新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

新規登録(無料)

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

ペンカット

ペンカット>掲示板

公開 メンバー数:1人

チャットに入る

サークルに参加する

サークル内の発言を検索する

新しいトピックを立てる

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

  • from: あきらめてんさん

    2020年05月11日 12時25分47秒

    icon

    老後の椅子取りゲーム㉗

    「言葉は、どのようにも表現できるからね。」
     こう言って、信二郎は軽く押し返したが、眼は笑っていた。内心、騙されるかもしれないが、危険を感じながらも少しづつ探っていけば、その内に見極めがつくだろう。
    「和田さん。来月の10日(土)になりますが、『ヘルス揚力発電推進セミナー』という学習会が予定されているのです。どうですか、一度、顔出しなさいませんか。」
     森山新平はセミナーの案内文書を封筒から抜き出した。
     案内チラシには、『講師中山秀次が新時代を語る』という見出しがついていた。会場の場所、日時、案内地図が書かれ、末尾に健康発電支援協議会・事務局森山新平という名前が記されていた。
    「僕が一番心配しているのは、企画倒れにならないか、それだけだよ。つまり、アイデア倒産というやつさ。世の中には詐欺まがいのものが沢山あるだろう。まず商品として成り立つかどうか、品物はできても、果たして需要があるかどうか。売れなけりゃ、価値がないわけだろう。このあたりを心配しているんだよ。」
    「ごもっともです。おっしゃる通りです。私も、和田さんと同じ思いです。この種の企画は、はっきり言って、冒険ですよ。ただね、最初から怖がっておれば、近づかなければいいわけです。そうでしょう。何も起こらないし、なんの利益にもなりませんでしょう。この種の案件は、博打みたいなものなのです。賭けるか、賭けないか。どちらかでしょうね。地層を分析すれば、石油が眠っている。しかし、掘ってみなければ、油は噴出しませんでしょう。それと同じことです。ここ掘れ、ワンワンです。決してチャ化しているわけではありません。真面目に考えているのです。いくら考えても、やってみないと結果はでてきません。私は常に、こんな風に考えているのです。」
    「まあ、そういうことだろうね。」
     信二郎は内心、この森山という男は喋りだすと、水飴を伸ばすように甘い言葉を連発すると感じた。食事を終えると、信二郎はセミナーの案内書をポケットに入れ、駅前広場で森山と別れた。

    • コメントする

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0
    • 拍手する

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0

    icon拍手者リスト

コメント: 全0件