ウクライナ軍と親ロシア派武装勢力との交戦は一ヶ月以上続き、その間に２０００名以上の犠牲者ほを出している。
　この戦闘の停戦合意が６日成立したことは喜ばしいが、いままでの経緯から、これはプ－チンの時間稼ぎだ、信用できないという説が有力である。停戦はしても、親ロシア派は分離する方針は捨てていないのだからその可能性は大きいと思う。
　NATOが、ウクライナ情勢に対応するために、４８時間以内に展開できる即応部隊の創設を柱とする計画を採択したのもその停戦合意に対する不信の表れであろう。
　しかし、NATOに対応して造られていたワルシャワ条約機構もソ連の崩壊とともになくなってから１５年も経過し、ソ連も民主主義国になったのだから、何もNATOに対抗する必要性もメリットもなくなったのだ。
　だから、この際、ロシアもNATOに加盟して、共通の敵であるイスラム過激派、イスラム国やアルカイダのテロと闘うようにすべきではないか。ロシアはチェチェンというイスラム過激派のテロ地域を抱えていることだし、ロシアに損はないはずである。
　村上新八

　第二次阿倍改造内閣が発足した。
　阿倍は「政策実行内閣」だと命名したそうだが、実行しないほうがよい政策が多い。増税と物価高で、サラリ－マンの実質所得が目減りしているなかでの、自分たちの身を切ることは一切しないで、国民負担の増を図る、消費税の引き上げも、集団的自衛権も、社会保険の切り下げもそうである。
　この内閣の特徴は三つある
　その第一は谷垣元総裁を幹事長に据えることによって、消費税の１０％への引き上げの実質的責任を負わせたことである。この難物に、野党時代に民主党と消費税問題で合意した谷垣に責任を持たせようとしたものであろう。
　第二の特徴は、新しいポスト「地方創生省」を設置して、石破を宛てたことである。
　地方経済を再生することは容易ではない。工場を移転したり、会社の本社を移設することで出来るものではない。第一、地方に残っているのは高齢者ばかりで労働力がないのである。その労働力をつくるのは家族や子どもの学校のこともあるし、容易なことではない。
　石破は、総裁選でも地方に強かったから、地方まわりで、次の総裁選での地盤固めをしようと引き受けたのであろうが、裏目に出る可能性が高い。
　阿倍はこれを読んで、石破の地方の票を減らするために任命したのだろうと思う。
　第三の特徴は、五人の女性閣僚の任命である。阿倍はアベノミクスの第三の矢のネタがないため、女性の活用などを打ち出して誤魔化そうとしているが、その一環にすぎない。
　女性閣僚の頭数を増やせば、女性票が増える効果も期待できると思っているのかも知れない。
　
　アヘノミクスもダメ、近隣外交は手づまり、景気は落ち込むということになれば阿倍の支持率は低下、退陣も間もなくであろう。