伝統温存の意味で重要な国家遺産である「文楽」に対する補助金をカットするかと思えば、今度は、１９６５年に厚生省が決めた、高齢者の交流拠点になっている「老人憩いの家」を「今日から無しにする」と述べた。
　多発する独り住まい老人の孤独死が社会問題化しているなかで、折角うまくいっている「老人憩いの家」の補助金を半分にし、これを有料化するというのは問題である。
　有料にして一般に開放するというのだ。聞こえはまともに聞こえるが、老人以外に誰が利用するのだろうか。そのうちに利用度が低いということにして、廃止する意図でやっているものと思う。その次は「うば捨て山」でも造ろうとするのであろう。
　　大阪市は、これまででたらめなことをやり過ぎてきたから、その意味でこれに大鉈を振るうのは結構だが、孤独化が進展する老人の絆まで断ち切ろうとする橋下政策には首をかしげざるを得ない。
　橋下は、「選択と集中」を一つのスロ－ガンにしている。これは結構なことだが、これまで日本の構築に尽力してきた老人をないがしろにする国家は、一流国ではないのである。
　村上新八

　民主党に小沢を引き込んだのは鳩山だが、これがそもそもの過ちの始まりであった。当時の政治情勢からいって、民主党は小沢の力を借りなくても選挙に大勝できたのである。
　そして、鳩山が失脚して、菅が代表に就いたとき、菅が「小沢さんはしばらく静かにしていてもらいたい。それが国民のため、日本のため、ご本人のためだと思う」と決別の辞を投げつけたのが、決定的な亀裂になった。
　小沢は、目見当的な財源の見通しの下で造ったいい加減なマニフェストと、その後の経済激変をもたらした諸般の事情も無視して、たた゛「マニフェストの原点に返れ」とだけ、マニフェストを実行するための財源の見当もつかないままに、吼え続けている。
　これでは全く話しにならない。小沢に付いていくしかないうぞうむぞうをつれて、早く民主党を離党し、自然消滅の道を辿ったほうが良い。それが日本の政治のために小沢のとるべき最善の道である。
　それこそが、「ぶち壊しや」の小沢にふさわしい、なれの果てであろう。
　村上新八

　２７日、電力系の株主総会が一斉に開催されたが、東電の筆頭株主として猪瀬副知事が出席し、東電の定款の改善提案をいくつか行った。
　その提案のなかの一つに「東京電力病院」の売却というのがある。それは東京の慶応病院の近くにあるそうだが、こんな病院があるとは、東電社員以外の人は、誰も知らなかった。
　それも、そのはず、１５０床近くのベッドと全診療科を持つ総合病院だが、診療するのは東電のOBを含む東電社員と家族だけで、病院の看板も掛けていない隠れ病院だからだ。
　だから、患者数も少なく、入院患者も現在は２０名しかいない、ベッドはがら空きの状態であるという。
　それを質したところ、福島の医療支援を行っているから、医師は多忙であると答えていたが、福島に応援に行っている医師はたったの１名だけだという。
　いかにも、地域独占会社らしい、超贅沢さである。その経費も電気料金に加算されているのだ。
　猪瀬副知事は、１２０億円はするというこの病院の売却を提案したのだが拒否された。許可したのは、お前の東京都ではないか、という言い草だ。
　こんなことを放っておいて、値上げに応じるわけにはゆかない。都は許可を取り消すべきである。
　村上新八

　２６日の消費税増税法案の投票では予想とおり、５７票が青票であった。投票後、小沢は「よっしゃ!」と言って席を立ったというが、何か期すものがあったということでもないらしい。
　彼は、チルドレンどもを、一人づつ呼びつけて、離党して新党を建てて、「増税反対」「原発反対」をスロ－ガンに戦えば、必ず勝てるといっても、離党届に署名させたというが、成算があったわけでもなかったのである。
　成算のある方策を持っていれば、投票終了後、除名されないうちに全員の離党届を提出して、新党の結成に着手したのであろうが、それは出来なかったのだ。
　本人は「勝ち目は少ないが、最後の参院審議を戦って、その結果を見て判断する」などと言っていが、増税は与野党合意で決まり、当面は原発再稼動も避けられないというなかで、３０－４０くらいの小党が「増税反対」「原発反対」を叫ぶからと言っても、実現のめどは全くなく、誰も投票してくれないことに気が付いていたからだ。
　勢いでこうなってしまったのだが、その先の見通しはないのである。豪腕小沢の有終の末期になるのかも知れない。
　村上新八

　６０年以上軍政が続いてきたエジプトだが、空軍出身で軍との太いパイプをもつシャフィク元首相との接戦の末、ムスリム同胞団のモルシが大統領選を征した。
　しかし、軍事評議会は、アメリカを後ろ盾にして、裁判所を通じてムスリム同胞団出身議員が大半を占める議会に解散命令を出したり、大統領の権限を縮小しようとしている。その裏にはイスラエルの影が見えるのだ。
　アメリカしとては、これまでムパラクの独裁で、イスラエルと良好な関係にあったエジプトを、イスラム系の政権によって変えられたくないと思っているのだ。が、これでは、とても民主化と言える状況ではない。
　モルシ大統領は、イスラム色を薄めて、少数派のキリスト教徒も平等に扱うし、女性の権利も尊重する、女性の服装もイスラム色を強いないなど自由も平等な穏健施策を推進しようとしているようだが、これで良いのである。イスラエルとも平和維持の姿勢をとるべきであろう。
　そして、民衆の信頼を勝ち取りながら、軍の政治への関与を排除する憲法の制定に成功すれば、エジプト民主化は推進されることになろう。
　その手腕に期待したい。
　村上新八
　
　

　小沢は、小沢チルドレンを一人ひとり呼びつけて、消費税増税に反対して、民主党を離党するように説得し、離党届を書かせるという「踏み絵」みたいなことをしている。
　消費税増税と原発に反対する小沢新党に参加すれば、必ず当選すると説得しているのだ。
　だが、自民党、公明党も賛成している消費税増税は、今やメガトレンドであり、これをひっくり返すことは不可能であり、脱原発も国民の悲願ではあるが、原発による発電分を他のバイオエネルギ－源に代え、これを実現するには、今後２０年以上掛かることも事実である。
　こういう実態を考えれば、小沢の言うように、消費税反対、原発反対を掲げれば、小沢新党が総選挙に勝てるということにはならないし、第一、小沢前夫人から、人間としても、政治家としても、その資質の失格を暴かれ、災害の見舞いにも来ず、選挙区からも愛想を尽かされた小沢自身が落選することも必至であろう。小沢新党が次の総選挙で体をなせる可能性は極めて低いと考えざるを得ないのである。
　小沢新党は、つくられても、次の総選挙で壊滅する。
　村上新八

　「蜂の一刺し」というフレ－ズが有名になたことがある。ロッキ－ド事件の際に有罪になった田中首相の元秘書榎本俊夫の前夫人が榎本有罪の決め手となった証言をしたときの、夫人の一言である。
　これと同じようなことが小沢からみで起こっているのである。
　長年に亘って地元で小沢の支持層を維持してきた小沢夫人が、小沢との離婚を決意して、友人に送った書簡が公表された。そのなかでは、小沢の裸の姿が赤裸々に書き綴られているのだ。
１小沢には、今年で２０歳になる隠し子がいること
２夫人と離婚しても慰謝料は一切払わない。財産の分割もしないと言っていること
３極端に放射能を怖がって、被災した地元の見舞いにも行かずに逃げ回っていたこと
　などが書き綴られている。
　いずれも政治家の風上にも置けないことばかりだが、得に３の問題は決定的である。自分の選挙区であり、長年支持し続けてくれた大勢の支持者が大地震と大津波で惨事に見舞われているのに、見舞いにも行かないで逃げ回るとは政治家としての資質以前の大欠陥人間なのだ。
　こんな奴が新党つくりなどとんでもないマンガである。
　村上新八

　小沢が、消費税増税に反対するのは、当初の、財源の裏打ちもなく、単に、「民主党が政権をとれば、２０兆円くらいの予算は浮かせられる」という思惑だけの、いい加減なマニフェストの遂行に拘っているように、見せかけてはいるが、一昨年からの「事業仕分け」でも大きなムダはみつからなったことも知っており、できないことは分っていながら、自分をないがしろにする民主党執行部にイチャモンをつけるためだけというのが、小沢がごねている本音ではないか。
　消費税増税の前に、先にやることがあるというが、世論の強い支持がある行革や議員削減などの法案よりも、不人気な消費税増税法案を先に済ませておくほうがやり易いという判断があっただけのことで、実施の順序としては、消費税増税と多少前後するとしても、やることは間違いないのだから、そう目くじら立てることではないはずである。
　つまり、小沢のイチャモンは、小沢個人の私的な恨みによるものであり、これについてゆく陣笠どもは、我が侭親分に振り回されているだけの腑抜けチンルドレンだと言いたい。
　村上新八

　財政資金の裏づけを誤り、ばらまきを散りばめた当初の民主党の不渡り手形マニフェストに拘り続け、消費税増税に抵抗した小沢派は、ついに、消費税値上げ法案採決に反対投票を投じ、離党するようである。
NHKの個別調査では小沢派の反対投票は４０名といっていたが、何回もホテルでの「集会呼びかけ」で離党届にまでサインしたのしたのは５０名に達したという。総決起の意志固めを確認するための血判書みたいなものである。小沢への義理で書かざるを得なかった者も少なくあるまい。
　しかし、当の小沢は、満身創痍、長年連れ添った奥さんには、めちゃめちゃにこき下ろされた離縁状を叩きつけられ、公開され、放射能を怖がって逃げ回り、被害地のど真ん中にある自分の選挙地にさえ顔を出さなかった臆病さを暴露され、その上隠し子まで暴露されるし、検察審議会から強制起訴された裁判では未だに控訴審に繋がれたまま、といった有様。
　これでは新党を立ち上げても、投票する奴は殆どいないであろう。
　政界のかき回しや小沢は、早く引退したほうが国家、国民のためである。
　村上新八

　

　橋下大阪市長は、市職員が勤務時間外でも政治活動をした場合には、懲戒免職とする条例を盛り込む方針を決めたという。
　橋下は、当初は懲役２年の罰則を設けようとしたが、政府からそれは「違法」であるとの指摘を受けて「懲戒免職」に下げたものである。
　懲戒免職となれば、退職金も年金も受け取れなくなるし、公務員にとっては、最高の罰則である。
　こんな罰則は、市職員であっても、勤務中の政治活動でも厳しすぎると思うが、勤務時間外の政治活動に適用されるとなると、憲法の、言論、思想、理念、集会、結社等の自由理念にも悖ることになるものである。
　これでは、北朝鮮の圧政体制と何ら変わらないことになるのだ。
　橋本の考え方、言動は、初めから独裁思考、ヒットラ－タイプであると感じていたが、その傾向がここに来て、益々過激化してきていることに嫌悪と危惧を持つ者である。
　大阪市民は一体何を考えていのであろうか。
　村上新八