夜勤の入りで　水にひたして　もどしておいた金時豆。

よっしゃ　おいしく　つくりますか。　なにせ　煮豆ときたら

どーんと　構えてなけりゃ　できない。　時間がかかるし　あせるきもちがあると

ふっくらとは　しあがらない。こんなことを　22歳から32歳の若いみーすけは

毎年冬になるとあたりまえのように　魔族のため自分のために　こさえていたのだ。

売っている金時豆はみーすけには　あまったるくてたべれたもんじゃない。

おいしい金時まめがたべたいな。。　しかし　最近のみーすけは　忙しくて

こんな簡単なこともやらずにいた。

若かりし日の自分にまけてなるものか。


まずは　沸騰させ、煮汁を半分すてる。あくをとりのぞく。そんであとは、

中火でとろとろと煮込む。豆がひたひたにつかるぐらいの水で、途中でなんども

水を継ぎ足す。あくをていねいに　すくい。かたずけをしながらというのがいちばんいい。

なんどか繰り返すと　ひとつぶ食べてみる。まだがしがしする。

コツは　豆がほんとうに柔らかくなるまでは　辛抱強く　作業を繰り返す、

そんで　その画像を娘たちがみるだろう　チャットルームに投稿してみる。

すぐに　長女からたべたーーい。おいしそう。

ん？なに？天国からもと旦那の声もする。　そういえば　これ、好きだったな。

（まーだ、味がついてないよ。というのに。小皿にちょっともっていって

ビールのあてにと　醤油つけてたべてたっけ。

ん？こんどは　天国の母の声だ。　ひさしぶりに　つくってるんや。

そうそう　まだだよ。芯が亡くなってから。味付けるんやで。

こんなもんか？　砂糖を入れてみる。うーん　もうひとつ味がきまらん。

あ、そうや。　塩塩　

もぐもぐ、、おお　おいしいかも　不思議やな、塩入れると　甘くなる。

そんでと　仕上げに　母直伝の　超湯をちょこっとたらす。

（味ってのはな。覚めるときにしみこむんやで、）

おいしくなーーれ。　どれ、明日おいしくなってるのを楽しみに。

みーすけも　小皿にとって、ビールのつまみに。　


これ　この味だよ。　BGMに　竹内まりあの歌がながれてる。

今宵は　煮豆食べながら、　天国にいる母や元夫。はては　過去の自分。

長女や次女のちっこいころ。思いをはせる。