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弥生の河に言の葉が流れる

弥生の河に言の葉が流れる>掲示板

公開 メンバー数:7人

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from: yumiさん

2011年11月23日 12時32分31秒

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お誕生日リクエスト

明さんに贈ります。《名(?)場面童話パロディ》演目1.金の斧、銀の斧男:昌獅女神:智里(秘密ゲスト有り)2.桃太郎桃太郎:勇真犬:美波猿:涼太雉:智里

明さんに贈ります。《名(?)場面童話パロディ》

演目
1.金の斧、銀の斧
男:昌獅
女神:智里
(秘密ゲスト有り)

2.桃太郎
桃太郎:勇真
犬:美波
猿:涼太
雉:智里
鬼:昌獅

3.マッチ売りの少女(?)
少女:涼太

4.赤ずきんちゃん
赤ずきん:美波
猟師:涼太
狼:昌獅
おばあさん:友梨

5.眠り姫
姫:智里
王子:勇真
悪い魔女:友梨
良い魔女:美波

6.シンデレラ
シンデレラ:友梨
王子:昌獅
継母:智里
姉(?):美波
姉(?):涼太

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from: yumiさん

2011年11月23日 12時34分28秒

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「お誕生日リクエスト」
1《金の斧、銀の斧》

「……は〜、面倒くさい。」

 顔を顰めている昌獅(まさし)は伐りにくくなった斧を一瞥し、溜息を吐く。

「つか、何で俺がこの話でこの役なんだよ、勇真(ゆうま)とか涼太(りょうた)の方が適任じゃねぇか。」

 一人愚痴る昌獅だが、仕方なさそうに己のとるべき行動をとりる為湖に近寄りながら、この後の展開を期待するのだった。

「さ〜て、頼んだぜ。」

 昌獅は持っていた伐りにくくなった斧を湖にボチャリと落とした。

「……。」

 斧を落とした水面から人影が見え始め、昌獅は期待するのだが――。

「貴方が落としたのは――。」
「ちょっと待てっ!」

 せっかくの台詞の途中に昌獅が割って入り、女神…智里(ちさと)は心底嫌そうな顔をしたのだった。

「何かしら、わたしは忙しいのよ?」
「だから、何でてめぇなんだっ!普通はあいつだろ!」
「……ふんっ、知らないわよ、作者に訊いて頂戴よ。」
「あ〜っ!クソっ、友梨(ゆうり)が出ると聞いたからこうやって面倒臭くてもやっているのに、何でだよっ!」
「ふん、どうでもいいけど、貴方が落としたのは、このメッキの加工がされた全く伐れない斧?それともコケやら何やらが生えた今にも崩れそうなこの斧?」
「……俺が言うのもなんだが、これは「金の斧、銀の斧」の話だよな?」
「ええ、だから、こうして二本の斧があるんじゃない。」
「……。」

 昌獅は絶句する中、智里は苛立ちを露にする。

「さっさと答えて、この二つをさっさと処分したいの。」
「俺はゴミ箱かよっ!」
「ゴミ箱の方がマシよ。」

 いがみ合う二人だが、昌獅はどうにかこの二本の斧を貰わずにすむ方法を考えるが、全く浮かばない。

「早くしなさいよね、まだまだわたしの出番はあるんだから。」
「知るかよっ!」

 さっさとこんな茶番を終わらせたい智里は昌獅に詰め寄った。

「早くしなさいっ!」
「はっ、ゴミ箱になってたまるか。」

 さらにいがみ合う二人にとうとう一人の少女が痺れを切らして、水底からやってきた。

「いい加減にしなさいよっ!」
「お姉ちゃん。」
「友梨っ!」

 友梨の登場に二人はそれぞれの反応を示した。智里は頭が痛むのか額を押さえ、友梨は待ち望んでいた存在に顔いっぱいに喜色を浮かべた。

「そんじゃ、その斧と俺自身の持っていた斧もいらねぇから、これ貰っていく。」
「へっ。」
「あっ!」

 昌獅は言うのが早いか、友梨の手を掴み一目散に逃げていった。

「あの馬鹿……。」

 智里は手に持っていた斧をワナワナと震わせた。

***

「昌獅っ!話が。」
「いいんだよ、つーか、あんなおんぼろの斧を貰った方が話的には変じゃねぇか。」
「……。」

 確かにあの斧は流石にないんじゃないかな、と友梨も思いがそれとこれとは話が別だった。

「だからって、何で私な訳っ!」
「だって、良いもんを貰えるんなら、お前がいいじゃねぇか。」
「私は物じゃないわよっ!」
「はいはい、それじゃ、お前が俺の嫁になって、はい、めでたし、めでたし。」
「全然めでたくないわよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

 嘆く友梨だが、残念ながら昌獅の言った事が現実となる。
 友梨はこの後家に連れて行かれ、昌獅の嫁となり、昌獅はなくした斧の代わりに新しい斧を買い、二人は幸せに暮らしたのだった。

End……?


「ちょっと、これ何よっ!」
「まあまあ。」

 友梨をなだめる昌獅だったが、彼女の怒りの矛先は見事に彼に向けられた。

「あんたが余計な事をしでかすから、話が逸れたじゃないっ!」
「キャストミスなんだから、別にいいじゃねぇか。」
「どうせ、私が女神でも同じ事をやったでしょっ!?」
「ん?お前もあの使えない斧を持っているのか?」
「そんな訳ないでしょ、普通に金の斧、銀の斧を持っているわよっ!」
「……。」

 つまんね〜、と顔に書かれている昌獅に友梨はぶち切れそうになる。

「あんたっていう人はっ!」
「さ〜て、次だ、次。」
「話を逸らすな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

 絶叫する友梨の声は最後まで持つ事が出来るだろうか……。

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