中国は北朝鮮と血盟関係にあるし、北朝鮮の生命線として影響力を持つ国だから、国際社会は、それを駆使して、北朝鮮に釘を刺すことを中国に期待しているのだ。
　これに応える形で、中国外相がソウルを訪問して、李韓国大統領と会談した。
　外相は、「北朝鮮に蛮行に類した挑発をやめさせる」ように説得する努力をすることでも約束するのなら会談の意味はあったと思うが、さにあらず、「6者協議を再開して話し合うことを提案する」という内容であった。
　これでは、アメリカを引き出そうとしていろいろやっている北朝鮮の思惑の代弁にすぎないし、こんな話に応じれば、北朝鮮の核開発を認めることにもなりかねないのだ。
　これに対して、李大統領は「今はそんな時期ではない」と断り、日米も「北朝鮮が核放棄の意思を明示しない限り、会談は意味がない」と言明した。
　中国のこの行為は、北朝鮮寄りであるだけでなく、日米韓をバカにする行為である。
　村上新八

　沖縄県知事選は、普天の県外移転を主張する仲井間氏が、グアム移転主張の伊波氏を破って当選した。
　出口調査によると、仲井間氏に投票した有権者は、普天間問題だけでなく、沖縄経済の成長を含む総合的な判断で、仲井間氏を選んだという意見が多かったという。
　しかし、この意見に名護市移転の容認が含まれると考えるのは誤りであるが、仲井間氏の主張する「鹿児島から北海道までの県外移転」に、「うちで引き受けましょう」と、手を上げる本土の他県は一つもあるまい。
　これは、新聞が書いているように、「ヤマト」が「沖縄」を軽視しているとか、差別している意識があるからだとは思わない。
　蛮行を重ねる北朝鮮や急速に軍備を拡大して、極東の制覇を意図する構えの中国など、不安定要因を抱えて、この安定化を図るための米軍駐留の重要性が増しているなかで、米軍基地はごめんだ、という意識があるから、地政学的には、軍事拠点として最も好適なところは沖縄だ、という米軍判断に乗っかっているからに他なるまい。
　こうなれば、尖閣諸島でも埋め立てて、新たな基地を建設して提供するしか、解決策はないのかも知れない。
　村上新八
　
　

　ねじれ国会を何とかしようと、管総理は「熟議の国会」にすると述べたが、全くそうなっていない。
　その責任は、野党にある。柳田法相の失言は論外だが、仙谷、馬渕の問責決議はイチャモン付けだ。この二人が大臣として資質に欠けるとは思われない。
　「尖閣のビデオ流失」や「漁船船長の釈放」「メドベ－ジェフの国後訪問」「小沢の承認喚問未実現」などの問題よりも、政策関連の熟議のほうが政治課題としてははるかに重要だ。
　それをほったらかしておいて、こんなつまらぬ問題に血道をあげる野党にこそ、国政停滞の責任があるのだ。
　こんなイチャモン付けの野党は野党としての国政上の責任、つまり与党政策を是々非々で、ちきんと正し、野党の政策を織り込んでゆくとていう責任を放棄するものだ、と言わざるを得ないである。野党の猛省を求めたい。
　村上新八　

　失うもみのは何もない北朝鮮は、今後とも何をしでかすかわからない。それを抑えられるのは、ならず者北朝鮮を庇いに庇っている中国しかない、というのが世界世論だ。
　ところが、中国は、米韓、北朝鮮との接触はしているが、「冷静に」「相互で頭を冷やして」と、「６者協議の再開を」としか言わない。
　これは、中国の逃げである。いままで６者協議で決められたことを北朝鮮は何一つ守ってはいないのだ。
　６者協議で、核放棄をするような振りをして、食料、エネルギ－
せしめたら、その約束を守らない。この繰り返しだけであったことは中国もよく知っているはず、そのような６者協議を再開してみても、誰も本気で協議はすまい。
　アメリカが言うようにも「北朝鮮が核放棄を明言することを条件に６者協議を再開する」なら意味はあるが、その条件なしなら全く時間のムダである。
　こなんなことを分かっていながら、「６者協議」をまたぞろ持ち出す中国は、議長国として、朝鮮半島問題をきっちり解決しようという意思がないのであろう。
　村上新八

　政権運営に不慣れな民主党のもたつきもあろうが、近頃の委員会質問などは聞くに堪えない。
　自民党も野党としての国会運営に不慣れなのは同じだ。特に、若手の登用で、張り切っているのはよいが、与党攻撃の張り切りと自己顕示競争激化で、質問は、まるで怒号、罵倒のパタ－ンになってしまっている。
　委員会質疑の生中継は、生の政治を知る良い機会だから、積極的に視聴するようにしているが、ここまで品格もなにもなくなると、へどが出そうになって、切ってしまう。
　若い議員の一人が、こいうパタ－ンで質問すると、他の質問者も負けじとやるから、品格なさの悪いスパイラルになってしまうのだ。
　視聴者受け、有権者受けをねらって、目立とう、目立とうとする気持ちは分からぬではないが、視聴者がどういう気持ちでそれを受け取るのか、さえも判断できない議員では、政治家としては落第ではないか。
　村上新八
　

　今年に入ってから、激化した北朝鮮の数々の蛮行が起こる度に、中国もマスコミも「冷静に」「抑制的に」「刺激しないように」と述べるだけである。
　これは、「我々は何をやってもいいんだ」という誤ったサインを北朝鮮に与え、その蛮行をエスカレ－トさせるだけではないか。
　北朝鮮がいい気になって、勝手なことをやる主たる要因は三つある。
１何をやっても、中国が味方になって護ってくれる
２かって朝鮮戦争で廃墟になった経験を持ち、今は繁栄している韓国は、その繁栄を戦争によってぶち壊したくない
３米国は１週間くらいで、北朝鮮を潰せる戦力を持っているが、１，２の関係で動きを封じられている
　この要因をひとつでも減らすことが大切なのだ。
　２と３は、どうにもならないが、１は、その気になればすぐにでも手が打てるのである。
　中国が、北朝鮮に対して「こんなことをやれば今後一切の援助をストップする」「金正恩の後継も認めない」という条件を突きつければそれなりの効果はあると思う。
　世界世論で、これを強硬に中国に働きかけるべきだ。
　村上新八

　２３日、何の予告なしに、北朝鮮が韓国の延坪島に対して、数十発の砲撃を加え、官民に死傷者を出した。これは、停戦協定違反、国連決議違反の暴挙である。
　北朝鮮は、「韓国海軍の東シナ海の演習は北朝鮮への侵攻を意図するものであり、これに対して容赦なき物理的報復をしたものだ」と発表したが、全く理由にならぬ難癖である。
　専門家は、「アメリカを交渉に引き出すための行為」「金正日後継者を巡る軍内部の抗争」「韓国民に対する戦争の脅し」などと評しているが、いろいろな狙いを含むものであろう。
　先に北朝鮮が韓国の哨戒艦を魚雷攻撃で撃沈した事件について、中国は終始、北朝鮮を庇ったために、国連安保理でも、「非難決議」は出せず、生ぬるい「議長声明」でお茶を濁したことが記憶に生々しい。
　これで、北朝鮮は、暴挙をやっても、中国が味方になってくれるから大丈夫だ、という確信を持ったのであろう。それが今回の事件の背景にあるのだ。
　今回の事件の責任の一端は、中国にあるのだ。
　村上新八
　

　まずは、補正予算を通すのが国会の喫緊事項であることが分かっていながら、柳田失言問題が辞任ということで決着がついたと思ったら、小沢の証人喚問、仙谷、馬渕などの補正予算審議妨害カ－ドを次々に繰り出す自民党の手口はアンフェアなイチャモン付けとしか映らない。
　与党を攻撃するのは、野党の仕事であるが、時期をわきまえるべきだ。
　中国の尖閣問題、ロシアのメドベ－ジェフの国後問題にしても、好機到来とばかり、政府を攻撃するのは簡単だが、外交問題では日本国として一致して対応するのが筋というものではないか。
　その点で、自民党の姿勢はフェアでないし、何か得点を挙げようと焦っている感じである。
　日本は困難な時期にある原因の大きな要因は自民党政権時代に造った大借金なのだ、ということを忘れないで欲しい。
　その点では、公明党のほうがはるかに大フェアである。
　村上新八

　北朝鮮は、２０００基を稼動させてウラン濃縮を進めているという。
彼等は原発用の低濃縮ウランだと言っているようだが、原爆用の高濃縮ウランを目指しているのが真相なのであろう。
　国民の大半が餓えに苦しんでいるのに、原爆製造に莫大なカネをつぎ込むのは何のためなのか。まるで、骨と皮だけになった男が刃を研いでいるような感がある。
　彼等が、これで米国を脅して、米国の譲歩でも引き出そううと意図しているとしたら、大間違いだ。先の中間選挙では、北朝鮮により強い姿勢を示す共和党が大勝しているのだから、共和党をますます強硬にさせるだけである。
　オバマ大統領も、6者協議の再開の条件は、北朝鮮が核放棄の意思表明をすることだ、と述べているのである。
　金正日帝国の皇太子正恩の後継決定祝いの行事だとしても、あまりにけったいすぎる所業である。
　村上新八
　
　

　野党は一致して、柳田法相の辞任を要求している。一刻も早い成立が必要な補正予算を人質にしているとは思われないが、柳田の発言は、失言ではなく、本当のことであるからこそ、問題視されるのであるし、大臣とての資質を疑われることもやむを得ないと思う。
　野党が「柳田問責決議案」を呈出すれば可決されることは明らかであり、それから辞任では、菅総理の指導力だけではなく、総理としての資質も問われかねない問責決議案提出の前に辞任すべきである。
　与党のなかには、柳田の辞任によって、次は仙谷だと、ドミノ現象が起こるのではないかと、危惧する声もあるようであるが、それはないと思う。
　仙谷の「自衛隊は暴力組織でもある」という発言は「武力組織」の意味を言い違えた失言であるから、大きな問題にはならないと思うからである。
　補正予算審議を早く軌道に乗せる意味でも、柳田は辞任すべきである。
　村上新八