「Re:【取手駅無差別襲撃】」
格闘の末、乗客が男を取り押さえ　「助けてー」満員のバスに響く悲鳴
2010.12.17 11:32

このニュースのトピックス：殺人・殺人未遂

茨城県取手市のＪＲ取手駅前で発生した無差別襲撃事件。通学時間帯のバスに乗り込んできた男は突然、車内にいた女子高校生らを刃物で刺したり殴ったりしたが、通勤・通学客らと格闘の末、あっけなく取り押さえられた。

　ＪＲ取手駅西口のバスロータリー。事件当時、バスロータリーには江戸川学園行きの路線バス２台が停車していた。斎藤勇太容疑者（２７）＝殺人未遂容疑で現行犯逮捕＝は、そのうち１台のバスの後部ドアから乗り込んできた。午前７時４０分ごろのことだ。

　「キャー。助けてー」

　悲鳴があがったのはその直後のことだった。男性運転手（４２）は「バックミラーで見たら、男と男子生徒が格闘していた。自分も襲われると思った。怖い思いをした。許せない。捕まってよかった」と恐怖の瞬間を語った。

　斎藤容疑者は同校の１６歳の女子高校生らを次々と刺したり殴ったりした。満員の車内はパニック状態に陥り、乗客は一斉にバスの外に逃げ出した。斎藤容疑者はさらに、後方に停車していたもう１台のバスに移動した。

　「前のドアから包丁を持った男が乗ってきた。乗客の男性２人が『何をやっているんだ』と言って男を押さえ込んだ。男は全く抵抗していなかった」

　こう語る男性運転手（４４）も、点検用ハンマーで応戦したという。

斎藤容疑者を取り押さえた一人、タクシー運転手（６７）は事件後、周囲に「バスの運転手がクラクションを鳴らしたので、裸足で駆け出してバスに飛び込んだら、男子生徒と男がもみ合っていたので、男を蹴飛ばし、取り押さえた。バスの中は悲鳴が飛び交っていた。男は刃物を持っていたが、小柄でひ弱そうだったので、取り押さえられた」などと話していたという。

　バスを待っていた主婦（６７）は「脇腹を押さえた女子生徒が降りてきた。手で顔を押さえたら顔が血で真っ赤になっていた。『殺人だー』と声があがっていた。その後男を見たが『ウッー』と言っていた」と話した。

　駅ビルに入る洋菓子店の女性従業員（４２）によると、人だかりの中、女子高生が大きな布で顔を押さえてうずくまり、救急隊員がのぞき込んでいたという。近くには右目を押さえて倒れている女子高生もいた。

　現場に駆けつけた江戸川学園取手中・高等学校の武居和彦生徒指導部長（５４）は「憤りを感じる。許せない。登下校時のことは学校にも責任の一端はあるので、責任を感じる」と話していた。