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†詩置場†

†詩置場†>掲示板

公開 メンバー数:5人

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  • from: ジャニス†さん

    2007/03/14 19:15:51

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    ハジマリ 6ー1

    空と海の境界線が一つのメロディを奏でる朝、ルルは砂浜でロキを造った。

    ―その白い塊は男の子に変わった。


    ルルは今まで悲しみばかりを背負って生きてきたが、その悲しみは涙と一緒にすっかり流れ落ちた。

    「あたしはルルよ。あなたに名前を付けてあげる。あなたはロキ、男の子よ」

    ロキはぎこちなく唇を動かすと言った。

    「僕は何をすればいいの?」

    ルルは静かにたたずむ灯台を指差して言った。

    「あそこであたしと暮らすの。あたしは嘘が嫌いなの。だから嘘は吐かないで」

    二人は暫らく座ったまま海を眺めた。

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コメント: 全11件

from: ジャニス†さん

2007/03/18 16:25:38

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「ハジマリ 6ー12」

ロキとルルの間にイーダが入り込んだせいで二人の仲は引き裂かれた。

ルルはロキがイーダに心を奪われるのを許しておけなかった。
ルルはロキを元の砂に戻してしまった。


翌日、ロキを生き埋めにした砂浜から怪獣が現われた。
砂漠怪獣ロキゴンである。

ロキゴンはルルに復讐するため、ルルとイーダを食べてしまった。
ところがイーダの持つクラゲの毒で苦しみだした。

地球連邦防衛軍は火炎放射器でロキゴンを焼き殺した。
辺りにはうまそうな匂いが漂い、地球連邦軍の隊員は我先にロキゴンに噛りついた。

終わり

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from: ジャニス†さん

2007/03/18 06:18:52

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「ハジマリ 6ー11」

いよいよナルニア星の反乱部隊がガドを先頭に灯台の螺旋階段を登り始めた。

最上階にいる三人は身動きが取れない。
ガンダムも灯台ごと焼き切る以外に為す統べがなかった。

ルルとイーダは覚悟を決めた。

「シャア様、この美しい地球の平和を守るためなら、私たちは喜んで命を捧げます」

一人、螺旋階段を見下ろしていたロキが呟いた。

「何も心配いらないよ」


ガドをはじめ反乱軍たちの体は階段を半ばまで登ったところで溶け始め、ゼリー状になって流れ落ちた。

「イーダは大丈夫だよ、僕が魔法をかけたから」

ガンダムも宇宙ステーションへ帰還した。

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from: ジャニス†さん

2007/03/18 06:16:33

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「ハジマリ 6ー10」

ガドの反乱部隊は強襲用のクラゲ艇に乗り続々と上陸を果たし、白い灯台を取り囲んだ。

三人は絶体絶命に陥った。

「ルル、どうしよう。僕たちは殺されてしまうのかなあ?」

ロキは不安そうにルルを見て言った。

「ロキ、大丈夫よ。きっと地球連邦防衛軍が来て助けてくれるわ。シャア大佐は勇敢な戦士なの。イーダも心配しないでね」

イーダはルルの言葉を聞いて、やっと安心したように笑みを漏らした。


ガドの兵士が灯台の螺旋階段を登ろうとした時、天空からガンダムが舞い降りた。

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from: ジャニス†さん

2007/03/15 22:28:28

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「ハジマリ 6ー9」

東の海が白く輝きだすと、イーダは長い睫毛を動かした。

「イーダ、目が覚めたのね。あたしはルルよ」

イーダは怯えたように体を小刻みに震わせ、上目遣いにルルを見た。
ロキがそっと手を握ると安心したのかポツリポツリと話し始めた。

「ナルニア星で内乱が起きたの。反乱軍のリーダー、ガドがナルニア星を自分のものにしようと私たちを襲って…みんな死んでしまったの。魔王は私の父よ。ナルニア星が暗黒の星に変わる前に私を逃がし、星を滅ぼしたの。行き場を失ったガドの反乱部隊は私を追って地球に来たの。地球を征服するつもりだわ」

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from: ジャニス†さん

2007/03/15 21:20:22

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「ハジマリ 6ー8」

地球連邦防衛軍のシャア大佐は国際宇宙ステーションからガンダムリックディアスに乗り込み、地球へと向かい発進した。

宇宙レーダー・サイトからナルニア星人の地球侵攻の報告を受けていた。
その機体は赤く百式の黄金色に比較すると、やや地味である。

ハマーンはシャアに言った。

「シャア様のご無事を祈ってますわ」

「ハマーン、心配するな。私は必ず帰ってくる」

ハマーンはシャア大佐に想いを寄せていた。
シャアもそれを知らないわけではなかったが、ハマーンがカーン提督の娘なので少し距離を置いていた。

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from: ジャニス†さん

2007/03/15 14:53:12

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「ハジマリ 6ー7」

ナルニア星の海は魔王の怒りに触れ枯れはて、星は燃え尽きた。


「地球を侵略しに?あたしたちに何が出来るの?」

ロキには記憶を読み取る力はあったがイーダの考えまでは読めなかった。

「わからないよ、ルル。イーダがナルニア星の女王だってことは確かだけど」

ルルはロキの瞳をじっと見つめた。
ロキは嘘を吐かない。

「いいわ、イーダの目が覚めるのを待ちましょう」

その頃、沖合には無数の巨大クラゲが漂い、無表情のナルニア星人が透き通る体から光を発しながら海岸に向かって泳いでいた。

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from: ジャニス†さん

2007/03/15 03:12:54

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「ハジマリ 6ー6」

イーダは銀河系宇宙のはずれにあるナルニア星の女王だった。

ナルニア星は燃え尽きてその一生を終えようとしていた。

イーダとナルニア星人は移住先を地球に決めた。
宇宙船クラゲ号に乗ったナルニア星人たちは日本海に着水したが、イーダの乗った宇宙船は海岸近くに着水したため、ルルとロキに発見されたのである。

ロキはイーダの記憶を全て読み取った。

「ルル、大変だよ!ナルニア星人が地球を侵略しようとしてるよ。沖合にいるクラゲの中にナルニア星人が潜んでいるんだよ」

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from: ジャニス†さん

2007/03/15 00:24:13

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「ハジマリ 6ー5」

クラゲの体内から出てきたばかりの少女の体は半透明に透けていた。

「私はイーダ。海の泡から生まれたの」

少女はそう言うと砂浜に倒れた。

ルルとロキは少女を灯台に連れて行き、やっとの思いで展望台まで運びあげた。
半透明の少女の体は、やがて青白い肌に代わり、金色の髪だけが電気を帯びたようにキラキラと光っていた。

ロキは眠っているイーダの手を握り締めるとイーダの記憶を辿った。
泡になる以前の記憶が光となってロキに流れ込んだ。
その不思議な光景にルルの心は薔薇の刺に触れたときのように少しだけ痛んだ。

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from: ジャニス†さん

2007/03/14 23:19:18

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「ハジマリ 6ー4」

二人が見たもの、それは巨大な越前クラゲだった。

大きさは2メートルもあろうかという代物だった。
その長い触手は5メートルはあるだろう。

「ロキ、触ったら危ないよ」

ロキがクラゲに触ろうとするとルルが慌てて制止した。

「大丈夫だよ。僕の体は砂で造られているから」

ロキは長い触手を掴んで砂浜に引き上げた。
するとクラゲの中心から一人の女の子が現われた。

「あなたは誰なの?」

二人は同時に叫んだ。

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from: ジャニス†さん

2007/03/14 19:24:26

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「ハジマリ 6ー3」

ロキはルルをじっと見つめて言った。

「ルルには解らないの?」

夕日が逆光してロキの表情が読み取れない。

「僕が生まれてきた時の気持ちさ。こんな綺麗な景色だから何も恐いことはなくなるんだよ」

ロキの言葉は楽しげでもあり、どこか寂しそうにも思えた。


水平線に飲まれ始めた太陽がすっかりその姿を隠すと、代わりにやってきた白い月と灯台の灯りが暗い水面を照らし出した。

海を眺めていたルルは水面に何かがゆらゆらと浮いているのを見つけた。
二人は階段を掛け下り、砂浜を走った。

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from: ジャニス†さん

2007/03/14 19:18:20

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「ハジマリ 6ー2」
ルルとロキは岬の先端にある白い灯台にむかって腕を組んで歩いて行った。

やがて二人は灯台にくると狭くて長い螺旋階段を一歩一歩登り始めた。

「ロキ、足を踏み外さないように気をつけてね」

ルルはロキのお尻を下から押し上げながら螺旋階段を登った。
二人は息を切らせて、よくやく最上階に到達した。

丸い鉄柵を持って下を覗き込みながらルルが言った。

「ここから飛び降りて自殺する人が多いのよ。こんな綺麗な海や夕日を見ながら自殺するって、どんな気持ちなのかしら?」

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