今、私がこうして月を眺めているこの瞬間に

世界中で一体どれくらいの人が同じ月を見つめ

物思いに耽っていたとして

逸らすことを許さないその輝きに閉じることを忘れた瞳から

様々な感情を映す涙が溢れるとして

月が魅せる物語の語り人が

悲哀の歌を口づさむ唄い手が

その心地よい声色で私の涙を誘おうとも

ただ君は決して月など見上げることはなく

ただ君は美しい夢を見る

その事実を知った私の瞳からは

それ以上の悲しみの涙を誘うことなど

この世界中のどれほどの人々が見上げているだろうこの月でさえも

不可能なことなのです


または君はすでにあの場所にいるのかもしれません

この世界中でどれほどの人々がそう望んでいることなどまるで無関係な夢を見ているのでしょう