「Re:夢」

そう言って、元来た道を戻り改札を入り、ちょうど出発間近だった電車に乗ってしまった私

私が乗ると間もなくﾄﾞｱが閉まり、電車が出発した



やっぱりﾏｽﾞかったかな・・・

お嬢はどうしただろう？



ふと見ると、横にお嬢が立っていた


｢あれ？間に合ったの？｣

と訊くと、お嬢は不思議そうな顔をして

｢間に合ったって、何が？｣

と言う


｢いや、なんか自分でもﾋﾞｯｸﾘなんだけどさ、、ﾏﾏ(母上)たちにあんなにｲﾗっとするなんてね・・・ﾏｽﾞかったかなぁ？｣

私の言葉に、お嬢はｷｮﾄﾝとしたまま・・・


｢んーと、いまいち意味がわかんないんだけど。来る前に姉ちゃんたちと何かあったわけ？てかさ、ﾏﾏさっきから黙ったままで何か考え事でもしてんのかと思った｣



ん？え？
何？？？？？？

意味が解らない

何？？


落ち着こうと窓の外を見た

普段から見慣れた景色・・・だけど・・・




次

「Re:夢」

なんだか買い物始める前から凄く嫌〜な雰囲気になってしまった

だからって、お腹がすいてる私とお嬢はﾗﾝﾁもなしで案内したり買い物したりする気なんて更々なくｗ



｢お姉ちゃんたち、食べないなら食べなくていいけどさ、私もﾏﾏもお腹すいたからどっか入るよ｣

お嬢が言った


なんか、本当にﾘｱﾙで夢の中とは思えないようなｾﾘﾌだった

けど、お嬢の言うことが当然なので、現実なら母上と妹が折れるところ・・・なﾊｽﾞなんだけど
2人とも先に買い物するってのを譲る気がないらしい

更に険悪なﾑｰﾄﾞになった



私は既に買い物(案内)する気もご飯を食べる気も失せてしまってた



母上、妹、お嬢のやり取りをﾑｯとしながらも黙って聞いていた私

凄くｲﾗｲﾗしてきて我慢の限界に(たぶん、お腹すいてたからｗ)



｢あーもう面倒臭い。てか、あんな気味悪い人たちに貰ったお菓子、ほんとに食べちゃうとかないわー。私は帰るから勝手に買い物でもしてくれば？じゃあねー！｣




次

「Re:夢」

時刻は午前11時30分


お店が混んでくる前に先にﾗﾝﾁにしようねー

って、電車の中でお嬢と話してたし、実際いつもそうするから、提案したんだ
母上と妹に



｢えーお腹すいてないんだけど｣

と、妹


｢なんで？朝ごはん食べてないって言ってたよね？今のうちにどこか入らないと、ﾗﾝﾁﾀｲﾑいっぱいで入れなくなっちゃうよ！｣

と言ってみた


｢食べてないけどさ。なんかさっき貰ったお菓子食べたら超お腹いっぱいなんだけど。ﾗﾝﾁどころか夕飯もいらないやーってくらい｣

母上もうなずいてる


は？
そんなこと知らんし

私とお嬢は普通にお腹すいてるし、目的地に着いたら当然お昼を食べてから買い物やら何やらをするつもりでいたし・・・

それに、妹と母上は初めて訪れる場所なので、私に｢案内してくれ｣って言ってたくせに・・・




次

「Re:夢」

終点の駅に着き、改札口で母上たちと合流した


｢おかしな人たちだったわねー。前のほう混んでなかった？｣

と、母上が訊くので


｢うん、ｶﾞﾗｶﾞﾗ。てか、私たちとあの人たち以外、誰も乗ってなかったよ、この電車｣

と答え、


｢で、あの人たち、途中で降りたの？｣

先に改札に着いた私たち。

後からあの人たちが来る気配がなかったので、訊いてみた


｢1つ前で降りたよー。で、お菓子食べちゃった｣

と妹。


｢うぁ、まじ食べたの？美味しかった？｣

と、お嬢


｢普通に美味しかったし｣

と、妹



そこから電車を乗り換え、無事、目的地の駅に到着した

着いたんだけど、都内には違いないんだけど、どこの駅だかはわからないまま・・・

わからないんだけど、私とお嬢は何度も行ったことのある場所らしく、母上たちを先導してく




次

「Re:夢」

貰ったお菓子を母上と妹に渡した

私とお嬢は何故か食べる気がしなくて・・・前の男性に気付かれないように自分たちの分まで渡してしまった



次の駅に着いた

何か嫌な予感がした


今度は中年の男性が2人

車内は当然すいているのに、真っ直ぐに私たちの座っているｼｰﾄに近づいてくる


私とお嬢の前に立ち、2人揃って口を開こうとした瞬間、私とお嬢は同時に席を立った

無言のまま・・・


｢私たちさ、先頭車両まで行くから、着いたら改札で待ち合わせしよ｣

母上にそう言って、お嬢と車内を歩いていった


私たちは後ろから2両目の車両にいたので、先頭までは結構長い

そして驚いたことに、先頭車両に着くまでに乗客は私たち4人と席を替わった4人、後から乗ってきた2人の6人しかいなかった




次

「Re:夢」

お嬢の膝に座った女性の返事を待つ間に、私は先ほど母上たちが席を替わった隣の男性を見た

2人とも何故かﾆｺﾆｺ笑いながら、お嬢と女性のやり取りを眺めてる



｢もしかして、お知り合いですか？｣と、男性に訊いてみた

すると、2人ともﾆｺﾆｺしながら頷いた



｢だったらさ、先にそう言えばいいじゃん！いや、言われてもおかしな話だけどさ。他の席いっぱいあいてんのに！もう、席変わるから早くどいてくんないかな？｣と、お嬢


私とお嬢が席を立つと、隣の男性2人が口を揃えて｢どうもありがとうございます｣と言いながら
ｶﾊﾞﾝの中から何かを取り出し、私とお嬢に手渡した

｢お母様と妹さんにも差し上げて下さい｣と言いながら・・・


あら？
なんで母上と妹ってわかったの？

似てるから？
似てるかなぁ？

と思いつつ、席を移動



手渡されたのは、お菓子だった

大きめのﾋﾞｽｹｯﾄみたいな物で、透明の包装がされてたけど、間にｸﾘｰﾑやﾄﾞﾗｲﾌﾙｰﾂがｻﾝﾄﾞされてる




次

「Re:夢」

終点まで、あと5駅



また次の駅で、2人が電車に乗ってきた

今度は初老の女性が2人


同じく、車内の見える範囲には私たちしかいないってくらい空いてるのに、私とお嬢の前に立った


なんかおかしくない？

普段なら絶対に席譲るけどさ・・・前の駅の男性といえ、今回の女性といえ、わざとらしすぎでしょ


そんなことあるわけないけど・・・

もしかしてﾄﾞｯｷﾘ的な？

なんて思ってしまった私は、席を譲らずに寝たふりしてみた

お嬢も私の真似して寝たふりを


だってさ、本当に座りたいなら隣のｼｰﾄには誰もいないわけだし、向かいの母上の横だってあいてるし

確認したけど、私が座ってるのは優先席でもないし



そしたらなんと、女性のうち1人が私の膝の上に腰を下ろした

まさかの出来事に呆然として何も言えないでいると、今度はもう1人の女性がお嬢の膝に・・・

お嬢もかなり驚いて、けど怒ってもいるようで｢隣のｼｰﾄもその隣も空いてますよ？人の膝に座るってなんですか？気持ち悪いんですけど！｣と



次