「Re:モーニングコール」

何気ない会話の中で、私がとても興味のある分野で少しだけ深い知識をひけらかしたことろでTが言った


｢〇〇ちゃん頭がいいから好き｣


｢頭がいいとか関係ないよ。興味があるだけ｣


｢でもやっぱり頭いいんだよ。だから好きなんだ。俺は頭がいい女の子が好きなんだよ｣


｢そうなの？違うでしょ。あなたの奥さん、馬鹿だもん。馬鹿な女が可愛くて結婚までしちゃったじゃない｣


あはは、禁句だよね



｢第一ね、頭がいいからとか髪の毛が綺麗だとか胸が大きいからとか料理が上手だからとか、それって誰と比べて言ってんの？声が好きとか髪型が似合うとか、そーゆうなら解るよ。けどあなたが言うのは全部誰かと比較して出てくる言葉じゃない？しかも全部あなたの奥さんと逆のことじゃない？あなたにそんなつもりはないのかもしれないけど、そーゆうのは2人を馬鹿にしてるんだと思う｣



そんなこと言われたら、大抵の男は逆切れするか呆れるか黙ったままかなのかな

Tは逆切れはしなかったけど｢喧嘩売ってんの？｣と

｢喧嘩なんて売ってるつもりないけど、あなたがそう思うならそうなんじゃない？｣

｢いや、思わない。まだ去年のこと怒ってるんだよね｣


図星。


｢去年のことって？そんなのもう覚えてないし、どうでもいい｣

｢どうでもよくないよ｣



｢もう嫌なの。こんな関係｣

・・・・・





そうして週末の夜が終わり、何事もなかったように一週間の始まり。



リカコは悪いのはTじゃなくて完全に私だと言う


いや、解ってるって
誰がどうみても私が悪いってことくらいｗ


嫌なとこがいっぱいのTがただ優しいだけってことも

「Re:モーニングコール」

単に忙しくて時間が取れなかっただけ

それを証明するように、ある程度、仕事の目処が立ったらしいTは頻繁に電話もしてきたし、メールでの連絡も欠かさなかった


別れ際に｢次はいつ会える｣って聞くのは私じゃなくてTのほう

完全に立場が逆転した



そこで納得してしまえばいいんだけど、私には1人であーじゃないこーじゃないと考える時間が長すぎた



普通の会話をしてるはずなのに、私の言葉にはいつも以上に刺があったようだ

自分でも気付いてたけどね



で、それはTを怒らせるまで延々と続くわけ。


自分に自信があるわけでもないし、特にTに対しては何のメリットもないことを自覚しているから
もうこれで終わってもいいとゆー覚悟あってのことだったけど・・・

「Re:モーニングコール」

だって、私だったら嫌になるもの


仕事でも家庭でもTは責任のある立場にいて、私と一緒にいることに少しでもメリットがあるとしたら
それは私に対しては少しくらい無責任でいられることだから

いざとなったら逃げちゃえばいいや、って


Tはそんなことしないって解ってるくせに、平気でこんなことが言える私は本当に嫌な女だ




そんな状態のまま最後の1ヶ月が終わり、クリスマスも正月も、正月休みが終わってからも相変わらず忙しかったTと会ったのは1月も終わりに近づいた頃だった



久しぶりに会うのに(しかも外で)喧嘩はしたくないし、知り合いの店である手前、ニコニコしてるしかなかった。

本題には触れないまま、2人きりで話すこともなく店で別れた。



それからは週に一度か二度のペースで会ってはいたけど、問題は有矢無矢なまま・・・気持ちもモヤモヤなまま

そんな状態では一緒にいても苦しくなるだけだった

なので、出来るだけ無駄な触れ合いも避けるようになってくる


求められることさえ社交辞令のように思えてくる

「Re:モーニングコール」

この数ヶ月、Tとのことにはなるべく触れないように此処にいた。

たまーに登場するのは自分の中でTとの時間を触りだけでも残しておかないと時間の流れがあやふやになってしまいそうな時だけ


本当はとても忘れっぽい私が、幼い頃の出来事や昔付き合っていた相手のこと、出掛けた場所の思い出や
今でも大好きな晴のことをいつまでも覚えていられるのは、こうして書き残しているから

忘れてしまうけど忘れたくないから残しておく



Tとは去年の終わり頃から少しギクシャクしてた。

それはTの仕事が忙しいからで、毎年恒例のことのはずなのに、お互いの時間が巧く噛み合わないことを
全部Tのせいにしては1人苛々と怒りをぶつけてた。


そのうち解らなくなってくる

会えないのは仕事のせいなのに、それを理解しているはずの私が一方的にTに当たり散らしてるんだから
初めは仕事のせいだったかもしれないけど、もしかしたら今は違うのかもしれない

だって私は見当違いの我が儘を言い続けているわけだし、我が儘な女は度が過ぎると可愛くもなんともなく
ただ鬱陶しいだけの存在だって自分でもよく解っているから。



嫌なら嫌でいいのよ
ハッキリしないのが気に入らないだけ


自分勝手に深みに嵌まっていく私に、好きだとか嫌いだとかそんなレベルじゃなく、それでも本当の理由をストレートに告げたら怒り狂うであろう私を目の前にTは何も言えずに黙り混む

その沈黙が更に苛々させるんだけど

それはTのせいじゃない

「Re:モーニングコール」

リカコと恋愛についてたくさん話をした

リカコはたぶん不倫は否定派よりの考えを持っている

でも一度も私を責めたことがない


奴が・・・リカコが奴のことを｢奴｣なんて言うのは奴がちょっと可哀想とゆーか意地悪な男に聞こえるから、せめてイニシャルにしろと言うので、今日から奴は｢T｣ということで・・・


けど、なんかね
どうなのよ？

イニシャルなんかで呼んじゃうと、たくさんいる知人の中の1人のような気がして嫌なんだけど


そう言ったら今度は｢それじゃ偽名を使えよ｣って・・・

そもそも私が実名で此処にいるわけじゃないんだから、奴を偽名にする必要ないんじゃないの？

あーでもダメだね、本名は

私が誰なのか、凡その見当がついてる人になら奴の名前を知ったら確定になっちゃうもんね・・・


どんな呼び方をしても、なんだかしっくりこないんだよね

｢彼氏｣なんて呼んじゃったら、一般的な恋愛とゆーか堂々と｢これが私の彼氏です｣と紹介出来る恋愛をしている人たちに申し訳なくなってしまう。



なんてね。

イニシャルってさ、携帯から書き込む時に変換するのが面倒なの

しかも新しく変えたばかりの携帯は普通に文字を打つのにも不慣れだから。


また時々忘れちゃって(または面倒くさくて)｢T｣が｢奴｣に戻ることがあるかもしれないけど、とりあえず奴は今日からTと称されるのです。


誰に説明することでもないんだけどね

否定的であれ肯定的であれ、何度もここを見てくれている人は何かしらの興味を持ってくれているんだろうから、一応ね。

「Re:モーニングコール」

リカコのお陰でスッカリ目が覚めたので、毎週日曜日、楽しみにしている番組を見逃さずにすんだ



｢男子ごはん｣

海老と菜の花の炒飯と
厚揚げと豚バラの中華煮



炒飯は｢ぱらっぱら炒飯｣だったかな？


料理番組ではあるけど、料理の内容は材料と所々のポイントをチェックするくらいで、楽しみなのはトーク

いざとなったら(実際にその料理を作ろうとする時には)料理本も出ているし、ネットでもチェックすることが出来る


ケンタロウさんと太一君、全くタイプの違う2人の男がどちらもしっかり私のタイプで見ていて気持ちいい

あ、今の年齢でどーのこーの言うわけじゃなく、太一君が弟だったら溺愛してしまいそう！とか
ケンタロウさんが隣に住んでたら毎週パーティーだなー！とか(相手が迷惑するなんてことは置いといて)
そんな妄想を楽しめるくらい2人は魅力的



番組のほとんどを見逃してしまったとしても、最後に食事する時の｢うま〜い♪｣ってゆー太一君の声と
それを聞いて嬉しそうにニコニコしてるケンタロウさんの笑顔が見れたら満足





今日はたまたま全ての材料が揃っていたので(実家から帰ってきた小僧が菜の花とワンタンをもらってきた)
番組で見た海老と菜の花の炒飯と厚揚げ豚バラの煮物に、父上お手製のワンタンを使ったワンタンスープを作り
デザートに、食べるの忘れてた苺で作ったセミフレッド


リカコを呼んで一緒にお家ランチにした。


リカコはお嬢の合格祝いを用意してくれていて、久しぶりの一緒のランチをとても喜んでくれた☆