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  • from: ☆(⌒杰⌒) AMA-G'ですさん

    2010年08月27日 18時12分22秒

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    森の木陰でアコギ弾き、鳥も獣も寄っといで(^。^)



    樹林に響けアコギの音魂。開放感たっぷりの天然スタジオ
    ★(⌒杰⌒) AMA-G'です

    ここ最近はまったくやっていない、
    森の中でのアコギ弾き…。

    学生時代、大学の裏手には広大な原生林が広がっていました。
    学生寮で暮らしていたワシは、週末になるとギターケースを片手に
    食糧を詰めたデイパックを背負っては、
    よくこの森に出かけたものでした。

    森の中には何本もの遊歩道が造られていて、
    その日の気分でコースを選ぶと、無舗装の土道をとぼとぼと歩いてゆき、
    ある時はあずまやのある沢のほとりや
    人工の大きな貯水池近くの草原でギターを弾きました。

    当時、所有のアコギは70年代製の「 YAMAHA FG-240 」が一本切り。
    弾きやすく音も良いこのギターは、森の中で弾くにはしっくりと似合っていました。
    選ぶ遊歩道のコースによっては、行き過ぎる人もなく、
    見上げれば樹々の開けた青空が見えたし、まだ陽が高くない午前中なら、
    名前の分からない野鳥の声が、
    アコギとセッションをしてくれたものです。

    野外でアコギを弾いたことのある人ならわかるでしょうが、
    外で聴くアコギの生音というのは、音響効果の良い室内とはまったく違う
    外気との、なんていうか、溶け込み方が一種独特な感じがするものです。

    格好良くいえばオープンエア、とかいうんでしょうか、
    森などでアコギを弾いていると、つくづく、アコギという楽器は
    野外で弾くのが一番似合っていると、思わずにはいられません。

    空に抜けた音というものは、
    森なんかでは、意外と遠くの方まで届くもので、
    もちろん姿も形も見えない人の話し声が、森の樹々を伝わってくるのか
    空に反響するのか、とても近くに聞こえたりするのです。

    今度、
    休みが晴れならば、車にアコギを積んで近くの森に出かけてみよう。
    紅葉にはまだ少し早いけれど、森はこの夏の暑さなど忘れたかのように
    涼しげな風とフィトンチッドを、ワシにくれることだろう。

    森にやっくる人はさまざまです。
    都市近郊の原生林なので、
    散策やハイキング好きの中高年がまず目につきます。
    手弁当で気軽な森の散策というのは、現役を引退した老夫婦にはお似合いの趣味。

    車でやってきて、身軽な服と足回りで、
    子供を遊ばせながらそぞろ歩く若い夫婦。
    サンダル履きで虫にも無防備な若い母親の服装。
    自分では採れないくせに一丁前に網と虫かごを装備した子供と
    だらけた休みを目論んでいたのに、自然散策同行を強要された父親。

    近郊の短大や農業高校の運動部が走り込みに来ることも。
    夏なのにしっかりと長袖、首には手ぬぐい、帽子を被り軍手を履いて、
    リュックを背負い、手には植物図鑑を携えた趣味のフィールドワーカーもいます。

    ボランティアのつもりなのか、
    ヒゲ面の若者が、火ばさみ片手に、黒いゴミ袋さげて、
    草原や溝に捨てられた、空き缶やビニールゴミを拾っているのにも出くわしました。

    本当はいけないけれど、遊歩道をすこし逸れて森の中に入り、
    大風で倒れた木に座り、そこでアコギを弾いていると、
    ソローの「森の生活」みたいな気持ちになって、いま俺は
    John Denverのレコードジャケットと同じシチュエーションでアコギを弾いている、などと夢想して、うっとりしたものです。

    行ったこともないアメリカという国は
    どんなに辺鄙など田舎や、荒れた草原や名もない谷間であっても
    そこで誰かがアコギを弾いていると、文句なく〝絵になる〟のはなぜか?

    どんなに自分がJohn Denverを気取ってみても
    彼のレコードジャケットのような格好良さにはなりっこないのが、不思議で悲しい。

    ふと、そこにとおりかかった自分と同じくらいの年格好の男。
    細身でいかにも神経質で偏屈そうな雰囲気を漂わせている。
    融通の利かない常識人を絵に描いたようで、
    森中でギターを弾くワシに対して
    「鳥がうるさがっているから弾くのをやめたほうがいい」
    咎めるような口調で注意をした。

    教師然とした正義感ぶったタイプの人間が嫌いなワシは
    「そんなこと鳥に聞いてみなけりゃわからないだろうが」と反論した。
    すると、
    むっとしたような表情になりつつも、
    切り返しの言葉もなく、黙って立ち去っていったあの時の
    エセナチュラリストめ。

    「人間が自然に生かされている」…何んて思い上がった思想だろう。
    生かされているも何もない。森に入れば人も鳥も狐もカブトムシもアザミもただの同じ生物に過ぎない。

    生きものだから声も出せば屁もするし糞尿もする。
    鳥は鳴き叫び、リスは幹をかじり、クマゲラは樹をつつく。
    人だからアコギを使いフィドルを弾き、フラマンを掻き鳴らす。

    森の中にいれば自然にそういう気持ちになるタイプの人間がいる、
    というだけのこと。
    やかましければ鳥は逃げ、心地良ければ寄ってもこよう、
    というだけのことだ。

    森に行くときの食糧はたいてい、
    水筒に入れた安物ワインとクラッカーだったり
    学生寮の食堂の残り飯で握ったお握りと缶ビールだったり
    板チョコと缶コーヒーだけの時もある。

    広大な森林内に張り巡らされるように延びる遊歩道のルートは
    おおよそ頭の中に入っているが、
    時折、見覚えのない場所に出てしまい、方向を見失うこともあった。

    平地の原始林とはいえ、
    場所によっては野犬の縄張りがあり、鹿などの成獣が出没する。
    日暮れれば気温も下がり、コンパスも野営の道具も持たない
    ほろ酔いのアコギ弾きが遭難する可能性もなくはない。

    見たことのある大きな樹の形や草の生え方とか岩の形など、
    記憶の中から一致いるものを必死に抜き出して、出口に向かう進路を探すしかありません。

    総面積2千haのこの原始の公園には五つの出入り口があり、
    迷った末に、ようやっとたどり着いたのは、
    その出入り口の一つ、自然観察用のログハウスが
    建てられているところでした。

    いかにもというような木造の観察小屋を見つけた時には
    不安だった心が解放されると同時に、相変わらずの方向音痴な自分に
    あきれたものです。

    昔のYAMAHAのハードケースはけっこう丈夫な造りで
    それだけにその重さを抱えての森林内彷徨は
    いやでも疲労感を増しました。

    人の気配もない山小屋に入ると、壁にはこの公園内に生息する
    動植物の写真パネルが掲げられていました。
    この森を根城に活動しているアマチュアカメラマンの名前が書かれていました。

    香しい木の香りと言うよりは、湿った土の匂いがするその小屋で
    デイパックから取り出したワインをぐびり、しゃれたつもりで持ってきた
    6Pチーズのアルミをむいて、ようやく人心地ついたワシ。

    YAMAHAを取り出して、中川イサトの初期のインストを弾いた。
    けだるいカラダ、なんだかほぐれてゆくようで、少し気分が良くなるような。アコギは、弾く場所によって、音の感じ方がまったく違うものになる。

    人間て、気分屋だし、あきっぽいから、同じことをする時に
    何かいつもと違う場面の設定をするだけで
    凄く新鮮な心持ちになりますよね。

    森に通っていた頃は、
    学生寮の自分たちの部屋や、利用時間外の風呂場の更衣室や、
    屋上なんかでアコギを弾いていましたね。

    S&Gの「アンジー」を上手く弾きこなす東北からきた後輩や
    ヤクザちっくな風貌と相まって雰囲気たっぷりなブルースを聞かせる
    大阪出身の医学生。

    のちに、
    ホームステイ先の外国で不慮の事故に遭い、
    指を失うことになる、五弦Banjoの名手だった同級生。

    学生寮には沢山の音楽好きがいた。

    どこの大学にもある音楽系の同好会やサークル。
    古い学生会館のステージで素晴らしいアンサンブルを披露していた
    グループに嫉妬しながら、照明の乏しい観客席でワシは
    今度の週末にも、アコギを持って森に行くことばかり考えていた。

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