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  • from: 22世紀さん

    2010年10月24日 21時05分23秒

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    池田大作「権力者」の構造

     戸田城聖の破産と教団指導業への転進

     昭和25(1950)年6月、東京建設信用組合の預金払い戻しは急増し、7月に入ると取りつけまがいの騒ぎさえ起こった。焦げつき債権の回収も、優良組合との合併策も思うにまかせず、払い戻し請求には、なりふりかまわぬ居留守と平謝りの一手しかなかった。
     同組合の被害者のひとりは、のちに戸田をインチキと激しく非難している。
    「昭和24年、当時戸田が西神田にある『東京建設信用組合』なるものの経営をしているとき、知人を通し゛て手形の割引きを依頼されました。まだ保全経済会などの事件も起きぬ前で、インフレの名残りで、高い利率にもそれほど不審も抱かず、手形の割引きを、4、5回したものです。
     また、その信用組合は定期預金なるものを作り、3ヵ月、6ヵ月満期の定期にも加入させられました。そのときすでに多額の貸付金コゲツキのため、四苦八苦の最中だとは、定期の満期の迫ったとき知ったのです。
     ようやく捕まえた戸田と会ったとき、神田の事務所の裏の小料理屋で、度の強い眼鏡をタタミにすりつけて平身低頭『生きている限り、必ずこの戸田が誓って全額返済します』といった姿を今も忘れません。しかし、その後、姿をくらまし、2年後に彼の負債(1,500万円とか)は三割返済の決議により清算されました」(『週刊朝日』昭和31年9月2日号、読者投書)
     結局、事業家・戸田の論理は宗教家・戸田の論理とゴッチャになって、無い袖は振れぬだった。戸田のなめた苦しみは、他人に対して無責任で酷薄な言い抜けや一時しのぎを許す権利を授けたわけである。
     8月、東京建設信用組合は大蔵省から営業停止を命ぜられ、ここに戸田は事業家として致命的に敗れて組合法違反を問われ、また取り立てにからむ刑事事件をひきおこし、債権者からは告訴されることになった。そのため彼は創価学会理事長の職を辞任し、後任を矢島周平に譲って夏季講習会にも出られず、一時は城聖の名を城正と変え(佐木、小口『創価学会』)、雲がくれした。戸田の破産は多くの会員を動揺させ、彼に出資していた一部会員を離反させたばかりか、中には数十世帯を集めて分派を結成するものさえ現れてきた。
     戸田は刑事事件としていつ起訴されるかも知れない身であり、彼の妻は生活のために働きはじめ、池田は牧口門下の清算事務局長の下で、毎日を希望のない善後策に走りまわり、疲労しきっていた。
     池田はのちに当時をこう回想している。
    「昭和25年はすごかった。戸田先生の奥さんは薬売りをしようとする。借金取りは連日連夜悪口を云った。(池田先生が)私一人で頑張った。横領罪で訴えられそうになった。25年の12月には、もう駄目かも知れぬと思った」
    「記者が玉の井で遊んだ時、その売娼婦が信用組合に金を出して損をした話をした。26万だまされたと話したので、それをネタにして乗り込んできた。一応、私が会って、その晩玉の井へ行った。遊郭へ行って、その女に会って話をした。あなたは若いのに真心がある、あなたが来てくれたのだから、その話はもうしないと約束してくれた」(いずれも『社長会記録』昭和43年4月29日)
     東京建設信用組合は春をひさぐしか生きられない底辺庶民の金さえ、結果的にはだましとったのだから、その瓦解が明らかになったとき、出資者たちの怒りが戸田や社員に集中したのは当然である。若い22歳の池田ならずとも、修羅場と感じる。


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