一つ前と同じモデルさん。10分ポーズです。20分のときと同じ狙いでもう一度トライ・・。20分は硬くなりすぎた感があり、もう少し軟らかい表現にと思ったのですが、今度は仕事が進まず。・・う〜ん。

　新宿美術研究所にて。20分ポーズで、一度全身を墨汁で描いてから顔を描いてみました。
　小柄でさっぱりした感じのモデルさん。例によって、似ていません。似ているかどうかというより、左の北窓から入る自然光の美しさ、頬に赤みがさして生き生きしている感じなどが表現したかった点です。・・苦戦。難しいです。立ちポーズを下から見ているのですが、それにしても首が長すぎるかもしれません。

毎年出品しているのですが、なにしろ交通の便の悪い画廊で、
わざわざご足労していただくのも心苦しいのですが。昨年は
jun-zoさんに来ていただき、たぶんその時が初対面であったかと。

会長に初めてお会いしたのは小生が高校3年生になったばかり、都内某美術予備校の夜間部で会長が講師を務めておられたのです。
まだG大生で掘りの深い顔立ちとスラっとした長身、すり切れたジーンズのポケットに無造作につっこまれた文庫本がカッコヨカッタです。
こちらはろくに絵の具の使い方も知らなかったし、物を視るという訓練もここから始まったと思います。それから紆余曲折を経て　いまだに師弟関係が続いているというのが信じられない様な気もします。ありがたい事です。

かわたれ会　会長の作品です。

会長自身、無口な方で、多くは語らないが　絵画に対する熱意、探求心は　われわれ会員の遠く及ばない人です。

いまだに　何を考えているのかよく解らないところもあります。
でも不肖の弟子達に対して　深い思いやりのある人です。

かわたれ会に関しては「ここまでは　面倒みてきたけど　あとは　君たちで　もっと　積極的に　おやりなさい。」　というスタンスなのだと思います。

皆さん　会長の期待を裏切らないよう、より精進いたしましょう。

左は10分ポーズ。頬に入れた調子が少しきつすぎました。左の明るい部分との諧調をもっと集中して追いかけたいところ・・。やはり、前夜の飲み過ぎが効いています。

「春を待ちながら」

昨日の作品の　ある意味で続編です。母の命が小生を経由して娘へと
受け継がれていく、そう思うことで救われるという個人的な想いも
もちろんありますが、それがもっと普遍的なメッセージとして見る人々
に伝わればという意図もあります。

技法としては　アクリルガッシュの上から初めて水溶性の油絵の具と
いう物を使用してみました。水でも溶け、ペインティングオイル等の
油にも溶けるという絵の具です。描き出しは水で溶きサラっと描いて行き、
仕上げに近づくにつれ油を多く混ぜていきます。

とりあえず、感想ノートは今日で終わります。
会長の作品もこのあと　アップしますが
感想、批評などは控えさせていただきます。

あ、それから4日ほど前から　小生 カナリ・エズキの
個人的なブログを開始してしまいました。
かわたれ掲示板とどうしてもカブル点もあり
某老舗料亭ではありませんが「ネタの使いまわし」
には　なにとぞ寛容なおめこぼしを。

http://kanarikun.at.webry.info/

「年輪」

昨年10月、母があちらへ　旅立ちました。　明るくていつも周囲に笑いの絶えなかった母でした。
しかし　晩年は　心臓ペースメーカーを入れたのをはじめ、脳梗塞と乳ガン、胃ガンを患い、7回も入院する事になってしまいました。
医療の現場も人材不足で　末期ガン患者や家族の精神的なケアまでしていられない状況など思い知らされる日々でもありました。

母の亡くなった後、この絵を描きながら気付いたことは　この顔に刻まれた皺のひとつひとつが　母にとってはもちろん、小生にとってもかけがえのない 時間の集積の痕跡であった、という事実です。
改めて、感謝の思いで胸が熱くなりました。

人が老いて行くということは、とかくマイナスイメージで語られ
がちです。（後期高齢者という言葉のなんと冷たいひびき！）

しかし、ひとつの命をまっとうすることの尊さ、形を変えて引き継がれていく命の永遠性といった視点にたつと　まったく違ったものが
見えてくるようです。

葬儀の時、小生の頭の中をずっと駆け巡っていたのは　なぎら健壱の「永遠の絆」でした。

「橋を渡る」

　小生の作品です。自作をうんぬん言ってもしょうがないというか他人の評価の方が正しいと思うので多くは語りませんが　狙いとその結果のみ書いてみます。　制作過程でも触れましたが　子供が橋を渡る緊張感のようなものが描ければと思ったのですが、まあ、絵の構想自体が甘かったのと　描きたい部分とそうでない部分が如実にばればれみたいな結果になってしまいました。子供1人をを小さく扱って50号もたせるのはちょっと無理があったかな。石垣の微妙な色味は描いてて楽しかったのだけどその上の部分、中途半端になってしまったようです。水の表現も稚拙ですね。　

　以下、冗談です。
「あぶない橋を渡って　我が子よ　上手に世の中を　生きて行くのだよ。カルガモのように　上手い事言って　お前を誘惑する輩が
うじゃうじゃ　いるんだからね。　とうちゃんは　いつも　ちょっと離れたところから　お前を見ているよ。　万が一　お前が川に落ちたら　すぐに助けに行くからな。」