今日が大阪府知事と市長の同時選挙が行われる。
　民主党から共産党まですべての政党が現職の平松市長を支持、橋下氏は、彼が率いる「大阪維新の会」だけが支持する戦いである。
　争点は「大阪市と府を一体化した大阪都構想如何」である。この選挙戦の争点ははっきりしているが、その内容となると大阪都構想には具体性がかけている。「二重行政を止める」「大阪都にして世界の大都市と競争できる大阪にする」というが、その激しい気合みたいなものだけで、一体何を競争しようとするのか、二重行政は大阪都にしなければ、出来ないのか、さっぱり分からない。平松氏の言う「大阪都にしなくても二重行政は是正できる、大阪都にしても市民には何のメリットもない」というほうが納得性はある。
　しかし、大阪人は、いままでも、何の実績もない、政治面では未知数の芸能人を当選させてきた実例があるくらい「奇好み」のようであるから、どういう選択になるかは分からない。
　村上新八

　米軍は、世界に駐留しているが、いずれもそれぞれの国と地位協定を締結しているが、いずれも同じような不平等なものである。護ってやっているのだという優位気分があるからであろう。
　米国は、１９９８年に定められた「国際刑事裁判所ロ－マ規定」にも加盟していない。
　これは、「自由侵害」「人権侵害」「戦争犯罪」「侵略犯罪」など刑事責任のみを対象にする裁判所でオランダのハ－グに置かれており、これまでも世界各地の犯罪が裁判に掛けられている。
　世界では１３９カ国が加盟しているが、アメリカ、中国、ロシアは加盟していない。
　アメリカが加盟しない理由は「兵士の士気が阻喪するから」と言う理由である。これは裏から言えば、戦争犯罪はやむを得ないものと判断していると解されかねない理由である。
　この考え方が駐留米軍の不平等な地位協定にも反映されているのであろう。だから、改善するといっても、地位協定そのものは変えずに、運用の面で変更するだけということになるのである。
　村上新八

　不平等極まる米駐留軍の地位協定の改訂は以前から問題になっていたが、今回やっと、その運用が見直しされることになった。それも協定の改訂でなく、運用の見直しで、地位協定そのものは変わらないのだ。
　運用が見直されのは、「駐留米人軍属が公務中に犯した犯罪で、被害者が死亡ないし、重大な後遺症を生じる事件については、その裁判権を日本側に移す」というものだ。
　過去５年間に数十件も発生した、米人軍属の起こした事件で、米軍の軍事裁判にはかけられた事件は、一件もなかったのである。これは米国最高裁の判例があるためにそうなったものだというが、つまりは、米人軍属の犯罪は、公務中であればやり放題だ、ということになるのである。
　日本人軍属の犯罪なら、公務中と言えども日本側の裁判で裁かれるのである。これに沖縄の人が怒るのは当然である。
　村上新八

　エジプトでの民衆デモが再び激化している。
　ムバラク政権を打倒した１月の民衆改革デモ時には、政権と距離をおいて、静観していたことによって、民衆からの信頼を得ていた現在の政治の全権を持つ軍事評議会が、今回はデモの攻撃をまともにくらっている。
　それは、軍事評議会が、今月初め、新憲法に軍の権益を維持しようとする原則を織り込もうとしたことが主な理由であるとされている。
　これは、民主化に反するものだと民衆が判断したのである。
　２８日に予定されている総選挙では、ムバラク政権時代には、政党と認められなかった「イスラム同胞団」が第一党になると予想されている。
　ともあれ、民主的な総選挙が予定通り実施され、軍事評議会が、平穏に新しく選ばれた政党に政権を移譲されることを期待したい。
　エジプトの民主化はそれからである。
　村上新八

　大王製紙はテッシュ、トイレットペ－パ－のメ－カ－で、業界第三位の上場会社であり、関連会社３５社を含めて、８０００人近くの従業員とその何倍かの家族をかかえている企業である。従って大王製紙という会社は、その株主、従業員と家族の共有資産であるはずである。
　ところが、会社創設者の孫が、大王製紙と関連会社から１０６億円、非関連会社を含めると１５０億円ものカネを出させて、マカオ、ラスベガスのカジノで賭け事をし、１００億円近いカネを焦げ付かせてしまったというのだ。
　創生者の孫であるこのバカ元会長は、企業を自分のがま口のように思って、取締役会の承認も得ずにカネを引き出し続けたのである。
　こんなでたらめな行為は、会社法違反以前の、経営者としての自覚のカケラもない児戯に類する行為であり、厳罰に処すべきだが、その行為に唯々諾々として手を貸した役員共も、腰抜け役員として追放されて当然ではないか。
　村上新八

　世界第２位の高所得者、世界的な投資家パフェットが、投資先であるタンガロイの新工場落成式に出席するために福島を訪問した。
　その際の彼の発言を拾ってみよう。
　「日本は何があっても前進をやめない国だとおらためて確認した」自分は「持続的に成長できて、競争力があり、社会にとって欠かせない事業を持つきぎょうに投資する」「震災や原発事故後も、日本の投資魅力は全く変わっていない」などである。
　パフェットが訪問した工場は、福島第一原発から３０キロしか離れておらず、普通のアメリカ人なら敬遠するところであるが、８１歳になる彼が遠くアメリカから、慰問や災害視察ではなく、投資先視察という形で訪問したことは、なによりも福島の復興を応援する力を与えたと言えよう。快挙である。
　村上新八
　

　イランの核開発は、どうやら決定的らしいが、これにイスラエルが神経を尖らせてきた。
　そんななかで、イランの核施設で爆発があり、核開発関係者が１０人以上死亡したという。
　この核施設は、大きな岩陰にあり、外部からの攻撃は難しいと言うから、内部に潜入していたイスラエルの内部協力者が、爆破させたことは考えられる。
　かって、北朝鮮の指導で建設中のシリアの核施設を空爆で破壊したこともあるイスラエルである。そのイスラエルの諜報組織「モサド」の仕業であろう。これについてイスラエルは、否定も肯定もしていないところをみると、益々その可能性は高いと思われる。
　しかし、この程度ではイランの核開発がストップすることなどは在り得ない。
　村上新八

　ミャンマ－の軍事政権は、このところ急速に、その独裁制を緩和し、これまで圧迫し続けてきたアウンサン－ス－チ－が率いる国民民主同盟（ＮＬＤ）への締め付けを緩めてきている。
　国事犯として投獄されていたＮＬＤ幹部が大量に釈放されたことは事実だが、ＮＬＤが政党として再登録され、ス－チ－の被選挙権が復活されるという報道もある。
　これが、ミャンマ－軍事政権民主化への本物の動きなのか、ジェスチュアなのかはまだ分からないが、本物であることを期待したい。
　軍事政権によって、政権移譲は拒否されたが、２０年前の総選挙で８０％もの議席を取り、圧勝したス－チ－の国民的人気は未だに衰えないが、ス－チ－の政治力は分からない。政権の座に就いたことがないからである。
　しかし、ス－チ－率いるＮＬＤがミャンマ－の民主主義化の旗頭であるこは確かであり、それに期待して良いと思う。そしてこの民主化への動きが本物であれば、先進各国からの経済制裁も解除され、大変遅ればせながら、経済発展競争への本格参加も期待されるのである。
　是非そうなることを期待して見守りたい。
　村上新八

　日産のゴ－ン社長がニュ－ヨ－クで講演した。そのなかで、「１ドル７７円の円高に耐えられない。おおくの企業が海外に生産拠点ほを移そうとしているのは，いつになったらこの状況から抜けたせるのか分からないからだ」「政治家は、『円安が好ましい』『あらゆる必要な措置をとる』と繰り返し言っているが円高はとまらない」と述べている。
　その慨嘆は、よく分かるが、これを改善する手はないのだ、政府、日銀は３回も為替介入をした。そのうち１回は、東日本大震災直後の強調介入であったが、いずれも効果は、２，３日だけだった。のれんに腕押しである。
　ヘッジファンドが、レバレッジで創った莫大な資金で、円買いを掛けているのだろうが、どう仕様もない。
　このままでは、生産拠点は海外に移り、日本国内は空洞化し、失業者と年金生活者ばかりになってしまうであろう。
　村上新八

　オバマ大統領は、１７日、キャンベラのオ－ストラリア国会で演説し、「今後のアメリカの世界戦略はの中心は、アジア太平洋である」と、述べた。
　これは、経済的にも、アジアの比重が高まるとともに、中国の軍事力が強大化し、空母の保有やステルス戦闘機の開発、ミサイル射程距離の長距離化によって、従来の極東の軍事拠点である韓国、日本、グアムが射程内に入ったことにより、射程外で、南、東シナ海、インド洋もマラッカ海峡にも睨み利かすことができる西南オ－ストラリアに軍事拠点を設置して
中国を牽制することが課題だと思ったからであろう。
　それは分かるが、アフガン、イラクからも完全に手を引くわけにはゆかない。蛇の生殺しみたいになっていたタリバンも息を吹き返して元気になってきているし、イランという厄介者もいる、これに最大の脅威を感じているイスラエルとの間は、一触即発の感がある。
　アメリカは、そちらにも神経を尖らさねばなるまい。
　ＴＰＰも先の話である。アメリカの財政負担は当分は続くし、ドル安も円高も、その解消は当分見込めまい。
　村上新八