計画的でない予期せぬ妊娠によって生まれた子供には語彙が少なかったり非言語的コミュニケーションや空間認識力に問題が生じることが多いようだという研究。しかしこれら発育不良は、要するに子育てのための環境が伴わないことが多いという事実によるものであろうとのことである。

英国では出生児の30-40%が予期せぬ妊娠によるものだという。

すでに妊娠期間の延長や人工受胎などが早産や低出生体重児、先天異常を増やすことが知られており、一部の研究者は児の知能発達の遅れを指摘していた。予期せぬ妊娠によっても同様に出産に問題の起こる確率が高まることが知られていたが、発育異常があるかどうかはほとんどわかっていなかったという。

今回、英国の研究チームは、妊娠の計画性、妊娠期間、不妊治療の有無と、児の3歳及び5歳時における認知能力の発育状況について検討した。ミレニアムコホート研究の参加者から2000年-2002年に誕生した約12,000名の子供たちを対象として調査が行われた。

その結果、予期せぬ妊娠で生まれた子供たちは、言語能力において4-5ヶ月の遅延が見られたという。

しかし、これらの遅延は、親子の経済社会的環境要因を考慮して計算するとすべて消失したことから、問題は予期せぬ妊娠そのものではなく、母子の社会環境にあると結論付けた。