＜函館編　前編＞
どこかで１回書いたかもしれないけれど、今回はスペシャルで詳細に書きます。
道内にお住まいの方は是非一度訪れてみてください。
ただ、「約束」は守らないと･･･


＜出没地：北海道函館＞

学生の３年　夏休みも終わったある日の午後
部室でのんびりしていると、１年坊のＫ原が真っ青な顔して入ってきた。

『Ｉ本さん！　これ見てくださいよ！！』
とＤＰＥからあがって来た写真をおいらに手渡す。

『おお！もう現像したのか！！　俺のはもう少しで現像あがるよ！』
『そうじゃなくて、これですよ！！　これ！！』
Ｋ原の指差す写真は「函館の一風変わった墓」

『この光の玉って　人魂ですかね？』
心配そうにおいらの顔を覗き込むが、おいらも言葉に詰まる･･･

『取りあえず、俺たちの撮った写真を見てから検証しよう！！』
と、他の１年坊に現像の「預かり証」と金を渡し取りに行かせる。


その間に心の中にこだまするのは函館のタクシーの運ちゃんの言葉･･･

『そのお墓に書いてあることを人に言うと、言った人が不幸になるんだよ･･･』


事の始まりは「夏旅行」（おいらは旅行研究会だった）
１〜３年生が４班に分かれ、道内の好きな場所を１週間ちょい「旅」した。
「打ち上げの地」函館に到着したおいらは「自由行動の日」でもあるので、同期のＳ藤と行動を供にする事に･･･

『函館って修道院か五稜郭しか無いじゃん･･･　朝市は明日行けば良いし、どうする？　Ｓ藤だって修道院でバター飴なんか買いたくないだろ？？』
『そうだな〜　変わった所に行きたいね･･･　Ｉ本決めてよ･･･（Ｓ藤は優柔不断）』
『じゃぁさ、オートン（タクシー）の運ちゃんに裏名所でも聞くか！！』
オートンを捕まえ、乗り込む･･･

『あの、僕達は東京（おいらは埼玉だけど･･･）から来たんですけれど、函館って修道院と五稜郭は有名ですけれど、他にないですかね？　どちらかと言えば裏名所みたいな所を探しているのですけれど･･･』

暫し考え込む運ちゃん

『あぁ、地蔵の数が昼と夜で変わる場所と、･････（覚えていない）と、変わったお墓があるよ！！』
『え？　それって詳しく教えてくれます？？』
『昼間はちゃんと数があるのに、夜通ると御地蔵様が１体減っている場所があるんだよ･･･』
『変わったお墓の方は？』
『あれは外人墓地の先にあるんだけど、行けば一目でわかるよ･･･　○色なんだよ･･･　ただ、その墓に書いてある事を他人の話しちゃいけないって･･･　その人が不幸になるからさ･･･』

おいらの目が爛々と輝き、Ｓ藤に同意を求める
『Ｓ藤、墓でいいよな？？　墓！　これしかないだろう？？』
『（ちょっと不安そうに）いいよ･･･　別に行きたい所もないし･･･』
『んじゃ、運転手さん墓お願いします！！』

どうもＳ藤は嫌な予感があったそうだが、おいらに押し切られ車は外人墓地へと進む･･･

とりあえず外人墓地に到着し、運ちゃんにお別れの挨拶をする。
『くれぐれも墓に書いてあることは言わない様にね！』
と念を押されたが、まぁ、見てのお楽しみだな･･･

まずは外人墓地の中に入り函館湾を望む･･･
『う〜ん、良い天気！！　こんな一等地に墓地を構える外人って何なんだ？　横浜もそうだしな〜　Ｓ藤は横浜の外人墓地に行ったことある？？』
『無いよ･･･（Ｓ藤は口数も少ない･･･）』
『Ｉ本さぁ〜　墓地や墓を観光してもしょうがないから、さっさと例の墓見て烏賊そうめん食いに行こうぜ･･･』

確かに外人の墓を見てもしょうがないな･･･
とＳ藤と例の墓があると聞いた方角へ歩いていく･･･
と一つの案内板がある事に気がついた。

『あれ？　裏名所と言う割りに案内板があるじゃん･･･』
『うん･･･　不幸になるって運ちゃん言ってたけど、不幸の案内板ってのはないだろ？』

ちょいと疑問に思ったが、案内板の通り歩いていく。

『Ｉ本〜ぉ、何か日が陰ってきたし、気分悪くない？？』
Ｓ藤が行くのが嫌そうに言うが無視して歩く。
確かにさっきの好天が嘘の様に、いや、気分を盛り上げる演出を天気もしてくれているんだ･･･

が、正面に古ぼけた館が見えた･･･
『おい、何かがこっちを見てるよ！！』
『あぁ？　え〜と何々？？　古い赤痢の隔離病棟だよ！！　猫でもいるんじゃないの？』
確かに天気も手伝ってかその病棟は不気味だ･･･　本当はおいらも少しビビっていたのだが、好奇心が優先！！
Ｓ藤は完全にビビリモード･･･

突然、多数の烏が頭上で鳴く･･･
『おい、Ｉ本〜ぉ　帰ろうよ〜ぉ』
『んじゃ、俺一人で行くから、Ｓ藤はここで待ってれば？』
『そんな事言うなよ〜ぉ　行くよ〜ぉ』

古い病棟を右に見ながら歩いて行くと、大きな樹が見えた･･･
『あの案内板にはすぐって書いてあったけど、○色の墓なんて見えないジャン！』
などと話していると、樹の陰に･･･

ありました･･･
画像は↓でご覧になって下さい。
http://www.shinrei.com/hakodate/hakored2.html

二人とも絶句･･･　暫し呆然･･･

気を取り直して、墓の説明を読む。
『ふむふむ･･･　そう言う事か･･･　しかしＳ藤さぁ、この内容と墓に記してある事を他人に言って呪われるのか？？』
『わかんないな･･･　早く行こうよ･･･』
『んじゃ、記念写真を撮って帰るか〜　今晩ヒロシにも教えてあげよう！』

と交互に記念撮影。
宴会が待つ宿へと帰った。

　　　　　　　　　　　　　　　つづく