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  • from: あきらめてんさん

    2019/07/07 16:24:50

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    老後の椅子取りゲーム⑨

    アクセルとブレーキを踏み間違えて、父親は電柱にぶつかり、即死状態で救出された。慌ただしい葬儀をすませた直後、信二郎の手許には約二千万近くの現金があった。その後、事故の衝撃で母親が認知症になってきたので介護をすることを大義名分にして信二郎は勤務先の早期退職募集に応じた。退職金を含めて信二郎は株式投資に熱中してきた。退職して定期的に入る給料はなくなったが、勤めていた時と大差のない投資収益が確保できるだろうという甘い目論見だけあった。この思惑が大きな失敗であった。母親が大腿骨折をする以前から信二郎は株式投資で多額の含み損を抱えるようになった。詳しいことを妻の佐和子に説明したわけではない。だが、冴えない表情で信二郎が毎日パソコンに向かって株価の変動を見ている様子を見ている。佐和子は、夫は儲けていないと推測していた。問題は、もし母親を介護施設に入れるとすれば、入居保証金と毎月の介護費用を、どのようにして捻出するかであった。保有している株式投資を全て売却するならば、ぎりぎり調達することが可能になるが、こんなことをすれば、信二郎が運用できる資金がなくなってしまう。こうしたことはできない。信二郎は、俺だって生きていかなくてはならない。ただ、何を、どのように決断するかであった。父親の死後、母親名義になっている家を売却するしかない。母親の家を売却し、この資金を母親の介護施設の費用に充当する。残された最後の手段は、これしかないと信二郎は思った。

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