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記憶の花

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  • from: みらいさん

    2024年03月30日 11時58分39秒

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    男の心


    全く悪びれもせずに送りつけてくる命令。
    やはり、彼には、わたしを捨て去ることなど出来なかったのだ。

    予感はしていたけど、相変わらずの俺様なLINE。たった2文字だけれど、彼が望むものは、分かっていた。 そして、それに従わなければ、彼が、『もういいよ』と怒りだすことも。 何もかも、相手の手の内は分かっているから、素直に彼の要求を満たす事にする。

    ただ一つ分からないのは、このような彼の欲求を何と形容するかだ。 彼は、付き合い始めた頃、『好きでも無い女と寝るのか?』と言った。 そうして何度も何度も私を抱いた。

    しかしながら、ただの一度も、わたしに好きだと言ったことは無かった。ましてや、愛しているなどとは、彼の辞書には無いように何年もやり過ごしてきた。

    人は、これを執着と呼ぶのか?彼が私を抱いた理由、それを言葉にすれば、何だろう?
    2人の関係が10年以上過ぎた頃、答えを迫る私に、彼は残酷にも、『遊びやろ』と暗い表情で言った。 以来、彼に甘い言葉は求めなくなったのだ。

    こんな関係に愛や恋を求めることが、陳腐なことと知っているけど、私は、彼のセックスだけを欲してはいないから、ずっとその矛盾や、理解しがたい男の我儘に苦しんでいる。

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