……!)
     マイクの援護射撃を受けながらスモークを全開にしてコングに突っ込む。
     肩関節を狙ってライフルを発射。コングはわずかに体をそらす。射角が浅くなった。拳を避けて跳び退る。
    (外したか。だが……!)
     追い縋るコングが煙幕の中に突っ込んだ。
     ライフルのモードをミリタリーからマックスへ。感度を最大にしておいたセンサーを頼りに撃ち込む。一発……二発……三発……。
    「!?」
     煙の中から拳が飛び出す。
    「く……ッ! ……!?」
     ウルフの右前足が崩れた。
    (さっきの損傷かッ!!)
     残った足で直撃だけは避けようとする。
     そこへ。
    「!?」
     イヴナのガイサックが、割って入った。

     文字通り吹き飛んだ。マイクのヘルキャットの頭上を越える。
     破片をバラ撒き、横滑りし、止まる。顔から血の気が引くのが分かった。
    「バカがッ!!!」
     ブランドンは叫ぶ。ウルフが腹から大きく吼えた。怯むコング。
    「ぬおぉおッ!」
     ライフルを強制排除。右の肘関節に喰らい付く。遮二無二振り回される。
     ウルフが飛ばされた。……が、コングの右肘のアクチュエーターが音を立てて爆発する。
    「ブランドン!!」
     マイクが叫んでいる声が聞こえる。
    (南無三……)

     だが、コングが顔を向けていたのはウルフではなかった。

    「生きているか? 私に話しかけられたら死ぬなんてジンクスを作らないで欲しいものだがね」
    「司令!?」
     ガトリングの付いたヘルキャットのパイロットが叫んだ。
     ウルフが弱くだが確かに唸り、首を上げる。
    「ガイサックも回収した。パイロットも生きているそうだ。…………さて」
     ライカスは顔を上げてアイアンコングを見た。
    「久方振りだね。カザント・ヴィシュナワート将軍」
    「……ライカス・フッダール代議士。ライランドの仲立ちで会ったとき以来か」
    「こちらに来る気は?」
    「折角だが……断らせてもらう」
    「ふむ……では戦うかね?」
    「右腕が使えん状態でゴジュラスと……いや、貴君とやりあう愚は避けさせてもらう。あまり『高飛車』なやり方は嫌いだ。それに、手紙も回収した……」
     最後は聞き取れなかった。
     刹那、全てのヘルキャットが閃光弾を放った。

     後に残ったのは、動かぬ残骸と革命軍のみ。
    「ウェリントン君、全軍に通達。『我々は勝利した。帰還せよ』とな」
    「了解」
     スピーカー越しにウェリントンの声が聞こえた。

         *     *     *

    「……」
    「……」
    「……」
    「……」
     一緒に担ぎ込まれたブランドン、イヴナ、ライランド、ラリーサの四人は部屋の一角に横に並べられて寝かされている……もとい、いた。ブランドンとラリーサは寝ていろと言われたにも関わらず既に起き上がっている。
     死人も少なくない戦いだ。負傷者は多い。ベッドなど足るはずが無い。辺りは雑魚寝さながらである。
    「やあ、気分はどうだね」
     ライカスが様子を見に来たらしい。
    「最悪ですよ」
     開口一番この調子なのはラリーサだ。
    「今回ほとんどど噛ませ同然でしたから、ああ、全く情けない!整備員も医療班も資金も足りないのに。足りないのは司令、あなたのせいですけれどね!」
    「あまりまくし立てない方がいい、体に障る」
     ライカスの言葉にラリーサが固まる。
    (ラリーサ隊長……こんな感じだったっけ?)
     かつぎ込まれる途中に二言三言ラリーサと会話をしたイヴナは思う。
    「大体!そもそも……」
    「ラリーサ隊長って、何か司令が相手だと多弁になってその上遠慮が無いですね」
     ラリーサの言葉におっかぶせてイヴナが言った。ラリーサがさらに固まった上に赤くなる。
    「気のせいだと思うが?」
     何食わぬ顔でライカスが言う。
    「司令も……狸、ですな」
     ライランドが起き上がった。
    「大体の事情は聞かせてもらった」
     表情を変えてライカスが言う。
    「そうですか……。彼と私は士官学校時代からの付き合いで……いや、そんなことは関係ないですな」
     ふむ、とライカスが首を軽く傾げる。
    「彼が向こう側に未だ留まる理由は分かるかね?」
    「自分は軍人である、それが理由だと言っていましたが……」
    「『が』?」
     逆接に繋がる言葉をライカスは尋ねる。
    「それだけではないような気がするのです。……根拠はありませんが」
    「そうか……」

    「イヴナ」
    「……はい?」
     ライカスが出て行って、ラリーサが隊員の様子を見に行った時にブランドンが言った。ライランドは寝ている。
    「何故あんな無茶をした?」
    「聞かなきゃ分かりませんか? 理由」
     少し寂しそうな言葉。
    (どのみち……付きまとわれるな)
     ブランドンは自嘲気味に笑った。
    「……いいだろう」
    「……? ……!!!? はい!? 何の事です!?」
    「聞かんと分からんか?」
     ニヤリとブランドンは笑った。
    「よ、よろしくお願いします!」
    (二度と失いたくは無い……。なら……)
    「自分を守れるだけの力は必ず身に付けろ、いいな」
    「はい!」

     ライランドは隣でのやりとりを聞いて気付かれないように軽く笑った。
    (若さだな……だが、私は……。彼にまで『脇役』と言われるとは)
    「?」
     隣の部屋から騒ぎ声が聞こえてきた。
    「あのおっさんの指揮なら俺らは勝てる!!」
    「直接戦闘でのやられっぷりは酷かったけどな!」
    「ワハハハハハハハ!!」
    「ライランド・ホフマン将軍に乾パーイ!」
    「かぁんぱーい!!」
    「おい、俺らも混ざっていいか!?」
    「誰だお前等?」
    「構わねぇって! 入れ入れ!」

     『組織力』は改善しつつあった。

    (私は……。ああ、まだいけるな!)
     ライランドは拳を握り締めた。

     格納庫。
    「終わらねぇ終わらねぇ終わらねぇぇぇええええええ!!!!」
     ヘルキャットも整備が必要な上に、右前足全損のコマンドウルフと半壊したガイサックの修理を頼まれたマイクは死にそうであった。

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  • from: TGZさん

    2008年10月14日 17時17分53秒

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    「第二話 『戦場の一蓮托生』 前編」
    「まずはタイメイアを陥とせた事を祝おう。君達の奮闘あってのことだ。礼を言わせて頂きたい」
     タイメイア城砦。革命軍の上層部がそろっている中で、ライカスが言った。
    「さて、今後の事だが。まずは補給に関してだ。参謀長」
    「では、申し上げます」
     ウェリントンが立ち上がる。
    「タイメイア城砦の物資を全て接収し、捕虜はヘリックに引き渡す予定ですが、食料含め生活物資に関しては持ってせいぜい一週間分と言うところです。武器弾薬類に関しては……」
     ウェリントンが軍事物資を取り仕切る技師長の方を見る。
    「戦闘の規模と頻度にもよるでしょうが、今回の戦闘を一回とすると三回程度の備蓄ですな」
     技師長が言う。
    「へリックからの援助は?」
    「協定で定められた最低限の物しか来ていません。やはり先方も気を抜けないようです」
     ウェリントンが応じ、腰を下ろす。事実、この後ガイロスはヘリックからの停戦勧告を無視する。
    「将軍、今後の戦略についてはどう考える?」
     ライランドの方を向き、ライカスが言う。
    「まずは、このタイメイア城砦を拠点として使う体制を整えたほうが良いかと考えます。組織力を改善する期間も必要でしょうし、ヴァツトが勢いだけで倒せる相手とは思えません故。ただ、

    補給の件もあります。あまり手間取っては後手に回る事にもなりかねませんな」
    「組織力の改善……ですか」
     ホワイトミスト直属の戦闘部隊、プラムヤ隊の女隊長、ラリーサが柳眉を寄せて呟く。
    「将軍、その『組織力の改善』はどうなさるおつもりか?」
     ホワイトミストの幹部の一人が言う。
    「それは……」
    「呆れた物だ、考えがないと!?」
    「まあまあ、落ち着きたまえ。考えのある者は?」
     ライカスが言う。
    「資金さえあれば……!」
     別の幹部が言う。
    「金で繋ぎとめた結束等脆い物だ。危うくはあるが、今のヴァツト打倒でなんとか持っている組織を、方向性を変えないまま纏めねばならん」
    「とはいってもゴロツキ共がそう上手く……」
     幹部の台詞にライカスが言葉を被せる。
    「彼等は彼等で事情が有って傭兵を生業としている者が多い。我々が地下組織として活動してきた様にな」
    「……それは……そうかもしれませんが」
     傭兵をゴロツキと言った事を非難したらしい。
    「しかし傭兵業は信用の上に成り立つ商売だ。資金さえあれば相応の働きはするのでは?」
     また別の幹部が言った。
    「たとえそうにしても無いものねだりでしょう」
     ウェリントンが言う。
    「ところで技師長、司令のゴジュラスは……」
     ラリーサが言った。
    「ああ、そのことですが」
     技師長はニヤリと笑った。

    「ブランドンさん!」
    「言ったはずだ、弟子など取る気は無い」
    「お願いです、この通り」
    「知らん」
     整備員の人数不足で何時整備してもらえるか分からないので、自分でコマンドウルフを整備するブランドンだったが、そこにイヴナが付きまとっている。
    「おい、そこの君! ガイサックの整備で分からんところがある。ちょっと来てくれ!」
     整備員が声をかけた。
    「え、あ、は〜い」
    「糞ッ! 光学迷彩がありゃあこんなに損耗しないだろうに!」
     ガイサックの方へ駆けていくイヴナを見ながら隣のヘルキャットから、同じく整備中のマイクが言う。攻城戦で調子に乗りすぎてヘルキャットを痛めたらしい。
    「輸出仕様の機体には光学迷彩は装備されていないんだろう?」
     手を止めずにブランドンが言った。
    「変なところで出し惜しみしやがって……ガイロスの連中め」
    「光学迷彩を装備したところで、その装備にコストと手間がかかるだけだと思うがな」
     傭兵の機体選びに重要なのは、性能よりもまず、損耗率と部品のコスト、規格外の部品も受け入れられる設計上の余裕だ。
    「……むぅ。まぁ、それはそうと、そこまで嫌がる理由は何だ?」
    「奴のことか?」
     ブランドンが手を止め、ガイサックの方を顎でしゃくった。
    「そ、イヴナちゃん」
    「……生憎、その気も義理も無いんでな。それに、あの手の人間は苦手だ」
    「煮えきらんなぁ。お前らしいといえばお前らしいが……」

         *     *     *

     時は少し遡る。タイレンの王都、ベドルナク近郊。王国軍基地、ドルニテ。
    「ぬうッ……。デモクラット共め!」
     ジャルナク中将は報告書を握りつぶした。
    「中将、状況は?」
     男が部屋へ大股で入って来た。
    「カザント准将か。反乱軍の手によってタイメイアが陥ちた」
    「タイメイアが……!? 反乱軍の指揮官は誰です!?」
    「フッダール、ライカス・フッダールだ」
     ジャルナクは忌々しげにその名を口にした。
    「ライカス……」
     カザントが呟く。
    「あの男、一度投獄されて大人しくなったと思っていたが……。狸め……!」
     ジャルナクがより一層報告書を握り締める。
    「各地のレジスタンスは?」
    「まだ目立った動きは無いが、時間の問題だろう。フッダールがヘリックのを後ろ盾を取り付けたらしいからな。連中がこの機を逃すはずが無い」
    「! ヘリックの……ということはやはりあの情報はダミーだったのか」
     カザントは首を振った。
    (しかし……ヘリックの後ろ盾か……これは問題だな。あの国のような事にさせる訳には……!)
    「准将、幸い制空権はこちらの物だ。タイメイアに最寄のイェンバ基地まで飛んでくれんか。あの基地には優秀な指揮官がおらん」
    「願ってもいない……叩き潰して見せましょう」
    「……それと、反乱軍に諜報員が一人潜入している。行きがけに接触してくれ」
    (諜報員?)
    「分かりました」
    「頼むぞ、『猩将』」

         *     *     *

    「奴を見ていると……あいつを思い出す」
     ガイサックの方を向いてブランドンが呟いた。
    「ん、何か言ったか?」
     整備を一足先に終えたマイクがこちらを向く。
    「給弾作業も済んだのか?」
    「ああ、一応な」
    (弟子、か。何にせよ、また失うわけには……)
     ふと、ブランドンが顔を上げ、眉を寄せた。
    「どうした、ブランドン?」
    「いや……」
     マイクの問いにはっきりとは答えず、ブランドンは最後のボルトを締め上げつつ、首を動かさず目だけで辺りを見回す。刺されるような感覚。
    (視線か?やけに鋭い……)
    「……消えたか」
    「あ、おい」
     マイクを無視してブランドンはコマンドウルフから飛び降りた。

    「整備の手が足りていない……か。なるほどな」
     格納庫からは死角になっている通路。サングラスの男が顎に手をやって呟いて、踵を返そうとしたその途端。
    「動くな」
    「……ふうむ、無用心が過ぎたかな」
     背中に銃口が突きつけられるのを感じて男は動きを止めた。
    「どこの人間だ?」
     背後からの言葉。
    「それはこちらの台詞……何? どこの人間?」
    「傭兵の身のこなしではない……だが操縦桿を握ってきた手だ。何を調べていた?」
     ニヤリと笑って男はサングラスに手をやった。
    「動くなと言った……!」
     銃口がより強く押し当てられる。
    「この顔に見覚えはないかね?」
     男がサングラスを外した。
    「!……申し訳ありません」
    「いやいや、君のような人間が居てくれるなら私がスパイを警戒する必要は無いな」
     ニヤニヤと笑いながら男――ライカス・フッダールは言った。
    「名前は?」
    「ブランドン……ブランドン・ヴァイシュタイン」
    「そうか、私がライカス・フッダールだ。知っているとは思うがね」
     ライカスは方眉を上げて右の口元をニヤリと吊り上げた。
    「失礼しました」
    「いや、私もこんな格好で出歩いてきたのがまずかったな。会議も一段落して様子を見に来たのだが」

    「マイクさ〜ん! ブランドンさんは?」
    「さあ? さっき一人でブツブツ言ってどっか消えたけど。ガイサックは?」
     イヴナの問いにマイクが答える。
    「規格外の部品を使ってたんでちょっと問題があっただけで、整備も終わりました。それはそれとして……どうしたらいいんでしょう……」
     イヴナがコマンドウルフを見上げる。ウルフが軽く唸った。
    「弟子入りねぇ……」
     マイクが天井を仰ぐ。
    「奴は奴で必要以上に嫌がってるように思えるが……気になるのはイヴナちゃん、君がどうしてアイツに弟子入りしたいかなんだが」
    「それは……ブランドンさんに我流じゃだめだと言われて……」
    「惚れたか?」
    「な、何でそうなるんですかっ!」
    (おうおう、顔が赤いぞ)
    「じゃあ、この革命軍に参加しようと思った理由は?」
     ニヤニヤしながらマイクが言う。
    「……端的に言うなら、両親の為……ですか」
    「?」
    「重税で喘いでいる内はまだ良かった……。国交が途絶えて輸出入ができなくなって……。問屋業を営んでいた私の父母はファハン市の嘆願集会に出て行っている時に武装警察に連行

    されました」
    「ぬ……」
    「父母は……多分処刑されては居ないはず。ヴァツトを倒してあの日常を取り戻したいんです。だから経験の有る人に色々教えてもらいたいんですけど伝手も無くて……」
     マイクはイヴナの目を見た。その目が輝くのは凝視している暗闇の中に希望の光があるからか。
    (それが君の『理由』か。両親の為……俺とはえらい違いだな)
    「じゃ、代わりにブランドンの事、一つ教えておこうか」
    「何です!?」
    「昔、奴を庇って死んだ傭兵が居た。それが君によく似てると奴は思ってる」
    「え!?」
     イヴナが目を見張る。
    「奴の様子を見ていると、似てるのは外見よりも行動や考え方らしいけどね。奴は怖いんだろうな。二度失うのが」
    「怖い? ……でも」
     イヴナの目が泳ぐ。
    「ああ見えて臆病なのさ。あの男は。俺も短い付き合いじゃないんでね、それくらいは分かる。とりあえず、その辺どうにかしないと、どうにもならないと思うぜ?」
    「そうですか……。分かりました!」
     イヴナが笑うのを見てふとマイクは思った。
    (ん……待てよ……伝手がないってだけなら別に俺でも……)
    「あ……」
     既にイヴナは居なかった。
    (まぁ……いいか)
     赤くなったイヴナの顔とブランドンの仏頂面を思い出しながらマイクは一人ニヤニヤした。

    (むう……ぬかったな)
     頭を下げつつブランドンはそう思った。
    「ところで、だ」
     ライカスが言う。
    「ここで会ったのも何かの縁だ。少し手伝ってもらいたい事がある」
    「非礼の手前もあります。出来る限りの事なら」
    (いや……しかし)
    「司令! ここにいらっしゃいましたか」
     男が駆けて来た。
    「どうした?」
    「ヘリック共和国軍のグレアム・クライヴ中将がお見えです」
    「何……!? 本人が、か?」
     ライカスが眉を寄せた。その目をブランドンは見た。
    (この目線だったか……? いや、わからん)
    「はい。何でも、司令に直接話したい事があると」
    「分かった。すぐに行く。ブランドン、また追って話そう」
    「お忙しいようで」
    「『まだ』彼等には任せられん仕事もあるのでな」
     ライカスは今度こそ踵を返した。
    (まだ任せられん……か)

         *     *     *

    「……総戦力数のデータは……タイメイアの事を鑑みても質の問題でアテにできんからな」
     イェンバ基地。指揮車仕様のグスタフに乗り込み、カザントは資料を再確認した。
    「何!? 一体どういう……? ああ、そうか、分かった」
     イェンバ基地の司令官、マタル・カ・フラッドレー中佐が携帯端末を耳から話した。
    「准将、ヘリックのグレアム・クライヴ中将がタイメイアを訪れているようです」
    「グレアム……対外干渉に積極的な軍閥のリーダーだな」
     苦い顔をしてカザントは呟いた。
    「このまだ危険な時期に本人が出向くとは……」
    「大方、後々のことを考えてのパフォーマンスだろう」
     協力の姿勢を示す事で恩を売ろうと考えている、とカザントは踏んだ。
    (だが……それだけか?)
    「成る程……。と、准将、出撃準備が整いました」
    「よし、これ以上後手に回るわけにはいかん。まずは様子見だが高速部隊で突いて『角道』を開けさせるとしようか」
    「は? 『角道』でありますか?」
    「ま、相手の出方を見るといったところだな。出るぞ!」

         *     *     *

    「中将、ご足労、痛み入ります」
     ライランドが言った。
    「いやいや、我が空軍は最早どの国にも劣りませぬからな」
     ストームソーダーの開発、レイノスの再配備、そしてこの時期にはサラマンダーの再生産と共和国空軍は着々と力をつけている。
    「……ご用件は?」
     グレアムに尋ねる。
    「実はライカス閣下に直接手渡したい物がありまして」
     そう言ってグレアムは懐から数枚のディスクを取り出した。
    「お預かりしましょう」
    「ライカス閣下に直接、と申し上げた」
    「む、……」
    「お待たせした!」
     ライカスが入ってきた。
    「……それは?」
    「我が軍内でも研究が進められているあるシステムのデータです。何らかの役に立てばと思いましてな」
    「それはありがたいが、開発関係のデータは私達が役に立てるは……」
     ライカスが困ったような表情をする。
    「開発関係のデータ……間違いではありませんが、一度、その類が分かる人間に見せれば、これが本質的に何なのか分かるかと」
    「……分かりました」
    「それと、信用するしないは貴方方次第ですが、進路上にある遺跡は出来るだけ抑えておいた方が良い。取り返しのつかぬ事を恐れるならば」
    「…………」
    (一体何だと……? いや、それにしても私は……)
     ライランドは左右に小さく首を振る。
    (『脇役』か……)
    「では、私はこれにて失礼しますぞ、イェンバから王国軍も近づいて来ている様なのでね」
    「!?」
     グレアムが踵を返すのと、警報が鳴り響くのはほぼ同時だった。

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