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  • from: あきらめてんさん

    2019年06月29日 13時56分10秒

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    老後の椅子取りゲーム⑥

    自分の家と一人住まいになった母親の家とを往復しているうちに信二郎の生活は母親の方へ移っていった。これは自然の成り行きである。介護はトイレのことから風呂に入れるまで毎日の生活サイクルに縛られてくる。最初は食事にしても、母親の意向を聞いてから調理できるものは信二郎が作っていた。買い物も含めて食器の始末など時間が取られた。合間をぬって、パソコンの株式売買の画面を見ながら取引をしていたが、判断の見誤りから信二郎は継続して損を出した。資金を証券会社に預けての現物買いだから、評価損を出しても、買った株式を保有しておれば、何時か上昇して、値を戻した時に売却すればいいと考えていた。ところが、トランプが大統領になってから米中の経済関係の悪化で持株の評価損が膨らむ一方であった。株式投資で何とか挽回したいという信二郎の思いから、母の家で寝泊まりすることが常態になった。食事は昼夜ともに介護食の専門配達業者に依頼することが多くなった。
     それでも朝は信二郎がコーヒーを淹れ、目玉焼きを焼いて、母と会話しながら食事をして親子の会話で愛情を維持しようと努力した。この一方、自転車で10分ほどの距離にある妻の佐和子は週に三度ほどパートの合間に顔出しするだけであった。嫁と姑の関係は改善されそうになかった。両者の性格の違いからくるのか、考え方の違いなのだろうか、姑が抱く関心事と佐和子の興味とに共通性がなかった。だから、日常的な必要品にしても、母が信二郎に要求して、それを買い物のついでに佐和子に買ってきてもらうという流れになり、普段の会話は事務的にしか交わさなかった。

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