残っていた東京、沖縄を最後に、暴力団排除の条例網が完結したことは喜ばしい。これは、官民が一体になって、暴力団を「村八分」にし、息の根を止めようとする条例である。
　「みかじめ料」は払わない、暴力団には不動産は売らない、貸さない、工事も引き受けない、宅急便も引き受けない、催し物への入場もお断りだ、金融機関の口座もお断りだ、一切の取引はしないとなれば、完全な「村八分」である。
　一見して暴力団と判断するのは困難な場合が少なくないとは思うが、これが完全に実施されれば、暴力団は壊滅する。
　しかし、国内に8万人もいると言われる暴力団も、食ってかねばならない。それをどうするかだ。
　彼らが食うに困ったら、また何をやりだすか分からない。麻薬、覚せい剤、売春、暴力酒場から闇金融、ホルノ販売、振り込め詐欺など等あらゆる犯罪に手を広げようとするのではないか。彼らを追い詰めるだけでなく、いかにして正業につかせるのか、それをどこで考え、斡旋してやるのか、そこの配慮が抜けているのではないか。それが問題である。
　村上新八

　この不況の時期だが、震災による被災地の復興はまったなしにやるべきであることは言うまでもなく、皆の共通認識である。
　しかし、１２兆円とも言われる復興費用は、実際は、その倍くらいは掛かるであろう。そのための国民負担はやむを得ないが、既得権で免税されているところも見直すべきではないか。その最たるもののひとつが宗教法人である。
　宗教法人は、公益性の強い活動だからとして、一部の収益事業を除いて免税されている。
　が、「坊主丸儲け」という言葉があるように、戒名付けだけで何十万円も取れるし、墓地でも１ヘ－ベで何十万円という悪質不動産並みの価格で売り、墓石業者からのリベ－トも多額に上っているのだ。
　「医者、坊主、宝塚に、相撲取り」というのは、貰いものが多い４傑を言う言葉である。
　こういう宗教法人を免税にしておく理由は、今は全くないのである。一般並みの課税をすれば、２兆円は出るとの試算もあるのだ。
　村上新八

　復興増税の民主党税調案が決まった。
　法人税、所得税、たばこ税の増税だが、それぞれ、開始時期、期間が決められており、このくらいはやむを得ないであろうと思われるレベルであるとは思う。これで１０年間に１０兆円の復興資金は捻出できる計算にはなる。
　しかし、民主党のマニフェストには、国家公務員人件費の２０％削減という公約があり、この項目は維持されているし、民主党もこれは履行すると言っている。これが履行されれば、それにより、年間１兆円は捻出出来、増税はほとんど不要ということになる。
　この点については、税調案では、他に財源が出来た場合には増税を調整するとして、含みはもたせてはあるが、期限を切ってきちんとやるのが筋ではないか。
　このところ、民主党政権は、大分官僚に押し戻されてきて、行革が曖昧になているからこそ、気になる点である。
　村上新八
　

　小沢の元秘書３名が、政治資金規正法違反で、執行猶予付きの禁錮刑を言い渡されたが、これは当然の帰結であると思う。
・西松建設からダム建設受注をめぐっての１億円の裏金供与の証言
・小沢事務所が「天の声」の発信元であるとの認定
・小沢事務所が岩手近辺の公共工事を一手に仕切っていた事実
・４億円の資金源に対する声明の曖昧さ
・不動産購入前後の銀行融資の不可思議な動き
など等、これらを見ても有罪は当然の帰結と思われる。
　この判決が、起訴されている小沢の裁判に影響があるのは当然であろうが、元秘書の有罪という事実は、確定さてはいないと言っても、小沢の同義的、政治的責任は免れるものではない。
　村上新八

　野田首相は側近に対して、野田内閣の安全運転３原則なるものを示しているという。
　それは「余計なことは言わない」「派手なことはしない」「突出しない」の三つだという。
　これは、普天間の移転先を「国外、少なくとも県外」と一旦辺野古に決まっていたものを、見込みもないのにもひっくり返して、空喜びさせた挙句、もとに戻るという醜態を見せて退陣した鳩山の内閣や、「そんなにオレの顔が見たくなければ、退陣の条件としている３法案を早くあげろ」と啖呵を切って野党から総スカンを食った菅内閣の教訓として考え出したものであろう。
　が、これでは「啼かず飛ばずの大過なく内閣」になってしまう。それでは、何の役にも立たぬ「風呂の屁」内閣になってしまう。
　本当は「やるべきことを」「愚直に」「きちんとやる」ということなのだろうが、言い方が下手くそ過ぎるよ。
　村上新八

　来年のロシア大統領選には、プ－チン首相が大統領として立候補し、ベドベ－ジェフ現大統領が首相となって、入れ替わるそうである。
　なんのことはない、プ－チン、ベドベ－ジェフ一卵性独裁体制の継続である。
　ロシアは民主主義を装ってはいるが、羊の皮を被った狼のようなもので、その実態は独裁国家なのだ。
　野党はあるが、その政治活動は理不尽な理由を付けられて封じ込められ
まともな政治活動が出来ない状態に置かれ、国籍を問わず、政府批判で行方不明あるいは不審な死を遂げたジャ－ナリストは何百人にも及び、反政府の新聞社は政府に乗っ取られるか、潰されるかする、という恐ろしい言論弾圧の国である。
　KGB出身である元スパイのプ－チンにはお手の物のやり口なのだ。
　一般庶民の生活は苦しく、共産主義時代のほうがまだよかったと、いまだ残存している共産党の支持が高まりつつあるという。
　こういう、圧制国家ロシアは更に続くことになるのである。社会主義にも民主主義にも失敗したロシアは石油資源だけが頼りのお粗末国家なのてである。
　村上新八

　米は、懸案になっていた台湾への武器売却を決定した。ただし、台湾が求めていた新鋭戦闘機Ｆ１６Ｃについてはまだ検討中だという。
　これに対して、中国政府は、米駐中国大使を呼んで、「強烈に憤激しており、断固反対する」と通告したという。
　中国は、広東省に台湾に照準を定めたミサイル発射台を数百も並べているという。これがいつ突然発射されるかは分からない。それは中国が、アメリカに対抗しうる海軍力の整備が出来たと判断したときかも知れない。
　台中の経済関係は良好であるが、「台湾は中国の一部だ」という認識が変わらない限り、また、台湾政府が中国政府とは全く異質の思想を持っていると考えているかぎり、中国からの武力攻撃は否定しきれないし、これに対して、台湾が防衛力備えるのは当然である。
　米国の台湾への武器輸出は容認せざるを得ないと思う。
　村上新八

　食糧危機に喘ぐ北朝鮮は、しきりに６者協議の開催をせっついているが、これに対して日米韓は次の事前措置を要求している。
１ウラン濃縮の即時停止
２ＩＡＥＡ監視要因の復帰
３０５年９月の６者協議声明の厳守
４弾道ミサイル発射の停止
５朝鮮半島休戦協定の遵守
これに対して、北朝鮮は、無条件の６者協議再開を求めているが、この自薦措置を少しでも譲ったら、北朝鮮は図に乗って何を言い出すか分からない国である。
　韓国の哨戒艦撃沈でも延坪島砲撃でも一言のお詫びもしない国なのだ。ゆめゆめ譲歩などすべきではない。
　村上新八
　

　パレスチナ暫定政府のアッパス議長は、２３日にも国連事務総長に対して、国連加盟の申請むを提出するであろう。事務総長は直ちに、安保理に手続きをとるが、イスラエルと米国内のユダヤ勢力の圧力で、アメリカはずるずると決議を引き伸ばす作戦に出るようだ。
　国連加盟国の２／３近くの国が、パレカチナの国連加盟に賛成する可能性があることが分かっており、ここで拒否権を発動すれば、孤立化してしまうからである。
　しかし、６７年ラインでの和平を提案しながら、イスラエルのメタニヤフ首相に拒否され、面子を潰しているオバマとしては、いずれは安保理で賛成せざるを得ないであろう。拒否権の発動は筋が通らないし、これによってイスラム過激派テロを勢い付かせることになりかねないからである。
　こういう形で、アメリカを苦境に立たせるイスラエルの反対は誤りであると思う。
　村上新八

　「核心的利益」と称して南シナ海を独占経済海域にしようとする中国に対して、ベトナム・インドが共同して、南沙諸島の海底資源開発に着手するという。
　これに対して、中国は、「いかなる国も中国管轄の海域で原油、ガス探査を進めることに反対する」と激しく反撥しているが、筋が通らない。南シナ海が中国の管轄などちとはこも認めてはいないし、この計画で中国の不当な野望に釘を刺すことになれば、好ましいことだからである。
　ここで、ペトナム・インドが引っ込んだら、益々中国の横暴が激化することになるだけである。とことんやり遂げるべきである。
　このベトナム・インドの共同開発には日本、アメリカも賛成するはずである。
　中国は、武力でこの作業を妨害などせずに、冷静に対応すべきである。
　村上新八