なのかもしれない。


彼が帰ってきた。
彼に泣きつきながら考えた。



捕らわれないことなのかもしれない。


悔しい思いに
悲しい思いに
自分に




病んでいる最中
（今も？）



救いを求めて
ある本に出会った。


般若心経を現代訳したものだった。


無宗教だけどそれには惹かれた。



内容はこんな感じだった。



人間はそもそも粒子の集まりだ。
宇宙も粒子の集まりだ。
人間なんてない。
自分で『自分』と思ってるから
自分があるような気がするけど
自分なんてない。
人間は結局粒子。
宇宙も粒子。
世の中のものみんな粒子。

だからね
自分の悲しいとか苦しいとか楽しいとか

あらゆる思いは
ない。



自分がそう思ってると思ってるだけ。


みんなない。


自分がないんだから自分の思うことなんてない。


いいことも悪いこともない。
なんせ粒子。



みんなきっと
ただそこにあるだけなんだ。


そこにあるだけなのに
ただ粒子の活動で生を全うするだけなのに


『自分』てのに捕らわれて
悲しんだり苦しんだり喜んだり…



実はみんな粒子
自分なんてない。
なんもない。



あたしの浅い解釈ではこんなもんで


でも
なんか救われた。




今日のこともそうなのかもしれない。



自分に捕らわれたのかもしれない。


自分の悔しい悲しい思いに捕らわれた…


その思いを捨てられずに
ギスギスした。


捨てられない自分がお子ちゃまだ
ダメだと
上手くいかないと
どうしようもなくなった。



そもそもね
『あたし』の悔しい悲しい思いなんてのは
ない。
世の中にない。
人間の感情なんて
不確かなものだから

悔しく思え
悲しく思え


と
あたしがあたしの枠を作ってる。


どうでもいいことなんだよ。
あたしは粒子。
世の中粒子。
あの人もあの人もみんな粒子。


そんな思いはどこにも存在しない。
ただ粒子があるだけ。


だから
捕らわれない
捕らわれないの


できるできない
ダメダメじゃない


それすらそもそも
ない。




あたしは
ただただ存在する
粒子がただ存在するそれだけなんだから





と
ひとまず思ってみる