-
from: ジャニス†さん
2008/04/26 05:03:59
icon
暗い過去の話をしよう
幼稚園の時の話
通っていた幼稚園は上の園舎、下の園舎に分かれ更に別の場所に運動場があり、園内をバスで移動するような広い所だった
敷地内には園長の自宅があり、当時、たくさんの犬が飼われていた
(ここまで言うとピンとくる人が居るだろうか)
園長宅や園舎の裏には薄暗い林があった
実際は林と呼べるようなものではないかもしれないけど、五歳の私には充分に広すぎる隠れ場所だった
私の家は園から比較的離れた場所にあったので、帰りのバスが出発するまでに時間があった
幼馴染みのJちゃんと、バスの待ち時間は必ずそこで遊んだ
不燃物が積まれたごみ捨て場は私たちにとっては宝の山だった
取手の取れた鍋、古くなったヤカン、オママゴトをするには格好の道具たち
その中には使用期限の過ぎた薬も捨てられていた
コメント: 全6件
from: ジャニス†さん
2008/04/26 12:35:40
icon
「Re:暗い過去の話をしよう」
「ダメだよ、園長先生の奥さんアレルギーだから飼ってくれないよ」
その日は夕方から雨になった
家に帰ってからもJちゃんと遊ぶのが日課だったので雨の中、傘を差して待ち合わせの場所に向かった
お互いのオヤツを残して園バッグにしのばせた
牛乳を飲まない子猫たちにあげるためだった
翌日、雨脚が強まり子猫が心配でたまらなかったので、幼稚園に着き部屋に入る前に隠れ家に向かった
子猫たちはビニールシートとダンボールのおかげで雨に濡れてはいなかったけど、とても寒そうに寄り添って震えていた
私もJちゃんも、園服のポケットからハンカチとポケットティッシュを出して子猫たちにかけ、部屋に走った
外遊びの時間になるとトイレからトイレットペーパーをまるごと持って猫の家の中に敷き詰めた
from: ジャニス†さん
2008/04/26 09:23:48
icon
「Re:暗い過去の話をしよう」
二日目に家は完成した
その間、子猫たちは与えた牛乳を全く飲む気配はなかったけど元気そうに鳴いていた
鍋の縁に前足をかけて外に出ようとしたり防災頭巾の綿をほるような仕草を見せたり、とても可愛かった
バスの時間が来て、整列場所に戻った時、園長の奥さんがたくさんの子犬たちに餌をあげているのが見えた
子犬たちは奥さんの足元にまとわりつき、キャンキャンと鳴いていた
「園長先生、あの猫たちも飼ってくれないかな?」Jちゃんが言った
私もちょっとだけそう思ったけど、すぐにMちゃんの担任の則子先生の言葉を思い出した
「園長先生のお母さんね、犬も猫も動物はみんな大好きだけど、猫はアレルギーがあって飼えないんだって」
「アレルギーってなぁに?」
「猫ちゃんに触ると目とか喉が痒くなっちゃうんだよ」
from: ジャニス†さん
2008/04/26 08:45:23
icon
「Re:暗い過去の話をしよう」
産まれたての子猫は母猫のオッパイを飲んで育つ
そんなことくらい知ってたけど、母猫のオッパイと牛乳の違いなんて私たちにとってはたいした問題じゃなかった
給食の残りの牛乳を飲まない子猫たちに「お腹すいてないんだね」と、すぐに牛乳をあげるのを諦めた
ミャ-ミャ-と鳴き声をあげるばかりの子猫たちを、取手の取れた鍋にボロボロになって捨ててあった防災頭巾の中綿を引きずり出したモノを敷いてその中に入れた
不燃物の山から少し離れた所にある可燃物の山の中からダンボールや運動会の入場門に使われた木材を運び、子猫たちの家を作った
from: ジャニス†さん
2008/04/26 05:33:52
icon
「Re:暗い過去の話をしよう」
薬は病気の時に飲むもの
だけど子供が決して触れてはいけないもの
私たちは先生にその場所が見つからないように、バスの出発時間までには必ず列に戻った
子供ながらにその'危険な場所'で遊ぶのはいけないことだと認識していた
ある日、隠れ家の近くで捨て猫を見つけた
当時は誰かに捨てられた可哀想な猫だと思っていたけど、実際は母猫が産み落としていった猫だったんだろう
まだ目も開いておらず、柔らかい毛に被われたふにゃふにゃの子猫が三匹
私たちは秘密の場所でその猫を飼うことにした
from: ジャニス†さん
2008/04/29 05:54:52
icon
「Re:暗い過去の話をしよう」
えっと、これも「途中で終わらせる気なのか?」と抗議文が送りつけられたので…
中途半端なんて日常茶飯事なんですけど、そんな言い訳が通用する方ではないようですので、ほんの少しづつ進めようかと思います
茶色い小粒、正○丸…
当時、五歳だった私もJちゃんも飲んだことがありませんでした
薬ではなく毒だと思ってたくらいなので飲まされそうになったら泣き喚いて抵抗したかもしれません
5日目あたりから子猫たちは空腹に耐えられなくなったのか、飲み方を覚えたのか、指先につけた牛乳を口元までもっていくと少しだけ舐めるようになりました
それからは牛乳で溶かしたビスケットなども少しづつでしたが食べていました
だけど私たちには時間がありませんでした
三匹の子猫、全部に一匹づつ食事を与える時間が
まだ指先からしか牛乳を口にしない子猫たち
それもほんの少しづつなので、とても時間がかかりました
バスの時間に遅れると置いてかれたりする心配はありませんでしたが、隠れ家と子猫たちが見つかってしまうことが嫌だったのです
サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。
閉じる
icon拍手者リスト