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  • from: 22世紀さん

    2010年07月20日 19時36分32秒

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    戸田城聖の遺産の行方

     戸田の突然の死は、会の内外を問わず、一般に創価学会の迎えた最大の危機と受け取られた。
     それはまず、戸田の死自体が彼の唱えていた功徳を裏切って、会員に教義への疑惑を抱かせ、不安や動揺を与えると考えられた。また戸田は後継者を指名する余裕を持たなかったから、会幹部間に第三代会長をめぐっての内紛が生じ、それがひいては同会の空中分解や分裂をもたらすと取り沙汰された。
     池田自身、当時をこう回想している。
    「(池田が)参謀室長当時、戸田先生が一年間病気の時期があった。暗い時代でもあった。小泉(隆)さんが理事長。ギア(が)はまらなかった。どうしようもなかった。空中分解寸前だった。戸田先生が亡くなられたとき、小泉理事長はいても、一寸先は闇で、わからなかったといっていた」(昭和50年9月28日、箱根研修所で、内部文書)
     また空中分解には至らないまでも、それまでの爆発的な発展を負っていた戸田の卓越した指導力や組織力、人柄の魅力が失われて、以後の創価学会の停滞と困難が予想された。
     由比宏道『毒鼓の縁』によれば遺産問題は次のように処理されたという。
     戸田の妻・幾子は、戸田の死まもない4月23日、取引銀行である三菱銀行四谷支店長に、戸田名義の財産がどれだけ残っているか、調査を依頼した。彼女は、印税と株を動かした儲けが4億円ばかりあると、戸田から聞き、また戸田個人で費消する金は、幾子の父・松尾清一名義で三菱銀行番町支店に預けられ、その中に自宅の新築資金2000万円も含まれている等のことを知っていた。なお当時、創価学会は出版収入などで、その月収は2億円にのぼると噂されていた。
     が、調査の結果、戸田の死の翌日4月3日、戸田の妾で大蔵商事専務理事でもある森重紀美子により、名義が書き替えられていることが判明した。そのため仕方なく幾子は、戸田の生前、会長印を自由にしていた秘書部長・和泉美代(大蔵商事社長で創価学会小岩支部長・和泉覚の妻)を通じて、戸田の財産譲渡を会幹部に交渉した。この幹部に、大蔵商事の取締役だった池田も含まれていたかもしれない。
     池田は会長就任後、大蔵商事を離れ、同社社長は森重紀美子、のちその甥の森重章とかわった。が、同社は昭和40年ごろ脱税容疑で国税局の手入れを受けて経営が大きく傾き、同年12月、社名を大道商事と変更、事務所を東京・赤坂のホテル・ニュージャパン内に移した。昭和44年5月、第一商事を併せたが、同社の放漫経営は続き昭和47年ごろ創価学会員からの金約3億円が焦げ付いたほか数億円の負債を負うまでになった。
     また戸田の死後、池田の指示で戸田家から彼の遺品が運び出されたことは事実のようである。昭和28年7月に入信、当時東京蒲田支部の男子部部隊長だった某は次のように語っている。
    「戸田会長が死んで1ヶ月も経たないうち、トラック2台、運転手を入れて6人が戸田家に行った。私はその一人であり、私のほか、竜年光、大田区議をしていた園部恭平などがいた。戸田家にはすでに白木薫次と池田が詰めており、十文字に麻縄をかけられた茶箱をトラックに積み込んだ。あまり積み上げるなということで、二段に重ねただけである。
     当時のトラックは小さく、荷台は二畳半から三畳のスペースしかなかった。荷物には二人がかりでやっと持ち上げられるほどに重いものや、軽いもの、あるいは外見から刀剣と分かるものなどがあった。幾子夫人は険しい顔をして応対が悪かった。
     私たちはそれを本部に運んだが、乗用車で追いついた白木と池田の指示で裏口近くの物置きに収めた」

     かくして、戸田城聖の財産は、池田創価学会の手により、池田創価学会に運ばれてしまったのです。

    参考文献:溝口敦著「池田大作権力者の構造」

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