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  • from: あきらめてんさん

    2019年06月22日 16時54分28秒

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    老後の椅子取りゲーム②

    佐和子が家を出た後、信二郎は妻の鏡台や家計簿を付けている机の引き出しを、さらえてみようかと一瞬考えた。しかし、会社が強制的に与えてくれた年休消化日だから自分の好きなことをしたいと思い直した。持病があるわけでない。信二郎には、死ぬなんて遠い話に思われたからだ。この時、バイクが家の前で止まり、郵便ポストに金属音がした。階段下のハンガーにかけてあったジャンパーを着ると、信二郎は玄関口にあるポストを開いた。郵便物は佐和子宛てのS中央銀行からのものであった。佐和子宛ての郵便物を勝手に開けるわけにはいかない。お互いのプライバシーは守りたい。正直に生きていきたいという信二郎の単純な気持であった。佐和子が逆に信二郎の郵便物を点検しているとは夢にも考えなかった。それに最近の私的な通信はスマホのメールに置き換えられている。まさか郵便物に落とし穴があるかもしれないと推理する人は少ないだろう。
    佐和子の伯母が亡くなったのは3か月前であった。この伯母には子供がなく、一人暮らしであった。伯母というのは佐和子の亡き母の姉で、子供の頃はずいぶん可愛がってもらった。佐和子には兄である小森義彦がいたが、この義彦にも子供がなかった。伯母が亡くなった時、伯母の亭主にも兄弟がなく、跡継ぎがないまま5年前に他界していた。この伯母の遺産相続をどのようにするかで、兄の義彦から佐和子は相談を受けていた。
    たまたま4日ほど前に遺産相続の資料があれば送ってくださいとS中央銀行に依頼したものだから、郵便物は相続に関する資料と思われた。

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